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2016.12.14
Hondaが来季チーム体制を一部発表。無限が復帰!武藤/大祐組&ヨコハマタイヤで参戦

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 12月14日午前、ツインリンクもてぎでHondaが来季のGT500クラスに投入するNSX-GTの走行テストを実施。それに合わせて2チームの参戦体制発表会が行われた。年が変わる前の体制発表は異例と言えるが、Hondaのタイトル奪回に向けた強い想いが感じられた。

 

 この日のもてぎは、霧雨が舞う生憎のコンディション。テスト前にということで、午前8時20分という早い時間での記者会見となった。
 すでにNo.15 Drago Modulo Honda Racingの撤退が発表され、最終戦もてぎでの来季型新型車両発表会で、本田技研工業株式会社の山本雅史モータースポーツ部部長が「2017年もGT500クラスの5台体制は変わらず。年内に新チームをお知らせします」と語った通りに、この日に注目の新チームがお披露目となった。

 

 

 この新チームは、2014年(GT300クラス)以来の復帰となるTEAM MUGEN。ゼッケンも以前使用した16を使用する予定だ。ドライバーはDrago Modulo Honda Racingでエースを務めた武藤英紀、そしてNAKAJIMA RACINGから中嶋大祐を迎え、2012年にGT300にCR-Zをデビューさせた時のコンビが復活。そして、タイヤはHondaのチームでは久々となるヨコハマタイヤを装着する。監督は手塚長孝氏、エンジニアは同チームのスーパーフォーミュラなどでデータエンジニアを担当してきた高橋基久エンジニアが担当する。

 

 

 また、中嶋大祐が抜けることとなったNo.64 NAKAJIMA RACINGも合わせて新体制を発表。こちらはAUTOBACS RACING TEAM AGURIから松浦孝亮が移籍し、ベルトラン・バゲットとの新コンビを結成。タイヤは、引き続きダンロップでの参戦となる。監督は中嶋悟氏が、チーフエンジニアはGT500/GT300で数々のマシンを手掛けてきた杉崎公俊氏が務めることになった。

 

 会見の冒頭でHondaの山本部長は、TEAM MUGENでのヨコハマタイヤ使用に関しては「戦略を拡げるため。どうしても勝ちたい、という気持ちの表れ」とチャンピオン獲得への意欲と語り、ダンロップタイヤを装着するNAKAJIMA RACINGに対しても「タイヤ開発を続けて、ぜひ優勝してほしい」ともコメントしている。

 

 

 両チームの来季型車両の走行テスト走行は午前10時から実施されたが、コースは生憎のウェットコンディション。気温8度/路面温度10度と冷え切った状況となった。このため、本来のメニューを消化することは難しかったようで、まさにシェイクダウン、クルマの挙動を確認する程度に留まったようだ。なお、この後、午後にも2時間の走行セッションが予定されている。

 

 

■発表会参加者のコメント

 

 

本田技研工業株式会社 モータースポーツ部 山本雅史部長

「今シーズンは悔しい結果に終わりました。Hondaとしてクルマをちゃんと開発しきれなかったということでチームにも迷惑を掛けてしまいました。そこで来シーズンこそは『勝ちに行けるようクルマを開発していきたい』『そしてチーム体制を構築していきたい』と思っています。それもあって今日、シェイクダウンする2台のチーム体制を(先行して)発表します。残る3チームに関しては、年が明けてから発表できると思います」

 

 

No.16 TEAM MUGEN
 

武藤英紀
「来年はTEAM MUGENに移籍することになりましたが、このチームでは2012年から2013年にかけてCR-ZでGT300を戦い、2013年にはチャンピオンを獲ることができました。その名門がGT500に復帰するに当たって、(僕が)呼ばれたことはとても光栄です。隣にいる(中嶋)大祐とは以前、TEAM MUGENでコンビを組んでいたこともあり、懐かしい気持ちもあります。新しくヨコハマタイヤを装着することで未知数な部分もありますが、課題をひとつひとつクリアしていけば、必ず自分たちが望んでいる結果に辿り着くことができると信じています」

 

中嶋大祐
「4年間NAKAJIMA RACINGで走ってきて、そこから移籍することは最初寂しい気持ちもありました。しかし、TEAM MUGENは自分がSUPER GTにデビューした時のチームで、昨日、チームウェアに袖を通した時『帰って来たな』と懐かしい気持ちになりました。チームとしては久々のGT500で、しかも新しくヨコハマタイヤを履くということで、(体制を)ひとつひとつをキチンと組み立てて行く必要はありますが、皆と協力して強いチームをつくっていきたいと思っています」

 

手塚長孝監督
「TEAM MUGENとしては、2012〜14年にCR-ZでGT300に参戦していた時以来2年ぶりの参戦となります。GT500に新しく登場するNSX-GTで参戦することは、大きなチャレンジだと思っています。その中、武藤選手と中嶋選手、経験のあるドライバーを迎えることができたことは、とても頼もしく思っています。チームスタッフは、今シーズンもSUPER GTなどを戦ってきたベテランに加えて、新しく若いスタッフもいるので、上手く力を合わせて良いシーズンにしたいです」

 

 

No.64 NAKAJIMA RACING
 

松浦孝亮
「正直に言って(NAKAJIMA RACINGで走ることを)イメージしていなかったのですが、新しい環境でクルマやタイヤを開発する仕事に、今はわくわくしています。中嶋監督は、僕がSRS-F(鈴鹿サーキット・フォーミュラ・レーシングスクール)に入校した時の校長先生で、それ以来ずいぶんお世話になってきました。コンビを組むことになったベルトラン(バゲット)は、僕と同様インディカーの経験がある。新たな環境ではありますが、このチームには随分親近感がありますね」

 

ベルトラン・バゲット
「HondaとNAKAJIMA RACINGと4年目のシーズンを迎えることができ、嬉しく思っています。引き続きダンロップタイヤでの挑戦となりますが、開発を続けて“絶対に勝ちたい”と思っています。新しくチームに加わった松浦さんは経験豊富なドライバーなので、我々に力を与えてくれると信じています。来季も全力を尽くしてがんばるので応援してください」

 

中嶋悟監督
「2016年は、我々にとって楽しいシーズンではありませんでした。でも、こうして(年内に)来シーズンの体制を発表できるなんて、自分のキャリアの中でもなかなかありません。それほど(Hondaも)気合が入っていると理解していただければ、と思います。松浦選手はSRS-Fの卒業生で、いろいろ経験を積んで(私の下に)戻ってきてくれた、と感じています。その経験で我々のチームをもっと強くしていってほしい。(最近は)表彰台の一番高いところに立てていないので『来年こそはぜひ優勝したい』と思っています」

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