5月4日午後、2016 AUTOBACS SUPER GT第2戦「FUJI GT 500km RACE」の決勝レースが富士スピードウェイ(静岡県)で行なわれた。GT500クラスはNo.1 MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生/ロニー・クインタレッリが開幕戦に続き、連勝を飾る。GT300クラスもNo.3 B-MAX NDDP GT-Rの星野一樹/ヤン・マーテンボロー組が優勝し、日産GT-Rが両クラスを制した。
□天候:晴れ | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:24度/40度>中盤:26度/40度>終盤:23度/35度
朝から青空が拡がる五月晴れで迎えた決勝レースは予定通り、午後2時にセーフティカーに先導されたローリングラップがスタート。1周を回って午後2時3分に正規のスタートが切られた。ポールポジションからスタートしたNo.55 ARTA BMW M6 GT3(小林崇志)に続いて、No.25 VivaC 86 MC(松井孝允)、No.31 TOYOTA PRIUS apr GT(中山雄一)、No.7 Studie BMW M6(荒 聖治)らが一団となって1コーナーへとなだれ込んでいく。そして2コーナーの立ち上がりでは中山と荒が、松井を左右から同時にパス。スタート直後にもかかわらずスリーワイドの接戦バトルにスタンドを埋めたファンからは喝采が飛んでいた。結局、上位陣は55号車、31号車、7号車のオーダーでメインスタンド前に戻ってきたが、タイヤカスがピックアップ(タイヤカスの付着)でペースが落ちた25号車は大きくポジションを落としてしまった。
その後No.55 ARTA BMW M6 GT3がじわじわ後続を引き離し、No.7 Studie BMW M6とNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTが2位を争う展開となるが、そこに後方から追い上げてきたNo.3 B-MAX NDDP GT-R(ヤン・マーデンボロー)が加わり、2位争いは三つ巴のバトルとなるが、このうちNo.7 Studie BMW M6は急にペースダウンして14周目に緊急ピットイン。7号車はトラブルを修復して再度走り出すが、上位争いからは脱落した。以後はNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTとNo.3 B-MAX NDDP GT-Rが一進一退の2位争いを繰り広げる展開となる。その後方では12番手からジャンプアップしてきたNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(平峰一貴)をリーダーにNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山内英輝)、No.0 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎)、No.51 JMS LMcorsa 488 GT3(新田守男)らが接近戦を繰り広げていた。
後続のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTとNo.3 B-MAX NDDP GT-Rがバトルを展開していたこともあって、No.55 ARTA BMW M6 GT3は6秒近い大きなギャップを築くことに成功し、レースは中盤戦へと突入する。
29周を終えたところでトップを快走していたNo.55 ARTA BMW M6 GT3が最初のルーティンピットインを行い小林から高木真一に交替する。パワーのあるM6 GT3だが燃費がウィークポイントで、給油に時間が掛かってしまう。続いてルーティン(所定の)ピットを行ったNo.31 TOYOTA PRIUS apr GTだが、中山から交替してピットアウトして行った嵯峨宏紀がピットアウト直後の1コーナーでオーバーラン。マシンにトラブルがあった模様で、ピットインすることになり上位から脱落。これでトップに立ったNo.3 B-MAX NDDP GT-Rは33周を終えたところでピットに向かい、マーデンボローから星野一樹に交替する。また37周目にはNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3がピットインし平峰から織戸学に交替している。その後も各車は続々とピットインを行い、タイミングモニターでは順位が目まぐるしく変動していった。
ここからは、ピットの速さでトップに立ったNo.3 B-MAX NDDP GT-R と速さで追い上げるNo.55 ARTA BMW M6 GT3による戦いとなる。実際、レースも折り返しとなる55周を終了(GT300のトップは51周終了時点)での上位陣のオーダーは、トップがNo.3 B-MAX NDDP GT-RでNo.55 ARTA BMW M6 GT3が1.4秒差でこれを追いかけていたが、3位以下はもう周回遅れとなっていた。
ところが、ここまでのレースをリセットにするハプニングが起こった。タイヤバーストに見舞われたGT500クラスのマシンがボディ後部を大破させてコースアウト。壊れたパーツが100Rからヘアピンへのアプローチにまき散らされてしまい、セーフティカー(SC)が導入された。結果的にNo.3 B-MAX NDDP GT-RとNo.55 ARTA BMW M6 GT3だけでなく、No.88 マネパ ランボルギーニ GT3、No.51 JMS LMcorsa 488 GT3(新田>都筑晶裕)、No.18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴>山田真之亮)、そして序盤に予定外のピットインで後退していたものの、追い上げてきていたNo.25 VivaC 86 MC(松井>土屋武士)辺りまでが同一ラップとなってしまったのだ。
また、今シーズンから採用されたSC導入時のピットイン禁止(このタイミングでピットインするとペナルティが課せられる)も影響して、SCがピットロードに向かった後には各車が一斉にピットに向かうこととなった。この時点でステイ(走行を続けること)を決め込んだNo.3 B-MAX NDDP GT-Rはハイペースで逃げ、早めのピットインをしたためタイミングの違うNo.25 VivaC 86 MCが2番手に進出していた。
73周を終えたところでNo.3 B-MAX NDDP GT-Rが最後のピットイン。星野から再びマーデンボローに交替し、No.25 VivaC 86 MCに約1分差の2位でピットアウトする。No.25 VivaC 86 MCは、最後のピットインでタイヤ無交換という勝負にでる。このタイム短縮が功を奏して、2番手に再浮上。だが、トップの3号車は5秒以上先。土屋から代わった松井は、トップを追い上げることより迫ってくる55号車の小林を見ることになる。ストレートスピードを武器にするFIA-GT3マシンのBMW M6 GT3を相手にマザーシャシー勢の86が、上手くスリップストリームなどを駆使して粘りのレースを行うが、ラスト12周にして力尽きる。89周目の1コーナーでインをつかれてコカコーラ・コーナーまでサイド・バイ・サイドのバトルの末、No.55 ARTA BMW M6が2番手を奪い取った。
レースは予選5番手から長距離レースを上手く使ってポジションを上げたNo.3 B-MAX NDDP GT-Rが今季初勝利。2位には速さを見せながらも勝ちきれなかったNo.55 ARTA BMW M6が入った。表彰台の最後の席、3位となったNo.25 VivaC 86 MCには、トップ2に優るとも劣らない大きな拍手と歓声が大観衆から贈られていた。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI | |
12/07-08 | Round5 SUZUKA |