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Race Report
2017.08.27
Rd.6 決勝GT300:巧みなレース戦略でLEON CVSTOS AMGが終盤に逆転して勝利を掴む

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第6戦 鈴鹿サーキット : 決勝 GT300レビュー

8月27日午後、2017 AUTOBACS SUPER GT第6戦「46th INTERNATIONAL SUZUKA 1000km」の決勝レースが鈴鹿サーキット(三重県)で行なわれた。今年で最後となる鈴鹿の1000kmレースで、GT500クラスはNo.64 Epson Modulo NSX-GT(松浦孝亮/ベルトラン・バゲット)がSUPER GTでは2007年以来の優勝。GT300クラスは、No.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥)が優勝を飾った。

 

□決勝  天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:30度/47度>中盤:32度/45度>終盤:29度/36度

 

 

■VivaC 86 MCがリードするもLEON CVSTOS AMGが大胆な作戦で対抗

 決勝日は早朝から晴れ間が拡がる暑い一日となった。レーススタート前に路面温度は50℃近くまで上昇、長くタフな戦いが繰り広げられることになった。

 最後の“鈴鹿1000km”と言うこともあり、4万5000人もの大観衆が見守る中、午後0時30分に予定通り、警察車両に先導されてのパレードラップが行われる。その後1周のフォーメーションラップを経て、決勝レースがスタート。なお、直前にトラブルが発生したNo.7 Studie BMW M6(荒聖治)はピットスタートとなった。
 1周目はポールポジションのNo.25 VivaC 86 MC(山下健太)をリーダーに第1コーナーへ。これにNo.18 UPGARAGE BANDOH 86(中山友貴)、No.5 マッハ車検 MC86 GTNET(坂口夏月)とマザーシャシー勢3台がトップグループを形成。その後方ではNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(片岡龍也)をかわしたNo.51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3(中山雄一)を先頭にした2番手集団が続く。ここで意外な動きを見せたのがNo.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤治樹)。オープニングラップを終えただけでピットに直行。給油もタイヤ交換もなく、ドライバーは蒲生尚哉に交代。ピットインのタイミングをずらすとともに、周囲に誰もいないクリアーなところでペースを上げて行く、実質的な4回ピット/5スティントの作戦だった。もちろん各チームは、この作戦も検討はしていただろう。1周目ではないものの、トップグループの一角につけていたNo.5 マッハ車検 MC86 GTNET(坂口夏月>藤波清人)や前回のウィナーであるNo.55 ARTA BMW M6 GT3(ショーン・ウォーキンショー>高木真一)など、数台のマシンが10周までに最初のピットインを行っていた。
 一方、トップグループの残る2台、No.18 UPGARAGE BANDOH 86は27周目に、No.25 VivaC 86 MCは31周目に最初のルーティンピットを行い、それぞれ中山から川端伸太朗に、山下から松井孝允へとドライバー交替している。ともに1000km/173周のレース距離(GT300の場合は160周前後と予想される)を6等分したもので、正攻法の作戦と言える。その一方で軽量なマザーシャシーのアドバンテージを活かして、1回のタイヤ交換で2スティントを走り切る作戦も使ってみせた。

 

 

■最後のスパートでLEON CVSTOS AMGが逆転! 一方VivaC 86 MCは悲劇が…

 暑くてタフなコンディションが災いしたかアクシデントも少なくなかったが、GT300のトップが42周を走行中と、88周目を走行中、2度のタイミングでセーフティカーが導入され、それがレース展開を左右することになった。1回目のセーフティカーはGT300クラストップの18号車(川端信太郎)の40周目。No.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一)がピットインしようしたところに、No.3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹)が追突する。これでスピンしてイン側のガードレールにクラッシュした55号車は、コース上にストップして動けなくなる。これでトップを行くマザーシャシー勢のマージンはリセット。さらにトップ18号車(川端)の89周目に、130Rで16番手のNo.31 TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀)がクラッシュ。これで2度目のセーフティカーとなる。この直後、18号車のステアリングにトラブルが発生。ペナルティ覚悟で閉鎖中のピットに戻ることになった。セーフティカー中に修理を終えるが、当然ペナルティも受け、18号車は優勝争いからは脱落した。
 レース終盤はNo.65 LEON CVSTOS AMGとNo.25 VivaC 86 MCが、ピットインの度にトップを入れ替える展開となった。ただしタイヤ無交換でピットでの作業時間を短縮していた25号車が15秒程度のマージンをキープしていた。
 そして127周目に実質トップのNo.25 VivaC 86 MC(山下>松井孝允)が、131周目に同2番手のNo.65 LEON CVSTOS AMG(黒澤>蒲生尚哉)が5回目のピットインを終え、最後の勝負となる。ここで、気温が下がったコンディションにタイヤが合わなかったのか、25号車のペースがダウン。一方、65号車の蒲生が猛然とチャージすると、その差は見る間に詰まっていく。

 

 

 残り10周ほどで両者はテールツーノーズのバトルとなる。勢いに勝るNo.65 LEON CVSTOS AMGの蒲生は、150周目の第1コーナーでNo.25 VivaC 86 MC(松井)をパス。ついにトップを奪い取った。結局、このままゴールしたNo.65 LEON CVSTOS AMGが昨年の開幕戦岡山以来の優勝を手にした。一方、2番手でレースを終えるかに見えた25号車は残り4周目の逆バンクでコースアウト。この時、マシンが裏返しになるクラッシュをしてしまい、2位18ポイントをふいにしてしまった。
 その2台のトップ争いの後方では、JLOCのランボルギーニ2台が激しい表彰台争いを演じる。結局、88号車が前となり、25号車のクラッシュもあって、2位はNo.88 マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴/山西康司)、3位はNo.87 ショップチャンネル ランボルギーニ GT3(細川慎弥/佐藤公哉/元嶋佑弥)と、揃って表彰台に上ることになった。
 ドライバーズランキングでは、今大会優勝のNo.65 黒澤/蒲生組が52ポイントとしてトップに立った。トラブルもあって、このレースはノーポイントとなったNo.4 グッドスマイル初音ミクAMGの谷口信輝/片岡龍也が2ポイント差で2位。結局ポールポジションの1ポイントだけに終わったNo.25 松井/山下組が10ポイント差で3位となっている。

 

 

 

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