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Race Report
2018.03.17
【公式テスト岡山・1日目】LC500とNSX-GTが拮抗!! WAKO'S 4CR LC500が初日トップ。GT300はHOPPY 86MCが最速に

【公式テスト岡山・1日目】LC500とNSX-GTが拮抗!! WAKO'S 4CR LC500が初日トップ。GT300はHOPPY 86MCが最速にの画像

公式テスト・岡山国際サーキット 3月17日(土)

2018 AUTOBACS SUPER GTのシーズン開幕を3週間後に控えた3月17日、晴天に恵まれた岡山国際サーキットで今年最初となるSUPER GT公式テストが始まった。初日は午前と午後、それぞれ2時間ずつのセッションが2回行われ、各チームは開幕戦に向けての走り込みを行っていた。

 

◎走行1回目 09:50-11:50
 天気/晴れ 路面/ドライ
 気温/5℃〜8℃ 路面温度/10℃〜23℃(開始時は5℃/10℃)

◎走行2回目 14:00-16:10(15:50-16:00はGT300専有走行、16:00-16:10はGT500専有走行)
 天気/曇り 路面/ドライ
 気温/12℃〜13℃ 路面温度/23℃〜27℃(開始時は12℃/27℃)

 

 

午前はKEIHIN NSX-GTが去年の予選最速タイムを上回るタイムを記録

 昨年11月に最終戦もてぎが行われてから4カ月。長かったオフも終わり、いよいよ待ちに待ったシーズン開幕が近付いてきた。この間も自動車メーカーやタイヤメーカーのテストなども行われたが、今季参戦の全車が揃う公式テストは今年初となる。開幕を待ち望んでいるファンにとっても、久々にSUPER GTマシンの走りが見られるとあって大いに盛りあがっていた。
 その一方で、チームにとっても全チームが一斉に走行するために、相対的な力関係が図れる機会となる。そして「SUPER GTではいいタイヤを選んで、それを上手く使うことが必須。オフのテストでクルマのセッティングなどいろいろトライしてきましたが、公式テストは実際にレースを行うサーキットで走り込むことができるから、ベストと思われるタイヤを選んで確認することが重要です」とあるチームの技術担当が語るように、このテストはタイヤの確認が最重要のようだ。

 午前のセッションは午前9時50分から。待ち望んだファンがコースサイドで見守る中、各車がコースイン。プライベートのテストでは昨年の王者LEXUS C500勢が今年も速いと言われたが、午前はLC500勢とHonda NSX-GT勢が上位を分け合う。そしてセッションも大詰めとなったところでNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)がベストタイムを更新。去年の予選Q1トップタイム(No.38 ZENT CERUMO LC500の1分18秒521。Q2は中断があってタイムは伸びず)を上回る1分18秒472を記録し、これが午前のトップとなった。2番手以下はNo.19 WedsSport ADVAN LC500(国本雄資/山下健太)、No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)、No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/小林可夢偉)とLC500とNSX-GTが交互に続き、NISSAN GT-R NISMO GT500勢では10番手のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)がベストリザルトだった。

 

 

午後の占有時間にWAKO'S 4CR LC500がレコードタイムを上回る

 午後2時から始まったセッション2回目。その前半は各チームともレースセットを詰める作業をしたのか、長い周回を重ねていく。それもあってか午前にNo.17 KEIHIN NSX-GTがマークしたタイムはなかなか更新されない。
 だがセッション最後のクラス専有走行(10分間)でNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也。フェリックス・ローゼンクヴィストはこのテストは欠場)が午前のベストタイムを更新。これは岡山国際サーキットのGT500コースレコード1分18秒126(2016年No.37 KeePer TOM'S RC F/平川亮)を上回る1分18秒017というスーパーラップだった。もちろん、これが初日の最速タイムだ。No.17 KEIHIN NSX-GTも小暮がラストアタックを行い、午前のチームベストを更新する1分18秒234で、総合2番手を堅持。今年のNSX-GTが侮れない速さであることをアピールした。

 一方、午後のセッションでもGT-R勢は、下位に甘んじることになった。ただし車両開発も担当するNISMOの鈴木豊監督は「皆さん、昨年最終戦の予選タイムが記憶にあって、それに比べてどうこうと思われるのですが、あれはもうロニー(クインタレッリ)のミラクルなドライビングの結果。2度と再現できないってロニーも言っていました(苦笑)。それはともかく特に悲観している訳ではありません。確かにポジション的には(GT-R勢が)下位に固まっていますが、タイム差は僅か。去年のテストや開幕戦に比べると…。ポジションが悪いだけでなく、タイム差も大きかったですからね」と、深刻さはない。今日の午後は、トップタイムの6号車からGT-R最速の7番手No.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー)の差は、わずか0.444秒差。1秒間に13台がひしめく大混戦だけに、この結果がそのまま開幕戦の様相になるとは思えない。

 

 

 

 

 

GT300トップは岡山得意のHOPPY 86 MC!これにHitotsuyama Audiが続く

 Honda NSX GT3やNISSAN GT-R NISMO GT3の2018年型など、今年もニューモデルが注目のGT300クラスだが、初日はマザーシャシー勢(MC)が猛威を振るうこととなった。

 午前のセッションはNo.55 ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー)がトップにつけた。タイムを出した高木は「走り始めのコンディションにたまたまタイヤがあっていただけ。後はずっと遅かった(苦笑)」とのこと。

 午後のセッションではNo.25 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井翔)が2番手に0.204秒差をつける1分25秒328を記録して、初日最速となった。
 エンジニアも兼任する25号車の土屋武士監督は「(カラーリングがなくて)クルマが一新されたように見えますが、実はカッティングシートを剥がしただけでアップデート費用は0円(苦笑)。でもクルマもドライバーも、そしてチームも去年の1年間で大きく成長できた。(ベストタイムは)その結果です」と力強くコメント。そして「(今季タイトル争いでは)55号車(ARTA BMW M6 GT3)と61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT)、そして31号車(TOYOTA PRIUS apr GT)をマークしています。中でも最も手強いのは55号車。パッケージングとして素晴らしいし、去年、初めてドライブしたショーン(ウォーキンショー)が初めて乗ってあれだけ速かったから、1年で成長したと考えると…」と分析。さらに「JAF GT勢、マザーシャシーの中では、圧倒的な強さと速さで、ライバルを突き放したい」と強気にコメントしてくれた。

 

   

 

 

岡山ファン感謝デーと併催で楽しいイベントも盛りだくさん

 このSUPER GT公式テストは岡山国際サーキットのファン感謝デーも併催され、オープンピットもパドック入場も無料。また体験走行(有料)などファンが楽しめる催しも盛りだくさん。2日目も午前と午後に1回ずつ2時間のテスト走行に加え、午後の走行開始に合わせてスタート練習も予定されている。もちろんオープンピットや体験走行も行われる。詳しくは岡山国際サーキットの公式サイトで確認してほしい。

ファン感謝デー&SUPER GT 2018 公式テスト(http://www.okayama-international-circuit.jp)

 

 

 

 

GT500クラス・トップタイム

大嶋和也(No.6 WAKO'S 4CR LC500)

今回は相方(フェリックス・ローゼンクヴィスト)が欠席で、僕1人で2日間走り込むことになっています。(1人で)多くの周回数を走れ、普段のテストでは出来ないような違ったセットなどもトライできました。その中で、いいものもいくつか発見できて、タイムに繋がりました。ただ最初の(アタック)タイムもそこそこ速かったので、それでやめても良かったんですが、時間があるからもう1周、さらにもう1周と走ったらどんどん速くなっていきました(苦笑)。でもベストラップをマークした時も、細かなミスもあったし、もっと行けるところもあって、ベスト(のセクタータイム)を繋げたら、もうコンマ2、3秒はアップできたと思います。
クルマは去年から速かったのですが、今年仕様にアップデートして、さらに乗りやすくなりました。ただライバルがどうなのか? GT-Rは良く分からないし、NSX-GTはやはり速かったし…。でも最初の公式テスト初日にトップタイムをマークできて、いい流れでシーズンに臨むことができますね。

 

GT300クラス・トップタイム

松井孝允(No.25 HOPPY 86 MC)

(初日の)トップタイムをマークできて、もちろん嬉しい気持ちはありますが、特にタイムを狙っていたわけではないです。チームのメニューに沿ってタイヤを確認して行く中で、出たタイム。もちろん、アタックしているので攻めた走りだったのですが“タイムを出すことでタイヤを確認する”というメニューでした。オフにはメーカーテストで1回走っていますが、公式テストでは「より本番に近いコンディションで走ったらどうなるか?」の確認も大きな課題でした。タイヤ的には少し気になるところもありました。それがクルマのセットの問題なのか、それともドライビングの問題なのか。元々テストなので、タイヤに大きな負荷を掛けてドライブしているので、本番に向けどう補正するか? 明日ももう少しテストしたいですね。

 

 

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