GT500 クラス | 優勝

No.8 ARTA NSX

ラルフ・ファーマン
 最高の気分です。今シーズンはいいレースをしていながら、なかなか勝てませんでした。でも、ここで優勝できて良かったです。今日は12番グリッドからのスタートでしたが、いい結果で終ることができてうれしいです。(予選の)スーパーラップでは2位でしたし、クルマは非常に良い調子でしたから、心配はしていませんでした。
 スタートは目の前で混乱が起こり、アウト側から行く気ではあったんですが、内側からどんどん押し出されて芝生のところまで出てしまい、前にスピンしているクルマもいて、焦りました。
 僕が40周と長めに走る予定だったので、最初の15周くらいはプッシュはしたけれど100%ではありませんでした。それでも速かったし、最後のセクションではハードタイヤを選んだこともあって非常に良くて、最後の2つのコーナーはブレーキングポイントを遅らせることができました。アンドレ(ロッテラー、No.36 PETRONAS TOM'S SC430)を抜くときは、彼のコーナの脱出速度が遅かったのかな。ちょっと当たりましたけど、抜くことができました。
 残り2戦は、オートポリスももてぎもNSXが得意なコース。とにかく次のレースで(ランキングトップのNo.1)GT-Rとの差を3、4ポイントにすれば、(規定で全車が)ノーハンデになるもてぎでのタイトルも見えるはず。だから、次のレースが大きな勝負になるでしょう
伊沢 拓也
 正直(初勝利という)実感がなく、どう喜んでいいかわからないくらいです。明日になったらもう少しうれしい気持ちになれるかな、と思います。
 ラルフ選手のスティントを見ていて、僕らのクルマが速いのはわかってましたし、(36号車に)抜かれても焦らずにいけばチャンスはあると思ってました。(抜き返したときは)36号車が100Rでちょっと失敗したみたいで、うまく追いつけたので、あとは自分を信じてダンロップコーナーでインに飛び込みました。(36号車や1号車が後ろにつけていたが)それほど不安はありませんでした。ペースもすごく良かったし、土屋(圭市アドバイザー)さんから無線でのアドバイスもあって、安心して走ることができました。残り5周は、ちょっと緊張してうまく走れないところもありました(苦笑)。これまでいろいろミスもしてますし、そんなことを思い出し始めたら緊張して…。でも、クルマはすごく調子がよく、乗りやすかったので、何ごともなければそのまま勝てると思ってました。
 ここ何戦か結果が出ないで焦りがありました。今年は(タイヤ交換作戦で)2輪交換というのをやってきましたが、それがどうも僕にあっていない気がして、今回は僕の方から4輪交換にして欲しいと言いました。朝のフリー走行後にラルフ選手は2輪で行こうと言ったんですが、僕も自信を取り戻したいと思いそうしてもらいました。それがうまく行きました。なんにせよ、結果が出てホッとしました


GT300 クラス | 優勝

No.81 ダイシン アドバン Ferrari

青木 孝行
 今は、ホッとしてます。今年は勝てそうで勝てないレースが続いていて、不運なレースも多かったですし、一方で速さのあるクルマだけに、周りからもいつ勝つんだと言われて、プレッシャーもありました。ホントにホッとしました。
 (レース後半担当の)僕が乗る時は、右側を替えず、左側のタイヤ(前後2本)だけ交換する作戦で行ったんです。ですが、ピットで左側の消耗状況を確認してもらったら、(顔色が)青くなりました(苦笑)。僕が思っている以上に消耗していて、(交換していない)右側もかなり減っている、(残り周回数は)とても持たない、と。だから、持たなかったらしょうがないと、そのことは考えるのは止めました(笑)。残り10周で2台の差と、自分と平中選手のタイムとを聞いて、確実に最後は追い付かれるなと想定していました。
(追い付かれた)最後の2周は、平中選手には申し訳ないようなブロックをいっぱいしました(苦笑)。普段ならそこまでしないんですが、お互いに意地の張り合い、彼も(勝てそうで勝てないレースが続いて)ここで勝ちたいから強引に突っ込んでくるし、僕も抜かれたくないから(インを)閉める。そんなバトルをしました。たくさんぶつかったんですけど、そんな中でもフェアなバトルでした。お互いインを1台分は空けず、でも半分は空いている、意地の張り合いだけど、引くところは引くというバトルでした。タイヤも終わっていてプッシュするもなにもなく、今思えば楽しかったですけど、乗っているときは楽しくなかった。そんな余裕はなかったですね(笑)
藤井 誠暢
(前日が雨だったので)みんながドライでテストができないという、同じ状況だったわけです。そんな中で僕らのクルマは(レースを)走り出したら、予想以上にバランスが悪くて。ただ、周り(のクルマ)も厳しそうだったし、ストレートが速いクルマが多かったし、無理に抜くよりは自分のペースを守って、タイヤを労って走ろうと思いました。
 FIA-GT(規定)の僕らのクルマは、(燃費が悪いため)給油に時間が掛かるんです。ピットストップで10秒近く(ライバルより)ロスするんです。そこを取り返すために、タイヤの無交換か2本交換(で作業時間を短縮すること)を考えていたんです。だからタイヤを持たせるように、でもラップタイムを落とさないように、ややこしいアクシデントに巻き込まれないように、それを意識しました。あとはピットストップで逆転して、後半は青木さんに任せられる状況を作ろうと走りました。
 青木さんはバトルがすごくうまいドライバーなので、同じ条件なら負けるはずないと信じていました。でも、先に乗っていた僕だからわかるんですが、とにかくクルマの状況が厳しく、現実を考えるとやばいな…と。あとは運と、青木さんがなんとかしてくれると信じるしかないと思って見ていました