GT500 クラス | 優勝

No.8 ARTA HSV-010

ラルフ・ファーマン
本当にファンタスティックな気分です。そして、(勝てて)ホッとしてします。今年はこれまで苦労してきましたが、チームのためにがんばれたこともうれしいです。新しいクルマ、HSV-010 GTを限られた時間の中で仕上げてくれたチームのがんばりが素晴らしかった。新型車なのでまず1勝を上げることが重要で、これが第一歩になったのではないかと思います。そして、ドライバーにとっても自信につながったと思います。そういった意味でも、チームにもHondaにも素晴らしい勝利だったと思います。井出選手もすばらしい走りをしてくれました。この自信を残りのシリーズにつなげていきたい。また、この後はウェイトハンデも積みますが、HSV-010 GTをもっともっと良くして、それをカバーしていきたいと思います。
 最初のピットの時間がクルマの修復で長くなりましたが、焦りはありませんでした。ただ、それがなければトップを守れたと思うと、フラストレーションにはなりました。
井出有冶
ポールからのスタートは久しぶりでしたが、落ち着いてできたと思います。1コーナーを過ぎてからは、集中して自分のペースでいきました。そこまでは良かったのですが、スプーンコーナーでGT300に追突され、クルマにダメージを負ってしまいました。ただ、大きな影響はありませんでした。最後もラルフがすごくがんばって走ってくれ、安心して見ていられました。
 実は3年前のこのレース、ARTAの第3ドライバーとして参加して表彰台に上らせてもらったんですが、その時は全く仕事しておらず恥ずかしい思いでした。ですが、今回は自分の力も出せて表彰台に上がれました。その時の僕とは違い、第3ドライバーの小林選手は予選で僕らのミスがあったのに、(ポール獲得という)いい仕事をしてくれました。彼に助けられたという面もあって、彼にも感謝しています。この勝利をきっかけに残りのレースもがんばっていきたいです。
 レース後の涙ですか? 理由が沢山ありすぎて(苦笑)。とにかく沢山の人に支えてもらってきたので、感謝の気持ちでいっぱいでした。
小林崇志
僕は決勝を走行することはありませんでしたが、なにより細かいトラブルを乗り越えてチームが優勝できて本当に良かったです。ふたりの走りは頼もしかったし、すごく勉強になりました。この後、僕は全日本F3選手権に戻りますが、この2日間の経験をしっかり活かして、F3で優勝できるようがんばります。
 これまでお手伝いでSUPER GTに参加したことはありましたが、今回はドライバーという視点で、決勝は走れませんでしたが、SUPER GTを見られたことはとても経験になりました。参加させて頂いたARTAも非常にレベルが高くて、予選で僕が車に乗ったときも非常によい状態でした。それもラルフさんと井出さんがきっちりセッティングしてくれていたからで、そこはすごいと思いました。


GT300 クラス | 優勝

No.62 R&D SPORT LEGACY B4

山野哲也
最高の気分です。思い起こせば、このレガシィは昨年のPokka GTでデビューしたんですが、予選で2分15秒(という遅いタイム)しか出なくて、これは相当(大変)なものを背負ってしまったなと感じました。それから1年後、この鈴鹿で優勝できるとは思ってもみなかっただけに、信じられないくらいにうれしい気持ちです。
 前戦のSUGOでクルマのパフォーマンスが上がり、今回はそこそこ行けると思ってました。でも、燃費の問題もあるし、新しいクルマだけにセットアップも難しいものがあるんです。それだけに、エンジニアや佐々木選手と相当ミーティングを重ねました。決勝朝のフリー走行でも違うセッティングを試し、スタート前のウォームアップでもまた変えて、グリッドでまた戻してと、そこまでやって決勝に強いクルマが生まれたと思います。チームもがんばり、スバルのエンジンも活躍してくれ、そしてまた孝太とインタビュールームに来れたことがうれしいです。
 僕が担当した第1スティントでは、結構接触やコースアウトがあって、そこでギリギリながら生き残ってきたことも勝因だったと思います。鈴鹿の700kmはペースを上げつつトラブルを避けるという難関を乗り越えて(はじめて)勝てる難しいレースです。そういう意味で、スバル・レガシィでこのレースを勝ててうれしく思います。(中盤トップだった)74号車とは、彼らとレースをするということではなく、自分たちの中でベストのレースをするのだと思って走っていました。その点、ドライバーもピットワークもぬかりないレースが出来たと思います。
 あと、レース前に本島監督に『表彰台に上ったらサイパンに連れて行ってやる』と言われたんですが、それでかなり気合いが入りました(笑)。
佐々木孝太
まずスバルさんと山野さんに感謝したいです。僕は2008年にスバルのクルマで参戦していたのですが、事情があってシーズン途中に離れることになってしまいました。それなのに今年はチャンスを頂いて幸運だったし、ラストチャンスだと思って、スバルのために、チームのために、山野さんのために仕事をやり遂げようと思っていました。
 前戦のSUGOは、僕自身が得意(なコース)だったし勝つつもりでいたので、(下位に終わって)悔しい思いをしました。それにノーポイントなのに性能調整でリストリクターも絞られて…。まあ、そういうレギュレーションで戦うレースなので、めげずにチームみんなでクルマを仕上げていきました。今日もレース前の8分間の走行でもセッティングを考えましたし、それがこの勝利につながったと思います。
 最後に(自分の番が来て)コースに出た時は、トップだとは知らなかったんです。だた、アウトラップからプッシュしようと思ってました。そうしたら、実はトップで、後続も離すことができました。クルマも良かったので、勝てるかもと思いました。ただ、このクルマ自体が700kmも走ったことがないし、正直300kmのレースも完走するのが大変だったわけですから、最後まで気は抜けず、『サイパン』なんてちらついている余裕はなかったですね(笑)。
 ゴールしたときは本当にうれしかったです。僕の出身である鈴鹿で、難しい700kmのPokka GTで、勝ちたいとは思ってましたが、勝てると思っていなかったので、チェッカーを受けたときは涙が出ました。