2010 AUTOBACS SUPER GT第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」の決勝レースが、10月24日、ツインリンクもてぎ(栃木県)で行われた。GT500クラスはNo.1 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)が優勝。GT300クラスはNo.3 TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)が優勝を果たした。
GT500クラスのドライバーズチャンピオンは、2位に入った小暮卓史/ロイック・デュバル組(No.18ウイダーHSV-010)が獲得。GT300クラスは優勝した星野/柳田組がチャンピオンとなった。


GT500 Class

決 勝 天候:曇 | コース:ドライ | 気温19℃ | 路面温度21℃


 優勝したNo.1 PETRONAS TOM'S SC430の脇阪寿一と、2位に入ってチャンピオンを獲得したNo.18ウイダーHSV-010の小暮卓史。二人の名優が、もてぎを舞台に最高のフィナーレを演じてみせた。
 ともに後半スティントを担当した二人は、フィニッシュラインを越える瞬間まで手に汗握る超接近戦を展開。観客の目を一瞬たりともそらさせなかった。小暮は2位で終わってもチャンピオンを決められるにもかかわらず最後までトップをうかがい、対する脇阪も、軽い接触はありながらもフェアに戦った。二人のレーサー魂が火花を散らしあう、間違いなく歴史に残る名勝負だった。


No.6 ENEOS SC430
 レースは14時ちょうど、曇り空の下でスタート。1コーナーにはポールのNo.18 ロイック・デュバルを先頭に、ほぼグリッドどおりの順位で入っていく。しかし、3周目に2番手だったNo.6 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)にペナルティストップ20秒の判定。スタート前、グリッドに着くためにコースインした際、ピットロード出口の赤信号を無視してしまっていたのだった。
 これでランキング2位だったNo.6の戴冠の可能性はほぼ消え、No.18にとっては一気に展開が楽になるかにみえた。しかし、そうはさせじと猛追してきたのがNo.1 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)。オープニングラップでNo.12カルソニックIMPUL GT-R(松田次生)を抜くと、No.6のペナルティで3位に浮上。14周目にはNo.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘)をもパスし、No.18の背後に迫る。さらにNo.1ロッテラーが19周目の1コーナーでNo.18デュバルに仕掛けると、No.18デュバルはムリせずNo.1ロッテラーに進路を譲り、No.1ロッテラーがついにトップに立った。

 ピットインはNo.1のほうが先で、No.18はその1周あと。作業自体はNo.1のほうが2秒ほど早く、互いのポジションは変わらないまま、No.1は脇阪寿一、No.18は小暮卓史がステアリングを引き継いだ。
 全車のピット作業が終わってNo.1 脇阪がトップ、No.18 小暮が2位に復帰。ここから今シーズン最高の大バトルの幕が開く。36周目の第1コーナー、No.18 小暮はNo.1 脇阪のアウトから仕掛け、並走したまま第2コーナーから第3コーナーへと向かう。サイド・バイ・サイドの2台は軽く接触しながらも相手を押し出してしまうことはなく、フェアプレーに徹していた。結局、ここでの勝負はNo.1 脇阪が勝ったが、No.18小暮はその後もあきらめることなく追走。最終ラップを迎えるまで、ぎりぎりのせめぎあいが続いた。

No.1 PETRONAS TOM'S SC430
 最終ラップの最終コーナーを立ち上がっても、No.18 小暮はNo.1 脇阪をかわそうと狙うが、No.1脇阪がなんとか守りきってフィニッシュ。No.1 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)が、今季初優勝を飾った。

 2位に終わったNo.18 ウイダーHSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)だが、ドライバーズランキングではトップを守り、初のドライバーズタイトルを獲得した。またウイダーホンダレーシングもチームタイトルを獲得した。
 3位は予選3番手からスタートしたNo.17 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)。ピットではタイヤ交換をリア2本に留めて作業時間を短縮し、逆転を狙ったが、トップ2には届かなかった。
 4位にNo.35 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也)をはさみ、5位のNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)がGT-R勢の最上位だった。