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Race Report
2016.11.04
【もてぎ プレビュー】SUPER GT史上初の1大会2戦開催!予想不能の最終決戦へ!!

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第3戦&第8戦 もてぎ : プレビュー

2016年シーズンもついに最後の大会を迎える。11月11日(金)、12日(土)、13日(日)にAUTOBACS SUPER GT第3戦/第8戦がツインリンクもてぎで開催される。この大会は、熊本地震で中止になったオートポリス戦の代替となる第3戦が12日(土)に、最終・第8戦が13日(日)とそれぞれ1Dayで行われる。これはSUPER GT史上初の試みであり、この2日間でシリーズポイントが最大42点加算できることも画期的だ。多くのチームにタイトルの可能性があり、優勝争いはもちろん、随所で激戦が繰りひろげられることになるだろう。GT史上最大の決戦と言えるもてぎ連戦を見逃してはならない!

 

2戦で最大42ポイントが獲得可能

 先ずはこのもてぎ大会のレースフォーマットを確認しておこう。今大会は3日間で行われ、11日(金)は午前と午後に公式練習が行われる。12日(土)は第3戦として午前に予選、午後に決勝レースが行われる。そして最終戦となる第8戦は13日(日)。こちらも午前に予選、午後に決勝レースとなる。

 予選はどちらのラウンドも、クラス別で15分間の一発勝負。予選のドライバーは各ラウンド1人、両ラウンドで別にしなければならない。つまりノックアウト予選のように、走らないドライバーはおらず、必ず全員が予選アタックをするわけだ。決勝のレース距離は両ラウンド共に250kmで、通常通りにピットインを行ってドライバー交代が義務付けられる。
 シリーズポイントは第3戦、第8戦ともに、予選ポールポジションに1ポイント(ドライバーズのみ)、決勝順位のポイントも通常通り。つまり2ラウンドでポール・トゥ・ウインを飾れば、21×2で42ポイントを加算する事ができる。したがって、現状ポイント差がかなりあっても、大逆転の可能性が充分にあるということになる。
 ウェイトハンディだが、これは両ラウンドで異なる。ここまで全戦(6戦)に参戦したチームは第3戦がポイント×1kg。第8戦では全戦(7戦)に参戦したチームは0kg、ノーハンディとなる。それだけに2日間で変化するウェイトハンディへの対応が、大量得点への鍵となりそうだ。
 全日本GT選手権時代も含め、過去に2レース制の決勝を行ったことはあるが、このように1大会で2ラウンドを実施するのは史上初。他のレースシリーズでも2レース制を採用する場合、ポイントは実質1戦分なのがほとんどで、この点でももてぎは画期的な大会と言える。それだけに各チームともどう戦うかは、極めて難しい連戦となるだろう。

 

 

安閑としていられないMOTUL AUTECH GT-R

 最大42ポイントが獲得できるだけに、GT500クラスにおけるドライバーズチャンピオンの可能性は、なんと全15チーム中14チームにある。数字上とは言え、とんでもない激戦である。ただ現実的に見れば、トップのNo.1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)から24ポイント差のNo.37 KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮)までの8チームがリミットと言えるだろう。
 この中で一番有利なのは、やはりポイントリーダーの1号車だろう。第3戦では56kgと大きなウェイトを背負うがここをきっちり上位で終えて、ノーハンディの第8戦を表彰台で決める、そんな青写真が描ける。ただ、第3戦で気負ってリタイアだけは避けたいところだ。同じGT-R勢ではNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)も20ポイントと差は大きいが第3戦で優勝、最低でも表彰台を得れば大逆転の可能性はあるだろう。

 

 

もてぎが得意なRC Fの逆転は? 15号車の新星・牧野にも注目

 RC F勢はもてぎを得意としているだけに、ランキング上位のチームは逆転タイトルへ可能性を見いだしているだろう。ランキング2位のNo.6 WAKO'S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ)はトップと10ポイント差、ランキング3、4位のNo.38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)、No.39 DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)は11ポイント差。3チーム共に1号車より大きいポイント獲得が前提であるが、6号車と39号車は今季まだ勝利がないだけに、やはり第3戦で勝っておきたい。また、もてぎで昨年優勝しているNo.37 KeePer TOM'S RC F、前戦タイで優勝のNo.19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛/国本雄資)も、第3戦で勢いに乗れば大逆転タイトルも考えられるだろう。

 NSX CONCEPT-GT勢は、各車ウェイトハンディが軽めなので、今季初の優勝を狙いたい。特にタイトルの可能性を残すNo.17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史)や、前戦タイで2位となり勢いのあるNo.15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀/牧野任祐)には注目だ。この15号車では、初めてのタイ、初めてのGT500ドライブであわやポールの予選2位という衝撃のデビューを飾った19歳の牧野が、コースをよく知るもてぎでどんな走りを見せてくれるのか、これも楽しみである。

 

 

 

GT300はランキングトップ6にタイトルの可能性が大

 GT300クラスでは、前戦タイで優勝したNo.25 VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允)がランキングトップ。数字上は41ポイント差までの14チームにタイトルの可能性があるが、実際は18ポイント差以内の6チームが有力だろう。

 

 

 ストップ&ゴーと言われる加減速のハードなレイアウトのもてぎは、マザーシャシー勢のマシンにとっては決して得意とは言えないコース。それだけに、ランキングトップの25号車にとって、この連戦は厳しいものとなるかもしれない。確実に上位に入って逃げ切るのが、戦略となりそう。

 一方、もてぎで優位にあると考えられるのは、FIA GT3勢。大排気量のパワーとABS(アンチロックブレーキ)を持ち、しかも決勝が250kmと短いのでウイークポイントの燃費の心配が減る。トップと5、6ポイント差のNo.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー)とNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志)は、大逆転のチャンスと言えよう。
 昨年のもてぎでポール・トゥ・ウインを決めたJAF-GT300のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一)も侮れない存在。10ポイント差ではあるが、充分に射程圏内であろう。前戦タイではワンミスからノーポイントで終わったNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)も、ウェイトハンディが減るこの2戦なら高得点を狙えるだけに、彼らも有力候補だ。この他、昨年のもてぎで表彰台に登っているNo.4 グッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也)、もてぎを得意とするNo.11 GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)も要注意の存在だ。
 他にもダークホースが多く、第3戦で勝った者がタイトル争いでも波乱を巻き起こすことも充分にある。正直、もてぎ戦を前にまったく予測がつかない。だからこそ非常に楽しみなGT300クラスである。

 

   

 

 

 何れにせよ今年最後のSUPER GT。この週末で1年の決着がつくことになる。そこには色々なドラマが巻き起こることだろう。“SUPER GT史上最大の決戦”もてぎでの戦いは、ぜひサーキットでその目に焼き付けて欲しい。現地へ行くのは難しいのであれば、J SPORTSやニコニコ動画の中継、そしてパブリックビューイングでスリリングな時を共有して欲しい。そして、決戦後にはGTプラスでその内幕や秘話を知ってほしい。勝敗を別にしても、これがドライバー、チーム、そして数多くの関係者の2016年の集大成なのだから。

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