3月15、16日、鈴鹿サーキット(三重県)で2008 AUTOBACS SUPER GT開幕戦「SUZUKA GT 300km」が開催される。2008年シーズンは、GT500クラスへのNISSAN GT-Rの参戦や主力ドライバーの移籍、GT300クラスは期待のルーキー参戦、新型車の登場などオフシーズンから話題が沸騰。これまで以上に開幕が待ち通しいといえよう。
No.12 カルソニック IMPUL GT-R
今年の話題はなんと言っても5年ぶりに復活した『GT-R』だろう。JGTC初年度から活躍したスカイラインGT-Rは10年間で5回のドライバーズタイトルを獲得した。その『GT-R』を引き継ぎ登場したのがNISSAN GT-Rだ。昨秋、市販車が登場するや、早くも今季のSUPER GTへ参戦を決定。『GT-R』のエンブレムと日産フラッグシップのプライドを賭け、デビュー年のチャンピオン獲得を目論んでいる。そのために日産のエース本山哲とフランスのスピードスター、ブノワ・トレルイエがNo.23 XANAVI NISMO GT-Rで夢のタッグを結成。デビュー戦で勝利し、そのままシリーズを牛耳る構えなのか?
23号車だけではない。開幕2週間前に行われた鈴鹿公式テストでもGT-R勢は好タイムを連発。開幕戦はGT-Rから目が離せなくなりそうだ。
一方、昨年のチャンピオンカーとなったホンダNSXも黙ってはいないだろう。昨年以上に速いマシンを目指し、ホンダの技術陣はさらに速く強いNSXを準備しているはず。特に昨季5ポールポジションを獲得した小暮卓史と道上龍のNo.18 TAKATA童夢NSXが気になる存在。昨年の開幕戦で記録された鈴鹿の驚異的レコードタイム1分49秒842を更新し、さらに鈴鹿で6年ぶりの勝利をNSXにもたらせるか楽しみだ。
SC430はマシンだけでなく、そのドライバー陣にも注目したい。昨年、NSXでタイトルを獲った伊藤大輔がNo.6 ENEOS SC430に移籍。伊藤は、立川祐路(No.38 ZENT CERUMO SC430)と共にGT最多の9勝を挙げている実力の持ち主。メーカー対決だけでなく、トヨタのエース的存在である脇阪寿一(No.36 PETRONAS TOM'S SC430)との3者、3チーム間の戦いも気になるところだ。
さて、GT300クラスはチャンピオンの大嶋和也、石浦宏明がそれぞれ海外とGT500クラスへと移り、それによって混沌の状況になりそうだ。チャンピオンマシンMR-Sは、アニメの人気者(クルマ?)No.95 ライトニング マックィーンMR-Sとなって、平手晃平と国本京佑という超若手ルーキーコンビに託された。結果以上に若さ溢れる活躍を期待したい。
鈴鹿での公式テストでは、No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(高橋一穂/加藤寛規)、No.81 ダイシン ADVAN Z(青木孝行/藤井誠暢)、No.66 DGRQムルシェRG-1(山西康司/余郷敦、テストでは87号車)が好タイムを記録。これに、鈴鹿テストはシェイクダウン状態だったNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)あたりを交えたあたりが上位を争ってきそうだ。
開幕戦は全車がウエイトハンデなし。そして最初の実戦。つまり、ドライバー、マシン、チームの底力がモノを言う戦いとなる。ファンにとっても、今シーズンを見定める大事なレース。絶対、見逃してはならない!
*写真は全て鈴鹿公式テスト時のものです。