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2016.03.19
【公式テスト岡山・1日目】RC Fがトップ4を独占! GT300はTOYOTA PRIUS apr GTが最速

【公式テスト岡山・1日目】RC Fがトップ4を独占! GT300はTOYOTA PRIUS apr GTが最速の画像

公式テスト・岡山国際サーキット 3月19日(土)

待望の2016 AUTOBACS SUPER GT開幕戦岡山を3週間後に控えた3月19日、今年最初となるSUPER GT公式テストが岡山国際サーキットでスタートした。初日のこの日は午前と午後、それぞれ2時間ずつのセッションが2回行われたが、午前はウエットコンディションに終始。午後のセッションはドライに変わり、各チームともに開幕戦に向けての走り込みを行っていた。

 

◎走行1回目 09:30-11:30
 天気/曇り時々雨 路面/ウエット
 気温/15℃〜17℃ 路面温度/17℃〜19℃(開始時は15℃/17℃)

◎走行2回目 14:00-16:10(GT300専有走行 15:50-16:00、GT500専有走行 16:00-16:10)
 天気/晴れ 路面/ドライ
 気温/16℃〜20℃ 路面温度/20℃〜26℃(開始時は18℃/20℃)

(入場者数:4,890人)

 

 

午前はウエットからドライへ。タイムよりタイヤの確認が優先

 厚い雲が重く垂れこめ、また前夜の雨の影響もあり、セッション開始30分前にウエット宣言が出され、午前のセッションは全車ウエットタイヤでスタートして行った。雨はほとんどやんでいたが、気温の影響なのか、なかなかコースは乾き切らなかった。その中、セッション開始から1時間ほどでGT300クラスのNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロ)が先陣を切りスリックタイヤへ。やがて各車がタイヤを替えていった。
 GT500クラスの午前最速は、No.12カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)で、ただ1台1分20秒の壁を破る1分19秒776をマーク。だが、各車は最速タイムを気にはしておらず、マシンのセットアップと開幕戦に使用するタイヤ選定を行っていた。
 午前で目立ったのはNo.64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット)がまったく新しいパターンのレインタイヤをテストしていたこと。「ウチのタイヤは以前から雨には強いと言われていましたが限定されたコンディションでだけ速かった。でもオールマイティな速さを追求して、新しいパターンをテストしてきています。残念ながら、ここまではウエットコンディションのテスト機会が少なく、今朝のセッションが初の本格テストとなりました。ただし充分な雨量がなくドライアップ(少しずつ乾いていく状況)の速さが確認できただけですが…」とダンロップの斉脇エンジニアは苦笑いだった。

 

 

ドライとなった午後。WAKO'S 4CR RC Fの大嶋がレコードを越える

 インターバルの間に少しずつ路面は乾いていき、午後のセッションはドライコンディションで始まった。セッション開始直後に9コーナーでスピンアウトしたマシンがあり、これを回収するためにこの日初めての赤旗中断となった。約5分後にセッションは再開。各車開幕戦に向けて、タイヤ選択&確認作業を続けていく中で、少しずつタイムも短縮されていく。LEXUS RC F勢が好調のようで、タイミングモニターの上位にはRC Fの名が連なっていた。セッション開始から20分ほどしてNo.37 KeePer TOM'S RC Fの平川亮が19秒534をマークしてタイミングモニターのトップに立つ。これをNo.36 LEXUS TEAM TOM'S(車名は未定)の伊藤大輔が19秒349で逆転。さらにはNo.6 WAKO'S 4CR RC F(アンドレア・カルダレッリ)が19秒484で再逆転してみせる。さらにカルダレッリから代わった大嶋和也が、1分18秒台に突入。しかも、これまでのコースレコード(1'19.008。2015年開幕戦:KeePer TOM'S RC F 平川亮)を上回る1分18秒877をマーク。これがこの日のトップタイムとなった。

 結局、GT500クラスは全車が午後にトップタイムを記録。この日はタイムリザルトのトップ4をLEXUS RC Fが独占することになった。TRDモータースポーツ開発室でGT500クラスのRC F開発を手掛けるエンジングループマネージャーの佐々木孝博エンジニアは「今シーズンは車両関係の開発が凍結されているので出来ることは限られていますが、エンジンはいろいろとタマ(新技術)を仕込んでいこうと思っています。ただし、現時点では半分くらいですが、やってきたことはちゃんと結果に繋がっている手応えがありましたね。もっとも、ライバルがどんなメニューで走っていたかは分からないので安心はできませんが…」と語った。
 NSX CONCEPT-GT勢ではNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)が、午後に1分19秒736を記録してこの日の5番手となった。HondaのGTプロジェクトを統括する松本雅彦プロジェクトリーダーは「以前からレクサスはここで速かった。クルマが(コースに)合ってるんでしょうね」とRC F勢の分析しながらも「ハイブリッドを搭載せずに軽くした分の重量配分も含めて、ウチもまだまだ上がり代はあります」と焦りはない。
 もちろん3連覇を狙う日産も同様だろう。タイム的には午前にNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが最速。午後も12号車が1分19秒782で6番手とGT-R最上位につけた。GT-Rの開発も担うNISMOの鈴木豊監督は「今日のコンディションではちょっと厳しかった、と言うところでしょうか。まだまだコースも出来上がってない段階だったので。明日はもう少しタイムを詰めることができると思います」と結んだ。

 

 

 

GT300クラスのニューマシンは速いが、まだまだ熟成が…

 GT300では、No.2シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規)が午前のトップタイムをマーク。午後は、午前のセッションは車両のトラブルでノータイムとなったNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)が、早々から速さを見せ、最終的には1分27秒521でこの日のトップタイムを記録した。
 新型車両が多く、注目を浴びているGT300クラスだが、FIA GT3車両のニューマシンは確かに速い。ただし、まだ調整不足、熟成不足も感じさせた。新型プリウスの31号車もそうだが、BMW M6 GT3ではNo.7 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー/荒聖治)にはミッショントラブルが発生し、午後の出走を取りやめている。またNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢)にはミッション系のトラブルが発生。さらにPORSCHE 911 GT3R もNo.9 GULF NAC PORSCHE 911(阪口良平/吉田広樹)がエンジントラブルに見舞われていた。
 ただし、各車本来持っている速さは明らかで、BMW M6 GT3のNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志)は快調に走ってトップと僅差でクラス6番手に着けている。それぞれの熟成が進めば、このテストとは大きく状況がかわるかもしれない。

 

   

 

 

GT500クラス・トップタイム

大嶋和也(No.6 WAKO'S 4CR RC F)

午前中はコースが濡れたままだったので、あまり無理をしても…ということで、アンドレア(カルダレッリ)がクルマの確認をした程度でした。午後は(コースも)乾いてきたのでアンドレアがタイヤをテストして、それを僕がタイムを出していくパターンで走りました。最後に1度、ちょっとアタックをして出たのが今日のベストタイム。でも僕自身、完璧なアタックでもなかったと思うし、まだまだタイムは上がると思います。
シーズンオフにマシンが随分速くなっています。特にエンジンのパワーは明らかに上がっていました。これであと少し、ドライバビリティを改善してもらえると、素晴らしいタイムが出せると思います。これまでも僕らは開幕戦で好調だったし、(岡山で)勝っているアンドレアが加わったことで、チームとしても今年は必勝、とモチベーションが上がっています。スポンサーさんが変わり、カラーリングも変わったりしたので、ここで(開幕戦で)勝って、チームの一体感を高めてシーズンに臨みたいですね

 

GT300クラス・トップタイム

嵯峨宏紀(No.31 TOYOTA PRIUS apr GT)

えっ、トップタイムだったんですか。全然気にしていませんでした。でも開幕戦を控えた最初の公式テストでトップタイムを出せたのは良かったですね。何より今年はFIA GT3車両の新型が多く出場するので、先制パンチをお見舞いした格好で、嬉しいです。今年は(僚友の30号車と)2台でシーズンに臨むことになったので、その分、開発も進むと思います。
ただ、お互いタイヤが違う(31号車はブリヂストン、30号車はヨコハマ)から、幾分は(データ共有も)制限されるかもしれませんね。今日はタイヤを選んでタイムを出して、の繰り返しでした。1発のタイムが速いことはこれまでに分かっていましたから、特に驚くことはなかったですね。明日はロング(決勝想定の長距離)を走ってタイヤをチェックしたり、セッティングを詰めていこうと思います

 

 

 

 

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