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2018.02.26
【2018年SUPER GTルール改定のポイント】今季はスタート隊列を厳格化

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  今シーズンの開幕(岡山 4/7-8)まで約1ヶ月となり、開幕戦へのカウントダウンが始まった。すでにチームやメーカーによるテストも回数を重ね、本番への準備に余念がない。一方で、先日はSUPER GTを運営するGTアソシエイション(GTA)と今季参戦エントラント(チーム)、主催サーキット等が一堂に会し、レギュレーション(規則)の確認などを行った。

 

 レギュレーションとはSUPER GTを開催する上での『ルール』であり、これに基づいて大会、競技が行われ、何かことが起こればこれに基づいて判定が下される。当然、各チーム&ドライバーもこれを理解した上で、レースでの作戦を考えるわけだ。その大事なレギュレーションだけに、GTAは前年や新シーズンの状況を考慮し、毎年のように改定、見直しを図っている。ファンもレギュレーションの主要ポイントを知っておけば、SUPER GTがさらに楽しく、ディープに観戦できるだろう。
 今回は、レギュレーションの中でもスポーティングレギュレーション(SpR・競技規則)の変更、その中でもファンにも注目してもらいたい3点をご紹介しておこう。

※下記の文章は2018年スポーティングレギュレーションを簡易に解説したもので、規定そのものでも、GTAの公式説明でもありません。
 正式な内容が必要な場合は、正規のスポーティングレギュレーションをご確認ください。

 

 

GT500クラスのリストリクター値の変更

   

第23条 ウェイトハンディ制

 GT500クラスのウェイトハンディ制は、昨シーズンから累積ウェイトによって4段階に分けられ、それに対応した数値の燃料流量リストリクターの適用が実施されている。これは実際に積むウェイト(オモリ)を50kgまでにして、車両重量の増加による危険性を避け、一方でウェイトハンディ制の有効性を高めるためだ。
 今季も4段階による調整は変わらないが、累積ウェイトが50kg以上になった場合の燃料流量リストリクター制限がより厳しくなった。これは、昨年型以上の性能向上が予想されるGT500クラス車両に対し、競技性を損なわず安全で公正なレースを行うための変更といえる。

 

○GT500クラスの燃料流量リストリクター数値

課されたウェイトハンディ 0〜50kg 51〜67kg 68〜84kg 85〜100kg
車載ウェイト 0〜50kg 34〜50kg 34〜50kg 35〜50kg
燃料流量リストリクター 95.0kg/h 91.8kg/h 88.6kg/h 85.5kg/h
昨年の数値 95.0kg/h 92.4kg/h 89.8kg/h 87.4kg/h

 

 

予選の走行時間、GT300クラスの組み分け

   

第29条 プラクティスセッション(及び付則-7 ノックアウト予選方式の実施細則)

 GT300クラスの台数増加等に伴い、今季はノックアウト予選のQ1で組分け方式(A組、B組)を採用する場合がある。基本は従来通りの全車によるQ1となるが、開催サーキットによっては組み分け方式を採用することが可能となった。組み分けの有無は、大会前にGTAより発表される。
 組み分けされる場合は、前大会の競技結果成績(チーム順位)に基づき、奇数順位がA組、偶数順位がB組となる。チーム順位が決まっていない状況などでは、GTAがこれまでの結果を考慮して決める。Q1のA組の上位7台、B組の上位7台、計14台(組み分けなしの場合と同じ)がQ2に進出できる。
 また、組み分けの有無に関わらず、今季はノックアウト予選の実施時間が変更となる。Q2の走行時間は、昨年まではそれぞれ12分間だったが、今季は10分間と短くなった。

 

●GT300クラスの組み分けがない場合

Q1 GT300
(15分間)
インターバル
(5分間)
GT500
(15分間)
インターバル(10分間)
Q2 GT300
10分間)
インターバル
(8分間)
GT500
10分間)

●GT300クラスの組み分けがある場合

Q1 GT300 A組
(10分間)
インターバル
(5分間)
GT300 B組
(10分間)
インターバル
(5分間)
GT500
(10分間)
インターバル(10分間)
Q2 GT300
10分間)
インターバル
(8分間)
GT500
10分間)

 

 

決勝スタート時の隊列の厳格化と制限速度

  

   

第32条 スタート手順

 そして、決勝レースのスタート手順に若干の変更、と言うよりルールが厳格化するような補足が行われた。決勝レースのスタートは、レース結果に影響する重要なポイントだけに、各ドライバー同士の駆け引きが行われている。それは見どころでもあるのだが、少々行き過ぎる場合もあり、レースの安全性・公正性がスポイルされる状況を回避するためだ。
 今年のスタート手順においては、フォーメーションラップの後半にコースサイドでグリッドボードが提示(2列の隊列形成の指示)され、レースのスタート合図(グリーンライト点灯)が出るまでは、ポールポジション車両の先導で80〜90km/hで走行し、加減速をすることは禁止となった(GT300クラスの隊列も同様)。また、昨年まではレースのスタート時にだけスタート合図が出されていたが、今年からはGT300クラスにもスタート合図(グリーンライト再点灯、国旗の振動提示等)が出されることとなった。
 また、GT500、GT300両クラスともストレート上ではスタート合図が出るまでの間は、2列縦隊を形成したまま、各車が発進した際のグリッドの枠から横にはみ出さないよう進まなければならない。

 

 このように基本のスタート方式は変わらないが、グリッドボード提示後の加減速禁止や2列縦隊をしっかり維持することが徹底されることになる(フォーメーションラップスタートからグリッドボード提示までの間は、クルマを横に大きく振るウィービング走行によりタイヤを温めることは可能)。

 

 2018年スポーティングレギュレーションの主な改定は、以上の通りだが、これ以外にも細かな改定がいくつもある。それは、より安全性を高め、競技の公正性を保つために変更されたものだ。

 約1ヶ月後に迫った開幕戦・岡山。開幕までは、各チームの参戦情報やテスト状況などを楽しむと共に、この今季の規則変更によるシミュレーションで楽しんでみてはいかがだろうか。

 

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