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Race Report
2016.04.10
Rd.1 決勝GT500:王者MOTUL AUTECH GT-Rが貫禄の逆転劇で開幕戦を制す

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第1戦 岡山国際サーキット : 決勝 GT500レビュー

4月10日午後、2016 AUTOBACS SUPER GT第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝レースが岡山国際サーキット(岡山県)で行なわれた。GT500クラスは予選3位からスタートしたNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が、チャンピオンの実力を示すような見事な逆転勝利を挙げた。GT300クラスではNo.65 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥)がチームにとって初となるクラス優勝を獲得した。

 

□決勝  天候:曇り | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:20度/26度>途中:23度/26度

 

 

 

予選3位からMOTUL AUTECH GT-Rのクインタレッリが猛追撃

 薄く雲はかかっているものの、柔らかな日射しのもと迎えたSUPER GT第1戦岡山の決勝レース。14時40分、GT500クラス、GT300クラス合計42台というマシンが、ゆっくりとスターティンググリッドから離れていった。岡山県警の白バイ2台の先導によるパレードランを1周ゆっくりとこなし、さらに1周のフォーメーションラップへ。ポールポジションスタートのNo.37 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター)を先頭に、82周のレースがスタートした。
 No.37 KeePer TOM'S RC Fは1コーナーをトップでクリアし、No.6 WAKO'S 4CR RC F(アンドレア・カルダレッリ)、No.1 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)と続いていく。先頭のロシターは、昨年勝利の再現を狙うべくオープニングラップからハイペースで後続とのギャップを築きにかかる。2周目には1.6秒、3周目には2.2秒と、マージンを作っていった。
 一方、先頭争いの後方では、No.19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛)がNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信)、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平)、No.38 ZENT CERUMO RC Fといった集団の5番手争いのなかで、果敢なオーバーテイクを仕掛けて序盤戦を盛り上げた。スタート時には8番手だったが、11周目には6番手まで浮上している。
 序盤、トップ3の争いはしばらく膠着状態となるが、21周目を過ぎるころになると2番手を走るNo.6 WAKO'S 4CR RC Fと3番手のNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rの間隔が縮まりはじめる。22周目にはその差は0.4秒となり、テール・トゥ・ノーズ状態に。イタリア人ドライバー同士のバトルは28周目のヘアピンで、クインタレッリがカルダレッリをパス。これでNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rが2番手に浮上した。
 勢いに乗るNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rは34周目になると、先頭を走っていたNo.37 KeePer TOM'S RC Fとのギャップを縮めていく。トップ争いが展開されるかと思いきや、35周を終え首位を走っていたNo.37 KeePer TOM'S RC Fはそのままピットイン。ロシターから平川亮にドライバー交代を行った。
 一方、No.1 MOTUL AUTECH GT-RはNo.37 KeePer TOM'S RC Fのピットストップ後、クインタレッリがハイペースでタイムを稼ぎ出し、38周を終えピットイン。松田次生にドライバー交代を行った。ピットストップの速さに定評があるNISMOのピットクルーは、なんと40.8秒という静止時間でNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rを送り出した。
 No.37 KeePer TOM'S RC FとNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rのピットストップ後の位置関係に注目が集まったが、ペースが落ち着いた40周目にはNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rがトップに浮上し、しかもその差は約8秒に。“王道”と言える戦略で首位を奪い取ってみせた。

 

 

KeePer TOM'S RC Fの平川とS Road CRAFTSPORTS GT-Rの千代が激闘

 これでレース後半に向けて順位はNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田)が首位、2番手にKeePer TOM'S RC F(平川)、3番手に37周を終えピット作業を行ったNo.6 WAKO'S 4CR RC F(大嶋和也)、4番手には37周目にピットインし、本山哲からステアリングを受け継いだ千代勝正のNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが続いていった。

 上位陣のなかでは、前日の予選Q1で素晴らしいタイムをマークした千代のNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが、レース後半に向けて果敢にオーバーテイクを仕掛けていく。45周目には3番手のNo.6 WAKO'S 4CR RC Fにとのギャップを縮めると、50周目のヘアピン〜リボルバーコーナー〜パイパーコーナーとサイド・バイ・サイドのバトルを展開。ここは大嶋のNo.6 WAKO'S 4CR RC Fが粘りをみせるが、52周目の同じ場所で今度は千代のNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rが大嶋をパス! 3番手に浮上する。
 勢いに乗るNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rは、今後は2番手を走っていたNo.37 KeePer TOM'S RC Fとの間隔を縮めていく。お互いにタイヤの状態が厳しくなっていくなかで、平川と千代という若手ふたりは、決勝レース残り10周近くをテール・トゥ・ノーズで戦い続けた。
 2台のバトルの前方で、首位のNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)はリードを保ち続け、最後は2番手に15.334秒の差をつけチェッカー! 2015年チャンピオンコンビが開幕優勝を飾った。この勝利により、松田次生は昨年最終戦で「記録更新は来年にお預け」と本人が語っていた、GT500通算最多勝記録となる17勝目をマークしている。

 激しいバトルを繰り広げた2番手争いは、No.37 KeePer TOM'S RC F(平川亮/ジェームス・ロシター)が最後までNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-Rのアタックを防ぎ続け、2位を死守。3位はNo.46 S Road CRAFTSPORTS GT-R(本山哲/千代勝正)となり、千代はGT500クラスデビュー戦で表彰台を獲得。3度のチャンピオンである本山からも「この週末の千代は素晴らしかった」とお墨付きをもらった。
 4位は2番手スタートのNo.6 WAKO'S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ)、5位は61周目にNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路)との戦いを制したNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)となった。Honda NSX-GT CONCEPT勢では、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也)が粘り強く戦い、10位でポイント獲得を果たしている。

 SUPER GTの次戦は、ゴールデンウイークの一戦となる第2戦富士スピードウェイ(5月3日予選・4日決勝)となる。次戦は開幕戦とサーキットの性格がまったく異なる高速決戦。どんなレースが待ち受けているだろうか?

 

 

 

 

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