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2016.03.08
知っておきたい2016年のSUPER GTレギュレーション vol.02【ポイントとウェイトハンディ】

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 レースはスピード競技なので、「速い者が勝つ」が基本ルールである。加えて、多数の車両が高速走行で競うレースでは、とても細かなルール、レギュレー ションが決められている。これによって安全性を高め、公正なレースを運営している。さらに、レギュレーションは現状に即したより良いものとするために毎年、改訂されている。
 そこで、2016年のレギュレーションの改訂のポイントをご紹介しよう。

 

第2回 ポイント制とウェイトハンディ制

 レギュレーションには大きく2つがあり、競技におけるルールであるスポーティングレギュレーション(競技規則、以下SpR)と車両の基本や改造手法などを決めるテクニカルレギュレーション(車両規定)がある。SpRでは、参加するチームやドライバーの資格や予選でタイムが同じ時の順位付け、シリーズポイントの割り振り、ウェイトハンディの仕組みなど競技全般のルールが定められており、競技オフィシャルもチームもこれに則ってレースを行う、まさにSUPER GTにおける“法律”である。
 今回はこのSpRからチャンピオンの行方にも関わるシリーズポイント制とウェイトハンディ制の変更点を取り上げたい。

 

 

■予選でのシリーズポイント(シリーズ得点)
 SUPER GTに参戦する者にとって最大の目標はシリーズタイトルを獲ること。SpRには「各クラスの最高得点者を当該クラスのSUPER GTシリーズタイトル保持者として認定」(第7条 第5項)と定められているとおり、各レースでシリーズポイント(得点)を獲得していく必要がある。
 決勝レースで得られる基本の得点(優勝で20ポイントから10位で1ポイント。750km以上のレースでは追加あり)は変わらないが、ドライバーが得られる得点において今季は追加がある。それは予選でのポイントだ。

 今シーズンは、「各クラスの2回目の予選(Q2)において最高タイムを達成した競技車両のドライバー(組)に対し1ポイントが授与される(第7条  第2項.1.1)」となった。つまり、ポールポジションを獲ればその車両のドライバー2人(3人登録なら3人)は1ポイント獲得できる。なお、こ れはドライバーズのランキングのみで、チームランキングの得点にはならない。

 

 SUPER GTに限らずレースにおいて、ポイント制はシリーズの情勢変化などで変更されていくことが多い。SUPER GTでも2009年までは予選上位3位までシリーズポイントが付いていた。だが、分かりやすくシンプルなポイントシステムを実現したいということやレースでの総合力を争うという観点から2010年からは予選でのポイントがなくなっていた。一方で、予選でも熾烈な競争があり、ポールポジションのドライバーにはスピードキングという意味で讃えたいという意見も少なからずあった。
 予選でのポイント復活は、毎年数ポイントの差で決着するシリーズタイトルにおいて、非常に大きいものだ。それだけに、予選でのアタックがこれまで以上に激しくなることは間違いない。

 

仮に昨シーズンに当てはめてみると、GT500でポールポジションを2回獲得した

No.38 ZENT CERUMO RC Fは2ポイント加算され、ランキングが3位となる

 

 

■GT500のウェイトハンディ(ウェイトハンディ制)
 GT500クラス車両が50kg以上のウェイトハンディを搭載する際、昨年まではウェイト50kg分に相当する分は燃料流量リストリクターを絞ること(エンジンの出力制限)で対応し、実際のウェイト搭載は50kgを引いた数値となっていた(2015年は第47条 ウェイトハンディ制 第2項の後半、GT300クラスは実際のウェイトを搭載) 。
 例:ウェイトハンディ65kgの場合は、燃料流量リストリクターを絞り、実際のウェイトは15kg(65-50=15)を搭載。

 

 だが、今季よりウェイトハンディすべてを実際のウェイト搭載にすることになった。SpRのウェイトハンディ制(第23条)では前記の文章は削除となっている。このため、上記の例でいえば、ウェイトハンディが65kgなら65kgすべてを実際のウェイトで搭載することになる。 なお、ウェイトハンディの搭載重量の計算式や搭載上限100kgはこれまでと変わらない。

 

 この規則変更により、シーズン中のポイント争いが昨年とは違った展開となる事が予想される。50kgを越えたウェイトが各車両にどのような影響を及ぼすのか? 2014、2015シーズンでも僅差の上位争いが行われたGT500クラス。今季繰り広げられるであろう更なる接戦に注目して欲しい。

 

 

 

 

 次回は予選方式等についてご紹介する予定です。

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