第6戦鈴鹿を直前にした8月26日午前、鈴鹿サーキットでLEXUS GAZOO Racingが2017年シーズンのGT500クラスに、来春発売のLEXUS LC500をベースとした新型車両で参戦することを発表した。この発表会では、数日前に完成したばかりというGT500仕様のLC500が初公開された。
2017年のGT500マシン“LEXUS LC500”の初公開に際し、トヨタ自動車株式会社モータースポーツマーケティング部、高橋敬三主査は「LC500は、LEXUSの次世代を象徴するフラッグシップクーペとして誕生したモデルです。“世界最速のGTレース”であるSUPER GTに、LEXUS最高のクーペモデルであるLC500で参戦することは、SUPER GTをさらにエクサイティングなものにしてくれるのでは、と期待しております。来月シェイクダウンテストを行い、来年4月の開幕に向けて最高の戦いができるよう、準備を進めてまいります」と、ニューマシンの概要と、今後の抱負を語った。
またニューマシンのアンベールに先立ち、GTアソシエイションの坂東正明代表が挨拶。プロモーターとして、来季のGT500クラス車両に関しての説明を行った。
「2017年のGT500車両規則の特徴を一言で表せば『安全性のさらなる向上』と言えます。我々は“世界最速のGTレース”と称されるSUPE GTを皆さまにお届けできているとの自負があります。しかし、一方で行き過ぎたスピード競争が大きな事故につながるのではないか、という懸念を抱いていることも事実です。これもあって2017年規則では空力性能を制御し、現行車両に比べダウンフォースを約25%削減いたします。
SUPER GTはスピードと燃費性能を両立させたエンジン、より長い距離を走ることができ、より速く走ることができる高性能タイヤなど、最新の環境技術を駆使した『地球に優しいレース』でありながら、“世界最速のGTレース”を今後も目指して参ります」
記者発表会の最後には質疑応答が行われた。記者の「ダウンフォースが削減されても性能向上を目指していると思いますが、鈴鹿での想定タイムはどのくらいでしょうか?」との問いに、2017年型ニューマシンの開発を担当しているトヨタテクノクラフトTRD開発部の永井洋治部長は、「当然開発する際には鈴鹿での目標(タイム)も想定しています。しかし、それを言うとライバル社を、そして(規則を司る)坂東代表を刺激することになりますので(笑)、数値は言えません。けれど、当然(ダウンフォース)25%削減に対しても相当な量を回復したいと思っています。開幕戦をぜひ楽しみにしていてください」と、性能に関しては煙に巻くと共に、パフォーマンスへの自信を表していた。
また現行GT500マシンのRC Fに対して、LC500のメリットと開発での苦労という質問に対して、永井部長は「(LC500は)見た目からしてカッコ良いし、速そうですよね。これからもっとこのクルマのパフォーマンスを引き出していきたい。またRC Fの3年間を考えると、やはり最初のクルマ(の出来)が重要でした。RC Fで弱かったところをLC500では潰していきたい。もちろん、このクルマ(今回公開されたLC500)は開発途中で、最終形ではありません」と、今後このGT500仕様LC500がさらに進化すると語った。
記者発表の後には、同じ会場で一般のファンを招いてのGT500仕様LC500お披露目会も実施され、平日の金曜昼にもかかわらず、集まった約200名のファンが熱心に新型マシンを見つめ、写真に収めていた。
記者発表会、一般公開を終え、午後になると2台のLC500は鈴鹿サーキットのメインストレートに場所を移してプレス向けの撮影会となった。精悍でスタイリッシュなLC500は、明日からの第6戦で走りだしてしまいそうな雰囲気を漂わせていた。
尚、発表されたLEXUS LC500は、ベースとなる車両と共に、第6戦の開催期間中は鈴鹿サーキットのGPスクエア内特設イベントブースで展示されるので、是非その目で確かめて欲しい。
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