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Race Report
2015.06.12
今年はまた“アツい”海外戦に!? 灼熱の3連戦、第1弾は盛夏のタイで勝負だ!!

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第3戦 Chang International Circuit : プレビュー

2015年シーズンの序盤も区切りとなるAUTOBACS SUPER GT第3戦は、6月20日(土)21日(日)にタイのチャン・インターナショナル・サーキットで「BURIRAM SUPER GT RACE」として開催される。初開催の昨年は、速さより戦術に長けたPETRONAS TOM'S RC Fが優勝した。だが、今年はいろいろ状況も変化している。中でも開催時期の変更で“暑さ”や“天候”も大きな焦点となりそう。タイ、富士、鈴鹿といよいよシーズンも“夏”に。過酷な“灼熱の3連戦”で、まず勝利するのは誰だ!?

 

■単純? いやここは真のテクニカルコースだった

 昨年は完成したばかりのチャン・インターナショナル・サーキットで、開催されたSUPER GTのタイ大会。ドライバーはもちろん、チームもタイヤメーカーも手探りの部分も多い一戦であった。コース図だけ見た印象は、テクニカルではあるがアップダウンも少なく単調と思われた。だが、実際にチャン・インターナショナル・サーキットを走ったGTドライバーたちは「おもしろい、チャレンジし甲斐のあるコース」と口を揃えた。確かにメインスタンド上段からサーキットがほぼ一望できるほどフラットなのだが、流石はティルケのコース設計、コーナーの回り込みが簡単ではなく、ハンドリングやアクセレーションにかなりのテクニックが要求されるようだ。
 ドライバーも新しいサーキットに驚かされたわけだが、昨年はチームやタイヤメーカーもデータ不足からコンサバティブ(保守的)なセットで挑むことになった。この中で、タイヤ無交換という大胆な作戦を採ったPETRONAS TOM'S RC Fが優勝。速さで勝ると思われたGT-R勢に先んじたわけだ。
 だが、今年は各チームが昨年のデータを反映させた持ち込みセッティングをしてくる。また、昨年は暑さがおさまっていた10月開催だったが、今年は夏が本格化する6月の開催となる。これまでのセパン(マレーシア)や鈴鹿1000kmと同様に暑さも敵となり、やはりタイヤに厳しい戦いになるだろう。さらに、タイの6月はいわゆる雨季。そうなると心配は突然の降雨、そうスコールがあるかもしれない。昨年は出番のなかったレインタイヤでのバトルも、選手たちには悪い気もするが、楽しみかもしれない。

 

 

■本命はやはりGT-R。S Road MOLA GT-Rの雪辱なるか?

 高速コース富士での第2戦はNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が優勝、2位にもNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)とGT-Rが速さを見せつけた。一方、テクニカルコースの開幕戦岡山ではNo.37 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮)が優勝、2位にNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)と、GT-R以外の活躍が目立った。
 となると、テクニカルコースのタイはRC FやNSX CONCEPT-GTが優位かと思われる。しかし、富士でのGT-Rはライバルメーカーのエンジニアが「クルマがまったく違うかのようだ」と驚愕したほどの躍進だった。となると、タイでもGT-Rが本命視されそうだ。
 今年のタイは“暑い”レースとなるなら、昨年もポールポジションを獲り、車両トラブルで止まる中盤まで快走を続けたNo.46 S Road MOLA GT-R(本山哲/柳田真孝)に期待が掛かる。同じく昨年2位のNo.24 D'station ADVAN GT-R(佐々木大樹/ルーカス・オルドネス)も海外戦に強いチームなだけに、注目だろう。
 対して、RC F勢ではやはり昨年の勝者No.36 PETRONAS TOM'S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター)か。また、天候の急変や荒れた展開になるとNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平/ヘイキ・コバライネン)やNo.19 WedsSport ADVAN RC F(脇阪寿一/関口雄飛)もおもしろい存在となるかも。
 NSX CONCEPT-GTでは、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのコンビがチャンのようなテクニカルコースが得意だろう。そして、昨年はタイヤトラブルで泣いたがNo.8 ARTA NSX CONCEPT-GT(松浦孝亮/野尻智紀)も昨年予選4位といい結果を残しているので期待したい。また、雨となればNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)もトップを争う予感がする。

 

 

 

 

■GT-R、ハイブリッド勢、マザーシャシーと予想不能のGT300

 GT300クラスは、昨年B-MAX NDDP GT-Rが勝っているが、中盤まではスポット参戦の地元チームのポルシェがトップを走り、終盤はStudie BMW Z4と僅差の勝負をした。なので、今年は簡単にGT-R優位とも言えない。
 ただ、今年もNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)とNo.7 Studie BMW Z4(ヨルグ・ミュラー/荒聖治)が上位を争ってきそうだ。これに昨年予選4位だったNo.55 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)、そして同じハイブリッドのNo.31 TOYOTA PRIUS qpr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)のハイブリッド勢も上位を争ってきそう。また、このコースでは、ポルシェやランボルギーニも速い。昨年、終盤のトラブルで惜しくも優勝を逃した地元ポルシェを駆ったアレキサンドレ・インペラトーリが走らせるNo.33 Excellence Porsche(インペラトーリ/山下 健太)も優勝候補になるかも。ランボルギーニではNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/佐藤公哉)と共に、地元チームのNo.28 REITER GALLARDO(Chonsawat Asavahame/Tomas Enge)も注視して欲しい。

 

 

 さてテクニカルコースのチャンでは、今季参戦のニューカーでGT300用マザーシャシーを使用した車両にも注目してもらいたい。コーナーリングは抜群と言うだけに、このコースは得意としそうだ。中でも、昨年のこのコースで86MCをデビューさせている土屋武士が操るNo.25 VivaC 86 MC(土屋/松井孝允)は優勝争いに絡む可能性もあるかも。
 この他にも、チャンピオン争いの常連でありながら今季はまだ思うような結果を残せていないNo.0 グッドスマイル初音ミクSLS(谷口信輝/片岡龍也)やNo.11 GAINER TANAX SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)も“勝ち”が欲しいだろうし、今季好調なアウディR8勢も侮れない。

 

 GT300クラスは予想が難しいし、GT500も優勝候補をはっきりと言い切れない。ただ、両クラスともこの第3戦タイで見える戦力図が今季の状況を示すはず。2015年全8戦において、序盤から中盤へとシリーズが進む中での山場、そして夏の3連戦の第1関門となるタイのチャン・インターナショナル・サーキットの一戦。SUPER GTファンなら見逃してはならない戦いとなるのは間違いない。

 

  

 

 

 日本から遥か離れた南国タイで開催される第3戦。ぜひ、J SPORTSのLIVE中継やパブリックビューイング、そしてテレビ東京系の「SUPER GT+」でお楽しみください。

 

 

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