11月9日、2008 AUTOBACS SUPER GT第9戦「FUJI GT 300km RACE」は富士スピードウェイ(静岡県)で決勝日を迎え、8時35分から30分間、朝のフリー走行が行なわれた。


Free Practice

フリー走行 天候:曇 | コース:ドライ | 気温8度 | 路面温度9度

 前日の予選でグリッドを大きく左右した雨は未明に上がり、曇天の下でのスタート。ただし路面は完全に乾くまでには至らず、ウェット宣言が出される中での走行となった。開始時点での気温は8度、路面温度は9度と、この週末で最も低くなった。
 各チーム、まずは浅みぞのレイン用タイヤで数周した後、いったんピットイン。ライン上が乾き始めたのを見て、ドライ用タイヤに交換して再び出て行く。

 GT500クラスではSC430勢が上位タイムをマークした。序盤はNo.39 DENSO DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート)がトップ。残り時間10分を切ってNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)が初めて1分35秒台に入れ、これを逆転する。さらにNo.35宝山KRAFT SC430(片岡龍也)が2番手につづく。
 残り3分を切って路面コンディションが好転してきたのか、他チームもタイムアップ。チェッカーが提示された周に、No.6 ENEOS SC430の伊藤大輔が1分35秒321をマークし、これがこのセッションでのベストとなった。今回が復帰戦となる伊藤だが、健在ぶりをアピールしてみせた。
 以下、4番手までSC430勢がつづき、5番手No.1 ARTA NSX(伊沢拓也)の1分35秒939がNSX勢の最上位。GT-R勢ではNo.12カルソニックIMPUL GT-R(セバスチャン・フィリップ)の1分36秒069がベストタイムだった。
 ランキング上位勢は、トップのNo.23 XANAVI NISMO GT-R(ブノワ・トレルイエ)が1分36秒206で9番手。これに対し、ランキング3位のNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)は3番手、同4位のNo.38 ZENT CERUMO SC430(リチャード・ライアン)は終了間際に2番手タイムをマーク。ともに、逆転タイトルにわずかな望みをつないだ。
 だが、ランキング2位のNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)は14番手。また、予選ポールのNo.17 REAL NSX(金石勝智)は15番手、予選5番手のNo.100 RAYBRIG NSX(細川慎弥)はクラス最下位と、No.1以外のNSX勢は、このセッションでは下位に終わっている。

 GT300クラスでは、No.4 EBBRO UEMATSU 320R(松下昌揮)の1分44秒082がベスト。No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC 408R(柴原眞介)が2番手で、ヴィーマック勢が1-2となった。3、4番手にはNo.88 triple aガイヤルドRG-3(松田秀士)、No.26ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝)と直線スピードが速い2台がつづいた。予選2位だったNo.33 HANKOOK PORSCHE(影山正美)が4番手。ポールのNo.77クスコDUNLOPスバルインプレッサ(カルロ・バンダム)は11番手に留まった。
 ランキング上位勢は、No.2プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規)が7番手、No.46 MOLAレオパレスZ(星野一樹)が13番手、No.43 ARTA Garaiya(新田守男)が15番手、No.81ダイシンADVAN Z(青木孝行)が17番手。タイトルの行方がどうなるのか、このセッションの結果からは、まったく予想がつかない。


No.4 EBBRO UEMATSU 320R

伊藤 大輔/No.6 ENEOS SC430(GT500クラストップタイム)
朝は気温が低くスリックタイヤの温まりが悪くて、ちょっと苦労しました。でも、温まってしまえばクルマのバランスはまずまず。昨日から今日にかけてセッティングを大きく変更したんですけど、フィーリングは良かったですね。ただ、もっとタイヤが減った状態を想定してアジャストする可能性もあります。いつでも一番っていうのは気分がいいものですね。ただ、金曜日も上のほうにいたのに土曜日の予選がダメだったので、練習だけでなく、決勝でもちゃんと前にいけるように、気持ちを引き締めて臨みたいと思います。富士は抜けるコースですし、ボクらはストレートスピードも速いほうだと思うので、チャンスはあると思います。前半からどんどん飛ばしていきたいですね。ロングディスタンスはあまり乗っていませんが、身体はまったく問題ないので、それに関しては心配していません
松下 昌揮/No.4 EBBRO UEMATSU 320R(GT300クラストップタイム)
みんなも、ウチと同じように燃料を積んで、ニュータイヤで決勝を想定して走っていましたが、そういう同じ条件の中でトップタイムを出せたのは、うれしいですね。最初、良平さんがスリックで走り始めて、その後ボクもニュータイヤを使ったんです。Bドライバーがニュータイヤを履くチャンスってあまりなくて、アピールできる機会が少ないじゃないですか。まだ100Rなんかは濡れていて、リスキーな部分もあったんですけど、その中で、1分44秒フラットまで出ているので、悪くないっていう感じでした。それに、ウチより予選ポジションが前のクルマと並んだときにもウチにマージンがあったので、決勝では上がっていけるんじゃないかと思います。ウチはピットワークも速いですしね。目標は『打倒!  62号車』。あそこはピットワークもドライバーも速いので、同じヴィーマックとして負けたくないですね。最終的には、できればポディウムに乗りたいですけど、そんなに簡単だとは思っていません。ボクは来週マカオなので、勢いをつけたいです