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Race Report
2016.03.27
【公式テスト富士・2日目】カルソニック IMPUL GT-Rが2日目首位 Studie BMW M6がGT300トップに

【公式テスト富士・2日目】カルソニック IMPUL GT-Rが2日目首位 Studie BMW M6がGT300トップにの画像

公式テスト・富士スピードウェイ 3月27日(日)

3月27日の日曜日、富士スピードウェイは早朝から好天に恵まれた。SUPER GT富士公式テストの2日目も午前と午後に2時間ずつ、計4時間の走行セッションが行われた。絶好の走行日和で朝から非常に多くのファンが来場し見守る中、各チームは間もなくに迫った開幕戦岡山、そして5月の第2戦富士に向けてのテストを行った。

 

◎走行1回目 09:30-11:30
 天気/晴れ 路面/ドライ
 気温/8℃〜12℃ 路面温度/14℃〜20℃(開始時は8℃/14℃)

◎走行2回目 13:30-15:45(SC訓練13:30-13:50)
 天気/晴れ 路面/ドライ
 気温/11℃〜14℃ 路面温度/15℃〜23℃(開始時は13℃/22℃)

 

 

富士得意のカルソニックIMPUL GT-Rが好タイムを記録

 公式テスト2日目を迎えた富士スピードウェイは、わずかに厚い雲があるものの青空が拡がる好天となった。午前の走行セッションは9時30分からスタートした。
 ここでもLEXUS RC F勢が好調で、早々からタイミングモニターの上段に名を連ねる。今季のGT500クラス車両は、レギュレーションで空力の開発が制限されており、勝負どころはエンジンだと言われている。だが、車体も昨シーズンの仕様をそのままのわけではない。RC Fの開発を手掛けているTRDのモータースポーツ開発室・車両グループのマネージャー、清水信太郎エンジニアは「もちろんレギュレーションで禁止されていない部分だけですが、それでも僅かずつですが軽量化を突きつめてみたり、また昨年はトラブルでレースを失ったことも少なくなかったので、その対策を進めてきました」と言う。ライバルのGT-R勢ではトラブルも出ていることを問うと「同じパーツを使っているのでどちらも条件は同じ。公式テストでは(我々に)たまたま出てないだけで、オフのテストでは何度もトラブルに見舞われています。日産さんと共同で対策を講じています」と、本番では互いにベストなレースができる準備をしていることを話してくれた。
 午前のセッションは、残り15分でNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢)がドライブシャフトのトラブルからピットロード入口付近でストップし、これを回収するために5分間、赤旗中断があっただけで、クラッシュなど大きなトラブルはなく終了。各チームにとっては充分な走行を行えたようだ。
 セッションの大半はNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)のコバライネンが1分28秒369でトップとなっていたが、No.12カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)のデ・オリベイラが1分28秒228とわずかに逆転してトップタイムとなった。昨日のタイムから比較して考えると、多くのチームが決勝を想定した長い周回のテストや、タイヤのライフなどをチェックしていたようだ。

 

 

午後はRC FとNSX CONCEPT-GTが同タイムで最速を分ける

 午後のセッション開始の前、1時30分からの走行の最初にセーフティカー訓練が実施された。今年スポーティングレギュレーションが改正され、その新しい運用での訓練であることから、参加の各車も真剣に取り組んでいた。

 

 

 セーフティカー訓練が終わると、そのまま午後のセッション(2時間)がスタート。ここでもRC F勢のコンスタントな速さが目立っていたが、午後は平手が1人で走ったNo.39 DENSO KOBELCO SARD RC Fが1分28秒854のトップタイム。だが、No.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史。タイムは塚越)も39号車とまったくの同タイムを記録してみせた(記録上では2位)。昨日と今日午前のセッションではNSX CONCEPT-GT勢に目立った走りがなかっただけに、ようやくセットアップに手応えが有ったということだろうか? しかも、3番手のNo.37 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮)までのタイム差が1000分の6秒。やはりGT-R、RC F、NSX CONCEPT-GTの3車の実力は昨年以上に均衡しているのかもしれない。開幕戦はやはり予断を許さない。
 午前トップのNo.12カルソニック IMPUL GT-Rは、午後はロングラップの走行に徹していたのかタイムは29秒台の7番手に留まったが、それでもトップとのタイム差はコンマ3秒にしか過ぎず、いずれにしても本番での接戦に期待はますます高まった。

 

 

 

 

 

 

GT300でも競争が激化。午前はGT-R、午後はBMW M6が最速に

 GT300では、午前のセッション開始から30分もしないうちにNo.7 Studie BMW M6(ヨルグ・ミューラー/荒聖治)がいきなり好タイムをマーク。ここまでトラブルが目立っていたBMW M6 GT3だったが、このセッションでは荒が一気にペースを上げ、1分36秒194をたたき出す。これは、昨日No.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)がマークした1分36秒151には僅かに及ばないものの、これまでのコースレコードを上回る好タイム。コンディションにもよるが、ゴールデンウィークに行われる第2戦富士の公式予選でレコードタイムが書き換えられるのか、非常に楽しみである。
 この富士テストではFIA-GT3がすべてのセッションでトップを奪っている。だが、2日目の総合結果ではJAF-GT勢のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝。走行は井口のみ)と No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)が4、5番手に着けており、マシンの修復がなってこの日は走行したNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允)も好タイムを刻んでいた。富士ではFIA GT3勢が優位とも思われるが、JAF-GT300勢も十分戦えそうだ。

 

 

 こうなるとGT300でも気になるのが、タイヤの勝負か。GT300で多くのチームにタイヤを供給するヨコハマで開発を担うヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナルの藤代秀一エンジニアは「開発の現場は大変なことになっています」と苦笑する。と言うのも、今季はFIA-GT3の新型車両が数多く登場した上、GT300の競争激化でパフォーマンスがアップ。結果的にタイヤ開発もこれまで以上のシビアさが要求されるようになったからだ。当然、ライバルのダンロップ、ブリヂストンもいるわけで、GT300でもこれまで以上に“競争”に熱が入るのだ。「やはり負けるわけにはいきませんから。それに昨年はタイトルを獲られてしまったので、今年はぜひとも取り返したいですね」と藤代さんは括った。GT300の激化するタイヤ競争。これもまた今シーズンのGT300で注目したいポイントだ。

 

   

 

 

GT500クラス・トップタイム

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(No.12 カルソニック IMPUL GT-R)

2日間を通じてクルマの状況は良かったよ。昨日も今日も良いリザルトで終わることができたからハッピーだね。5月の富士に向けてポジティブな気持ちになっているよ。今日はタイム的には昨日ほどではなかったけれど、それはタイヤテストが主なメニューだったからで、本当に素晴らしいテストになった。
先週行われた岡山での公式テストも順調だったから、シーズンに向けてモチベーションも高くなっているよ。岡山、富士と連勝を狙う? そうできれば嬉しいけれど、やはりSUPER GTはウェイトハンディもあるから簡単じゃないよ。でもどちらか一つ勝って、もう一つも表彰台には乗りたい。そう思っているよ。いいスタートダッシュを切って、今年こそタイトルを手に入れたいね。

 

GT300クラス・トップタイム

荒 聖治(No.7 Studie BMW M6)

岡山のテストはトラブルでほとんど走れなかったんですが、今回はタイヤテストを含めて数多くのメニューをこなすことができました。1度だけ予選のシミュレーションでアタックした時に、ベストタイムを出すことになりました。
今年からマシンが変わりましたが、新しいM6はいいバランスですね。大柄になったから運動性能がダルになったと勘違いしている人もいるみたいですが、そんなことないですよ。やはりBMWらしくハンドリングはシャープだし、これまでウィークポイントだったストレートスピードも、エンジンがターボに代わってライバルと同等になりましたから。コーナリングとストレートの、スピードのバランスがとれた感じですね。ただ岡山のテストで走れなくてデータがないのが気になるところ。それでも僕たちはいつでも全開。ヨルグ(ミュラー)さんとのコンビも3年目ですから、何とか結果に繋げたいですね。

 

 

 

休日開催の富士テストには多くのファンも集まった

 

お昼に行われたオープンピットでは、SUPER GTの公式レースアナウンサーであるピエール北川さんが各ドライバーにインタビュー。
その音声を場内放送に載せて流すなど、ファンサービスも盛り沢山だった。

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