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2009 SUPER GT Round8

プレビュー

2009-10-30

すべてはもてぎで決着する...
プライドを賭けた最終決戦、間もなく開催!
ノーウェイトハンデ&250km、ノックダウン予選で何が起こる!?

白熱したレースが繰り返された2009年シーズンもついに最終戦だ。その一戦、2009 AUTOBACS SUPER GT第9戦「MOTEGI GT 250km RACE」は、11月7、8日、ツインリンクもてぎ(栃木県)で開催となる。GT500では、3メーカーのエースマシン3台が、プライドを賭けてタイトルに挑み、GT300クラスではなんと6台による大混戦のタイトル争奪となる。しかも最終戦初のノーウェイトハンデなどにより、まさに予想の付かない、見逃せないものとなるだろう。


3メーカーのエースマシンがタイトルを争う!


No.1 B.トレルイエ&本山哲
 GT500クラスのドライバーズタイトル候補は前戦の結果により、ランキング1位がNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rの本山哲(パートナーのブノワ・トレルイエは1戦欠場のため本山より下位になる)、5ポイント差でNo.36 PETRONAS TOM'S SC430の脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組、そして17ポイント差でNo.8 ARTA NSXのラルフ・ファーマン/伊沢拓也組、以上の3組に絞られた。本山は脇阪組の前、もしくは直後でゴールすれば、脇阪組が優勝してもタイトルを決められる。つまり、かなり有利だ。一方、ファーマン組は優勝した上で、本山、脇阪組が下位に沈まなければならない。こちらは、まさに必勝で臨むしかないわけだ。

No.36 脇阪寿一&A.ロッテラー
 そこでポイントとなるのが、タイトルとは無関係のチームの動向となる。脇阪組が上位を走っているなら、他のSC430チームが本山の前に行けば、当然本山の獲得ポイントが下がり、逆転のタイトルが得られることもありうる。逆に、本山組が7、8位となりそうな状況の場合、他のGT-Rの3チームが表彰台を独占して脇阪組を4位としてしまえば、本山のタイトルが決まる。ファーマン組においても、自らが優勝し、NSXでトップ5を独占すれば、本山組が8位以下になればいいと可能性が広がるわけだ。つまり、同じメーカー系マシンのがんばりは、結果的にエースチームのサポートとなるわけだから、どこのチームも力が入るはずだ。今季未勝利のNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)やNo.12 IMPULカルソニックGT-R(松田次生/セバスチャン・フィリップ)、昨年のもてぎ戦勝者であるNo.3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-R(ロニークインタレッリ/安田裕信)などが波乱を巻き起こすかもしれない。

NSXはHondaのホームで有終の美を飾れるか!?


No.8 伊沢拓也&R.ファーマン
 最終戦を目前に驚きのニュースが飛び込んできた。Hondaは今季最終戦をもってNSXの参戦を終了し、2010年より新たなマシンで臨むことを発表した。現時点で公表されていないHondaの来季ニューマシンも気になるが、それよりこの最終戦がNSXのラストレースになることが重要ポイントだ。
 1996年にル・マンGTマシンベースのNSXが参戦し、翌97年第2戦よりHondaがサポートするNSXが参戦を開始した。以来13年間に渡り、名バトルを繰り広げた。もちろん、NSXは同一車種として最多勝(公式戦35勝)、最多ポール(同46回)の記録も残している(09年Rd.8終了時点)。最終戦はNSXにとってちょうど公式戦100戦目。そしてHondaのホームコース、ツインリンクもてぎのレース。まさに舞台は整っている。NSXの各チームは当然、有終の美を飾るべく、全力を挙げてくるのは間違いない。
No.18 ROCKSTAR童夢NSX & No.17 KEIHIN NSX
特にNSXを最初にGTに参戦させた高橋国光監督率いるNo.100 RAYBRIG NSX(井出有治/細川慎弥)やNSXのエースチームであるNo.18 ROCKSTAR童夢NSX(道上龍/小暮卓史)にとっては、負けられない一戦となるだろう。希代の名マシンの最後の疾走を、絶対見逃さないでほしい。

さらに最終戦を難しくする3つのハードル!?

 最終戦もてぎは、これまでのSUPER GT各戦とはひと味違うレーススタイルを取っている。まず、シーズン終盤になると上位陣が悩まされるウェイトハンデが、このレースに限り0kgになる(ただし参戦が9戦に達していないマシンはウェイトハンデが残る)。これで、各マシンの戦闘力をフルに発揮した走りとバトルが展開されるだろう。
 さらに、予選はスーパーラップ方式ではなく、ノックダウン方式となる。もてぎ戦ではお馴染みのノックダウン方式だが、今季第6戦鈴鹿のように2人のドライバーが必ず走る形となり、予選からチームの総合力が問われそうだ。
そして、決勝のレース距離は250kmと、昨年のもてぎ戦や富士での最終戦に較べ短くなっている。そうなれば、戦略も変わってくる。特に距離が短いとなれば後半の挽回は難しいだけに、各チームが最初から全力で当たってくる。今季のどのレースより、ハードなバトルがスタートの瞬間から始まりそうだ。
→ 第9戦もてぎのノックダウン予選方式について


大混戦のGT300ではどんなドラマが展開されるのか?

No.19 ウェッズスポーツIS350

No.43 ARTA Garaiya

No.11 JIMGAINER ADVAN F430

 3チームの争いとなったGT500クラスと違い、GT300クラスは大混戦となった。最終戦でドライバーズタイトルを争うのは、なんと6組。ランキングトップはNo.19 ウェッズスポーツIS350の織戸学/片岡龍也組、3ポイント差にNo.43 ARTA Garaiyaの新田守男/高木真一組とNo.11 JIMGAINER ADVAN F430の田中哲也/平中克幸組、7ポイント差にNo.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7の谷口信輝/折目遼組、11ポイント差にNo.2 アップル・K-one・紫電の加藤寛規(パートナーの吉本大樹は参戦数が1戦少ないので加藤を超えられない)、14ポイント差でNo.46 エスロードMOLA Zの星野一樹/柳田真孝組、ここまでがタイトルの可能性がある。


No.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7

No.2 アップル・K-one・紫電

No.46 エスロード MOLA Z

 やはり、激烈な戦いになりそうなのが、トップ3の織戸組、新田組、田中組だ。とにかく前に出た方が勝ちといえるポイント差だけに、互いを意識した緊張感の中でのバトルとなりそうだ。マシンも揃ってミッドシップであり、もてぎとの相性もまずまず。一方、谷口組、加藤、星野組はポイント差から考えて、必勝で臨むだろう。
 一方で、タイトル争いに残れなかったものの意地の勝利を狙うNo.81 ダイシンアドバンFerrari(青木孝行/藤井誠暢)や初優勝を目論むNo.74 COROLLA Axio apr GT(井口卓人/国本雄資)などが優勝争いに食い込むことで、タイトル争いも思わぬ状況に陥るかもしれない。

 ここ数年、最終戦で劇的なフィナーレを見せているGT300クラス。今年はどんなドラマが展開するのだろうか?


■ドライバーズチャンピオン・シミュレーション
GT500 CLASS Rd.8終了時
ポイント
最終戦順位 & 終了時総獲得ポイント
No Driver / Machine 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98
1 本山 哲
MOTUL AUTECH GT-R
78pt

10
9
8
7
6
5

4


3



2




1
36 脇阪寿一/A・ロッテラー
PETRONAS TOM’S SC430
73pt
6
5

4


3



2




1

8 R・ファーマン/伊沢拓也
ARTA NSX
61pt



1

GT300 CLASS Rd.8終了時
ポイント
最終戦順位 & 終了時総獲得ポイント
No Driver / Machine 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94
19 織戸 学/片岡龍也
ウェッズスポーツIS350
74pt
10
9
8
7
6
5

4


3



2




1
43 新田 守男/高木 真一
ARTA Garaiya
71pt 8
7
6
5

4


3



2




1

11 田中哲也/平中克幸
JIMGAINER ADVAN F430
71pt 8
7
6
5

4


3



2




1

7 谷口信輝/折目 遼
M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7
67pt
4


3



2




1

2 加藤寛規
アップル・K-one・紫電
63pt 3



2




1

46 星野一樹/柳田真孝
エスロード MOLA Z
58pt



1

■選手権ポイント(決勝レース):
 1位=20pt, 2位=15pt, 3位=11pt, 4位=8pt, 5位=6pt, 6位=5pt, 7位=4pt, 8位=3pt, 9位=2pt, 10位=1pt
◎同点の場合は、1位の回数が多い方が上位となります。
◎同点で1位の回数も同じの場合、2位の回数、以下3位の回数と比較します。

■今季成績(Rd.8までの入賞回数)
GT500 1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
23 本山 哲 2 2 0 0 0 1 0 1 0 0
36 脇阪寿一/A・ロッテラー 1 2 1 0 0 1 1 1 0 0
8 R.ファーマン/伊沢拓也 1 0 3 1 0 0 0 0 0 0
GT300 1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
19 織戸 学/片岡龍也 1 1 1 1 2 1 0 1 0 0
43 新田守男/高木真一 1 2 0 1 1 0 1 0 1 1
11 田中哲也/平中克幸 1 1 1 2 1 0 0 1 0 0
7 谷口信輝/折目 遼 0 2 3 0 0 0 1 0 0 0
2 加藤寛規 1 1 1 0 1 1 1 1 0 0
46 星野一樹/柳田真孝 1 0 1 1 0 2 1 1 1 0

■第9戦もてぎノックダウン予選方式

●公式予選1回目
◎1回目の公式予選は、両クラス合同(45分間)で行う。
◎公式予選通過基準タイムは、各クラス1回目予選の上位3台の平均タイム107%とする。
◎この予選終了までに公式予選通過基準タイムをクリアできなかったドライバーは予選落ちとなる。
●公式予選2回目
◎各クラス1回目の予選にて基準タイムをクリアした車両の参加が許される。
◎セッション1はGT300(10分)、GT500(10分)の順で行い、タイム上位(GT300:16台、GT500:12台)は、
 セッション2への進出が許される。
◎セッション2はGT300(7分)、GT500(7分)の順で行い、タイム上位(GT300:10台、GT500:8台)は、
 セッション3への進出が許される。
◎セッション3はGT300(7分)、GT500(7分)の順で行う。
◎セッション3で使用するドライタイヤは1セットとし、決勝レーススタートタイヤとして使用しなければならない。
 このためセッション3終了後、使用したタイヤに識別用のマーキングが行なわれる。
◎1名のドライバーは最大2回のセッションまで出走することができる。
 ただし、連続したセッションは走行できない。(B⇒A⇒B、A⇒B⇒Aのみ)
※ノックダウン予選中の給油及びピット作業は認められる。

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