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2010 SUPER GT Round1

プレビュー

2010-03-16

Honda HSV-010 GTデビュー戦はいかに!?
待望の開幕戦迫る!2010年のスタートは鈴鹿から!!
GT300クラスの新マシン、新チームにも注目せよ

3月20、21日、鈴鹿サーキット(三重県)で2010 AUTOBACS SUPER GT開幕戦「SUZUKA GT 300km」が開催される。今年の開幕戦、最大の話題はHondaのニューマシン、HSV-010 GTの登場だ。その走りは? デビュー・ウィンはなるのか? GTファンはもとより、一般メディアでも関心が高いものとなっている。そして未だ経済状況の厳しい中でありながら、GT300クラスには、昨年を上回る23台ものマシンが揃った。今季のSUPER GTは、早くも昨年以上の盛り上がりを感じさせている。


新車HSV-010 GTと新エンジンのGT-Rが登場


No.18 ウイダーHSV-010
 数々の勝利を手にしてきた名車Honda NSX-GTは、昨年最終戦をもって参戦終了。そして、今季からはHonda初の本格FR SUPER GTマシンであるHSV-010 GTが名乗りを挙げる。HSV-010 GTは、開幕前のテストから抜群の高速コーナリングを披露し、ライバル陣営を震撼させている。当然、Honda勢はホームコース・鈴鹿でのデビュー・ウィンを狙ってくるだろう。特に中核チームのNo.8 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/井出有治)とNo.18 ウイダーHSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)は、最強ドライバー布陣となり、開幕戦の台風の目となりそうだ。

No.23 MOTUL AUTECH GT-R
 新車に目を取られがちだが、日産GT-Rも今季新型エンジンを投入してくる。昨年は4.5リッターと排気量が規定より大きかったため、ハンデのウェイトを搭載されたが、新型は3.4リッターとなり、ライバル2車種と同じ。ハンデもなくなり、まさに技術勝負もガチンコ状態。昨年、開幕戦で躓き、それも一因となりタイトルを逃し、悔しい思いをしたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)。タイトル奪還が至上命令のワークスだけに、この一戦に賭ける気持ちは強そうだ。

No.1 PERTONAS TOM'S SC430
 一方、2009年のチャンピオンカーとなったLEXUS SC430陣営は、目立った変化は少ない。マシンも昨年からの正常進化型で、チーム、ドライバーのラインアップも変わらない。だが、それだけに熟成度は一歩、いや二歩抜けているかもしれない。初期トラブルも頻発するシーズン序盤では、これが大きな武器になる。陣営の中心となるのは当然、ディフェンディング・チャンピオンのNo.1 PERTONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)と昨年の鈴鹿(Rd.2)勝者No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)であろう。だが、LEXUS陣営への移籍3年目の伊藤大輔が乗るNo.6 ENEOS SC430(伊藤/ビヨン・ビルドハイム)や昨年のPokka GT(Rd.6 鈴鹿)で優勝したNo.35 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也)も要注意の存在だろう。
 真の実力が、まだベールに隠されたGT500の各マシン。中高速とテクニカルのバランスが絶妙でチャレンジングな鈴鹿サーキットをどう攻略し、またライバルと競り勝つのか? 開幕戦が待ち遠しい。


アストンマーティンや海外からの参戦チームも!


No.66 triple a Vantage GT2
 GT300クラスもGT500クラスに負けないほど話題豊富だ。昨年末はこの不況下で参戦台数が減るとの予想もあったが、開幕戦の参戦台数は昨年より多い23台(年間エントリー数は25台)となった。
 この中で大きな関心が寄せられるのが、No.66 triple a Vantage GT2(松田秀士/吉本大樹)、SUPER GT初登場となるアストンマーティン・V8ヴァンテージだ。昨年GT500クラスにスポット参戦したアストンマーティンDB9はV12エンジンの車両だったが、こちらはV8エンジン搭載のFIA-GT2規定車両で、まさにポルシェ911GT3RやフェラーリF430のライバルとして位置づけられる存在。今年はスーパーカー対決がさらに激しくなりそうだ。

 今季、初参戦のチームで注目して欲しいのが、No.365 365 雷アジア MT900M(メルビン・チョー/ティム・サグダン)だ。アジアのGTレースで実績を挙げるシンガポールのチームである。海外に本拠を置くチームがレギュラー参戦するのは、初のことでその意味でも気になる存在である。実は昨年の第4戦セパンで特別枠参戦をしており、一時はクラストップに迫るなど、実力的にも侮れないのだ。

No.19 ウェッズスポーツIS350
 さて、開幕戦やシリーズの戦いに目を向ければ、やはりディフェンディング・チャンピオンのNo.19 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也)を始め、No.7 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)、No.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)など、歴戦のチームが中心になるだろう。3月5、6日の公式テストで好調だったのが、No.2 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規/濱口弘)だ。エース加藤は変わらずだが、相棒がGTルーキーの濱口となった。ポルシェカップでのタイトル獲得経験もある濱口がカギを握りそうだ。そして、昨年最終戦最終ラップまでタイトルを争ったNo.11 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也/平中克幸)も、今季は同じフェラーリF430でもFIA-GT2規定の車両に変更。悲願のタイトル獲得へ力が入っている。大きな決断と言えば、No.62 R&D SPORT LEGACY B4(山野哲也/佐々木孝太)が、昨年までのAWD(4WD)からFRへチェンジ。これも勝利への渇望と言えるだろう。

 そして、No.3 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)が03年以来のGT300への参戦となる。03年にはGT300チャンピオン、昨年はGT500クラスで優勝を経験しているチームで、ドライバー陣も強力。開幕戦から優勝争い、そしてタイトル争うに加わってくる本命候補であることは間違えない。この他にも痛車チームの体制変更やガイヤルド陣営に加わった有力ドライバーなどGT300は、今年も本当に話題が豊富だ。
 ここ数年、最終戦で劇的なフィナーレを見せているGT300クラス。今年はどんなドラマが展開するのだろうか?


No.2 アップル・K-ONE・紫電

No.3 HASEMI SPORT TOMICA Z



■ノックダウン予選方式
 今大会の公式予選2回目はノックダウン方式、つまり振るい落とし式のスタイルで行われる。
 ノックダウン方式では、走行時間を3つのセッションに分ける。セッション1(S1)はクラス別の走行が10分ずつ行われ、GT300はタイム上位16台が、GT500は10台がS2に進出。進出できない車両はS1の順位でグリッドが確定する。
 S2ではクラス別に10分ずつの走行が行われ、GT300は上位10台、GT500は上位7台がS3へ進出できる。進出できなかった車両はS2の順位でグリッドが確定する。(S1に出走したドライバーはS2には出走できない)
 S3ではクラス別に10分ずつの走行を行い、この順位でGT300は1〜10位まで、GT500は1〜7位までのグリッドが確定する。(S2に出走したドライバーはS3には出走できない)
 なお、公式予選1回目に予選通過基準タイムをクリアした車両のみがノックダウン予選に参加できる。

knockdown

※タイヤは全セッションを通じて5セット。
※S3進出車両は、S3で使用したタイヤを決勝スタートに使用する。
※セッション間のインターバルは10分。ノックダウン予選中の給油や整備は許される。