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Race Report
2015.03.24
【メーカーテスト富士・2日目】KeePer TOM'S RC Fが1番時計!GT300はフェラーリがトップ

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好天に恵まれた3月24日、富士スピードウェイでSUPER GTのメーカー合同テストの2日目が行われ、GT500ではNo.37 KeePer TOM'S RC Fが、GT300ではNo.77 KSF Direction Ferrari 458がこの日のトップタイムをマークした。朝からドライコンディションに恵まれ、各チームは5月の富士ラウンドに向け、多くのテストメニューを精力的にこなした。

 

◎走行1回目 09:30-11:50(20分延長)
 天気/晴れ 路面/ドライ
 気温/6℃〜8℃ 路面温度/10℃〜17℃(開始時は6℃/10℃)
◎走行2回目 13:30-15:40(10分延長)
 天気/晴れ 路面/ドライ
 気温/9℃〜10℃ 路面温度/17℃〜21℃(開始時は9℃/19℃)

 

KeePer TOM'S RC Fの平川が午前ベスト

 前日よりも一層晴れ間が広がり、コースはもちろん完全ドライ。テスト走行には絶好のコンディションとなった富士でのメーカー合同テストの2日目は、午前と午後、2回の走行セッションが行われた。午前の走行時間は2時間の予定だったが、前日の中断分の10分間を考慮し、2時間10分とされた。セッション開始時の気温と路面温度は6℃/10℃。青空から降り注ぐ日差しに照らされて、セッション終了時点で路面温度は16度にまで上昇していた。
 前日同様、この日もテストメニューの大部分は第2戦に向けたタイヤ選択/確認だった。午前のセッションが始まってから1時間ほどは各チームともに、数周走ってピットに戻り、タイヤを交換してピットアウト。これを繰り返すパターンとなり、結果的にタイミングモニターも次々に入れ替わっていく。セッション開始から30分ほど経ったところでNo.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮)が1分28秒台に入れると、次のラップでは28秒232まで詰めて見せる。これはこれまでのコースレコードを更新する好タイムだ。
 それに続いてNo.6 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資)とNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)も28秒台前半まで削ってくるが、No.37には一歩及ばない。するとNo.37が次のタイヤセットでさらにタイムを詰め、1分28秒182をマーク。結局これが、午前のセッションでベストタイムとなった。コースインして2周タイヤを温めて、2周続けてタイムアタックというパターンが見て取れた。ちなみに、No.37は、前日はアンドレア・カルダレッリが午前にニュータイヤをチェックしていたが、この日はルーキーの平川亮が担当。2人のパフォーマンスが横並びでチームとしての総合力も高いことをアピールする結果となった。
 No.37、No.38、No.6に続いたのはNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)。初日も午前中に好タイムをマークし、午後はタイヤのロングランに費やすパターンだったが、この日も同様のパターンで好調ぶりをアピールしていた。なお、前日にクラッシュしたNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮/野尻智紀)は、工場に戻り復旧作業を急ぐこととなり、この日は出走していない。一方、メニューの違いからか、午前のセッションではGT-R勢はタイミングモニターの下方にとどまった。
 このセッション中にも赤旗中断があり、結局2時間20分の走行となった。

 

 

午後はカルソニック IMPUL GT-Rが気を吐く

 2回目のセッションは、午後1時30分から。この時点での気温と路面温度は、それぞれ9℃/19℃。当初の予定より10分間延長されたが、チェッカーが振られた午後3時40分はまだまだ陽も高く、この時点でも気温と路面温度は10℃/17℃と安定していた。
 午後の走行でもニュータイヤをチェックするチームがあり、セッション序盤はタイミングモニターが次々に入れ替わったが、1時間を経過すると、各車ロングラップのレースモードで走行するようになる。この時点でタイミングモニターのトップにはNo.12カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が1分28秒976でつけ、、唯一1分28秒台をマークする。
 これを午前のセッションでも上位につけたNo.6、No.38、No.37が1分29秒台前半で続いていたが、その一角にNo.15ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/オリバー・ターベイ)が食い込む。またNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)も彼らに続いた。この頃には全車がレースモードでのロングラップ走行を続けており、結局セッションが終了するまでこのオーダーは変わらず。午後にNo.12が好タイムをマークするパターンは前日と同様だったが、この日は午前のトップタイムに一歩及ばなかった。2日目の総合トップは午前トップのNo.37 KeePer TOM'S RC 。そして2日間でも総合トップという結果となった。
 日産陣営を統括する柿本邦彦総監督は「ウチ(日産陣営)のクルマも、富士仕様(ロードラッグ仕様)の仕上がりは悪くないようですね。ただ、今回はあくまでもテストで、各チームによってメニューが違いますからね。それに開幕戦(の成績)をどう読むかで、富士ではウェイトハンディも変わってきますから。まぁいつものことだけど、レースは本番になってみないと分からない、ってところじゃないかな」と2日間を総括した。
 

 

 

 

GT300はKSF Direction Ferrari 458が両セッション最速

 

 

 一方、GT300は午前と午後の両セッションでトップタイムをマークしたNo.77 KSF Direction Ferrari 458(横溝直輝/峰尾恭輔/飯田太陽)が2日間を通しての総合結果でもトップにつけている。
 これにFIA GT3勢のNo.7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治)やNo.65 LEON SLS(黒澤治樹/蒲生尚弥)が続き、JAF-GT勢のトップ、No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一/佐々木孝太)が2日間の総合結果で4番手に続いた。マザーシャシー勢ではNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允)が総合8番手。まずまずのポジション&タイム差で、岡山での開幕戦への期待を繋いでいた。

 

 

 

GT500クラス・トップタイム

平川 亮(No.37 KeePer TOM'S RC F)

「トップタイムだが単純には喜べなかった」

午前のセッションでトップタイムをマークすることができましたが、正直、何でタイムが出たのか分からない部分もあって、単純には喜べなかったですね。クルマのフィーリングが悪いという訳じゃないですが、バランス的に今一つなところがあって…。でも、ともかく一発の速さは確認できたし、午後のロングで速く走ることができれば心強い、と思っていました。午前中は用意してもらったタイヤをチェックしながらショートラン(少ない周回数)を繰り返していましたが、良いタイヤを見つけることができ、午後は決勝を見据えてロングランのテストになりました。燃料を多く積んでいても良いタイムで安定して走ることができ、バランス的にも完全に解決したわけではありませんが、一歩ずつ良くなっています。ここから、どれだけクルマを速くできるのか。5月の本番が楽しみになってきましたが、まずは2週間後の岡山(開幕戦)です。ここでがんばって、今日の状況だと少し重くなっても富士は大丈夫だと思うので、開幕戦から上位につけたいですね

 

GT300クラス・トップタイム

横溝直輝(No.77 KSF Direction Ferrari 458)

「開幕戦が楽しみになってきました」

今回のテストはタイヤテストが最優先で、多くのメニューを用意してきましたが、上手く消化することができました。タイムは、その過程で出したもので、特に予選を意識してアタックした訳じゃあないんです。クルマが来て、ヨコハマ(タイヤ)さんが19インチのタイヤを用意してくれて、それが巧くマッチングした結果。まだテストも今回が2回目で、自分たちとしてはマシンのパフォーマンスを把握している途中。クルマもまだ完全な2015年仕様にまではアップデートできていなくて…。開幕戦にはおそらくダンパーが間に合って、それでようやく15年仕様が完成します。そんな状況だったから、今回は、予想以上に収穫がありました。ただしライバルはFIA GT3勢にしてもJAF-GT勢にしてもマシンが仕上がっているはずで、彼らがパフォーマンスを出し切ってきたら…。だから決して安心はできないのですが、僕たちのクルマにも伸び代があって、開幕戦が楽しみになってきました

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