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Race Report
2015.03.26
よりハードに、よりドラマチックに!興奮度アップの2015年開幕戦岡山(4/4,5)迫る!!

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第1戦 岡山国際サーキット : プレビュー

■GT500マシン本当の実力が開幕戦から激突

 昨年はドイツの人気レース“DTM”との車両規定統一もあって全車が新型となったGT500クラス。その為、昨年の序盤戦はマシンの完成度が勝敗を左右する場面もみられた。もちろん、マシン開発もSUPER GTの勝負であるから、敗者の言い訳にはならないのだが。
 今季は現規定2年目のシーズン。各メーカーとチームは、昨年の最終戦が終了するや、改良&熟成に全力を挙げ、このオフの間にテストを重ねてきた。現行マシンの本当の力は、この2015年開幕戦岡山から発揮されることだろう。
 エンジンの良さが活きて、空力性能にも余裕を持った日産GT-R勢は、昨シーズンを優位に進め、MOTUL AUTECH GT-Rがタイトルを獲得。今季も正常進化で連覇を狙う。実際、先日の岡山公式テストでもNo.24 D'station ADVAN GT-R(佐々木大樹/ルーカス・オルドネス)がテスト総合トップを記録し、ディフェンディングチャンピオンのNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)もセッショントップを記録するなど、好調さを見せている。
 そして、レクサスRC F勢もその差をグッと詰めている感がある。岡山公式テストでもGT-R勢に遜色ないタイムを出し、その後の富士メーカーテストではNo.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮)、No.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)が2日間総合のワン・ツーのタイムを記録するなど、岡山での活躍に期待がかかる。
 もちろん、NSX CONCEPT-GT勢も岡山公式テストで、元GT500チャンピオンの道上龍監督率いる新チームNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/オリバー・ターベイ)やNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)が好タイムを記録しており、ミッドシップのNSX CONCEPT-GTが得意とするテクニカルな岡山で、昨年の苦戦を払拭する走りを見せてくれそうだ。また、富士テストではNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バケット)がセッション3位のタイムを出したことから、期待感が高まる。

 

 

■F1級外国人に期待の若手と新ドライバーにも注目

 今季はSUPER GT初参戦の外国人ドライバー2人に注目が集まっている。まずはNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fのヘイキ・コバライネン(パートナーは平手晃平)。F1のマクラーレン所属時代にF1で1勝を挙げており、その実力は十分。そしてドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTのオリバー・ターベイもF1テストドライバーとして、現在のHonda F1エンジンのテストに参加したという。SUPER GTにはF1とは違う難しさがあるだけに、すぐに実力が発揮できるかは未知数だが、非常に楽しみな存在だ。

 また、昨年スーパーフォーミュラで初参戦ながら優勝を遂げたGT500ルーキーの野尻智紀(No.8 ARTA NSX CONCEPT-GT、パートナーは松浦孝亮)や初のレギュラー参戦となる平川亮(No.37 KeePer TOM'S RC F)も気になる存在だ。平川は先の富士テストで総合トップタイムをマークしている。この新鋭たちにGT500で2年目となる佐々木大樹(No.24 D'station ADVAN GT-R)と、今季は若手の活躍が楽しみである。
 そして、シーズンオフに指にケガをして開幕戦出場を心配されたNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(パートナーは安田裕信)も、先日の富士テストで無事に復帰。セッション最速を記録しているだけに、岡山では優勝候補の一角を占めることとなるだろう。
 もちろん、今季に最多勝奪還を公言する本山哲(No.46 S Road MOLA GT-R、パートナーは柳田真孝)と最多勝&最多ポール保持者である立川祐路(No.38 ZENT CERUMO RC F)の対決や、経験を増してNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTに戻ってきた山本尚貴/伊沢拓也、昨年最終戦でタイトルを逃した2人、伊藤大輔とジェームス・ロシターのNo.36 PETRONAS TOM'S RC Fなどが、王者MOTUL AUTECH GT-Rとどんな戦いを演じるのか? 非常に楽しみが多い開幕戦岡山となりそうだ。

 

 

 

 

■参戦台数増、新型マシン登場で盛り上がるGT300

 GT300クラスの話題と言えば、参戦台数が増えたこと。昨年の参戦台数は24台(タイ戦は2台の選手権外参戦があった)。今年の開幕戦岡山のエントリーは、なんと28台にも上る。車種も14車種とこれも2014年の11車種を大きく上回る。それだけに、今シーズンは多彩なバトル、より混戦とスリリングなGT300が見られそうだ。
 さて、今シーズンの戦いだが、その中心と予想される2014年チャンピオンのNo.0 グッドスマイル初音ミクSLS(谷口信輝/片岡龍也)が、マシンを変更したのが注目だ。昨年最後まで接戦を演じたライバルNo.11 GAINER TANAX SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)と同じメルセデスベンツSLSである。No.0以外にもSLSに変更したチームもあり、今季は6台のSLSが参戦することに。岡山公式テストではNo.11は2日間のベストタイムを出すなど、速さが際立つ。一方、昨年の岡山勝者でもあるNo.0は、岡山公式テストでは新車のセットとタイヤ選択に終始し、9、10番手。とは言え、今季もNo.0とNo.11の対決がタイトル争いの軸になりそうだが、他のSLSもこの戦いに入ってきそう。
 もちろんSLSだけではない。今季型はさらに性能が向上したという日産GT-R NISMO GT3勢。その中核を成すNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)はタイトル争いに絡んできそう。SUPER GTルーキーの高星の勢いにも注目だ。そして今年からGT-Rを使うNo.10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正)も岡山テストでセッション2番手を記録。体制変更で戦力アップし、No.11 平中に「ライバルは10号車かも」と言わしめる存在となっている。この他に岡山テストではアウディR8のNo.21 Audi R8 LMS ultra(リチャード・ライアン/藤井誠暢)、昨年の岡山戦ポールポジションのNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)も好タイムを記録しており、期待が持てる。

 

 

 そして、ダークホースとなりそうなのが、No.77 KSF Direction Ferrari 458だ。久々のフェラーリ参戦ということでも気になるが、ドライバーが2013年チャンピオンコンビの横溝直輝/峰尾恭輔というのもポイント。岡山、富士のテストで上位タイムを連発しており、岡山を大いに沸かす存在になるかも。
 そして、新型車も忘れてはならない。GT300マザーシャシーベースのトヨタ86はNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允)ら3台。加えて、GT300マザーシャシーレイアウトとしたNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規)はレースではもちろん、クルマとしても興味深い。そしてGT-Rに続く国産FIA GT3として今季登場するレクサスRC F GT3を使用するのがNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田章/吉本大樹)、こちらも期待大だ。
 他にも、昨年岡山戦2位のNo.7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミュラー/荒聖治)、昨季1勝のNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)は今季も体制変更なしで、変わらずの速さだろう。また、タイヤをダンロップに替え、速さが光る山内英輝を迎えたNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内)、新鋭・平峰一貴が加入したNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰)にも注目したい。

 

  

 

 

 GT500もGT300も、昨年以上に熱い戦いが期待される2015年シーズン。その開幕戦は4月4、5日、岡山国際サーキット。コース上で展開される激しいドラマと、サーキット内で展開される楽しいイベント。ぜひ、4月の第1週末は岡山国際サーキットをお越しください。残念ながら行けないという方は、J SPORTSの中継、テレビ東京系の「SUPER GT+」、パブリックビューイング、そして本ウェブサイトで存分にお楽しみください。

 

 

※写真は岡山公式テスト(3/14,15)より

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