3月18日(日)、この日も穏やかな天候に恵まれた岡山国際サーキットでSUPER GT公式テストの2日目(最終日)が行われた。午後に入って雲が拡がったものの、コースは終日ドライコンディション。この2日間は公式テストと共に、同サーキットのファン感謝デーも併催され、日曜の今日はさらに多くのファンが詰めかけていた。
◎走行1回目 09:00-11:10(09:00〜09:10はSC訓練) 天気/晴れ 路面/ドライ
気温/7℃〜14℃ 路面温度/11℃〜24℃(開始時は7℃/11℃)
◎走行2回目 13:30-15:50(13:30-13:45はスタート練習。中断のため5分延長) 天気/曇り 路面/ドライ
気温/15℃ 路面温度/20℃〜23℃(開始時は15℃/23℃)
午前は前日に続きKEIHIN NSX-GTがトップタイム。この日の最速となる
公式テストも2日目を迎え、マシンが仕上がってきたのか、多くのチームはタイムを出すより、レース想定のセットを詰めているようだ。長い周回を繰り返してはタイヤを確認する様子がうかがえた。セッション後半にNo.19 WedsSport ADVAN LC500(国本雄資/山下健太)が最終コーナーのコースサイドにストップ。赤旗が提示されて走行中断となる。エンジンにトラブルがあったようで、コースにオイルが撒かれてしまった。それでも、トラブルに気付いた国本が速やかにマシンを止め、岡山国際サーキットのオフィシャルが迅速な処理作業を行い、中断は12分間に留まった。この後、19号車は速やかにエンジン換装を行い、午後の走行の早い段階でテストを再開することができた。
午前のセッションではNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/小暮卓史)が、大半の時間でトップをキープ。そして中盤に小暮が1分18秒177を記録し、これが午前のトップタイムとなった。そしてNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン)のバトンが好走を見せ、1分18秒256で2番手とNSX-GTがワン・ツー。3番手には昨年の王者、No.1 KeePer TOM'S LC500(平川 亮/ニック・キャシディ)がつけた。また、No.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー)が4番手に入り、GT-R勢も侮れないことを示した。
午後はカルソニック IMPUL GT-Rがトップ。MOTUL AUTECH GT-Rも3番手に
午後のセッション冒頭は、初日の総合タイム順のグリッドでスタート練習が行われた。ポールポジション役のNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也。本日もフェリックス・ローゼンクヴィストは欠席)とNo.25 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井翔)が各々のポジションに向かう。さらに岡山県警察の白バイ隊の協力もあり、本番さながらの練習ができたようだ。今年も開幕戦のパレードラン&クリーンで迫力あるスタートが楽しみである。
このスタート練習からそのままテスト走行に突入。全体的には、午前と同様にレースのシミュレーションをするチームが多く、結果的には午前のベストタイムを上回るチームが現れることはなかった。
だが、午後の注目はGT-R勢だ。昨日のタイムではあまり目立たなかったが、この午後はNo.12 カルソニックIMPUL GT-Rが1分18秒542のトップタイムを記録。佐々木は「いいタイヤも見つかったし、結果的にいいテストになりました」と安心した様子だった。3番手にはNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)も付け、初日の走行後に「別に悲観することはない」とNISMOの鈴木豊監督が語ったように、レースに強いGT-Rを予感させた。とは言え、2番手にはKeePer TOM'S LC500、4番手はNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/伊沢拓也)と上位を3車種が分け合い、トップから1秒以内に12台がひしめく状況となった。
シンティアム・アップル・ロータスがこの日最速も午後はBRZが躍進
GT300クラスでは、この日もマザーシャシー(MC)勢、JAF-GT300勢の速さが目立った。午前のトップタイムをマークしたのはNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規)で、初日最速だったNo.25 HOPPY 86 MC(松井孝允/坪井翔)を上回る1分25秒584を記録。2番手には25号車とMC勢がワン・ツーに。
午後にはJAF-GT300のNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が1分26秒082でトップとなり、No.5 TEAM MACHのTOYOTA 86 MC(坂口夏月/藤波清斗/平木湧也)が続く。3番手の昨年王者No.0 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)はテストメニューを順調に終えたと言うことで、走行時間の終了を待たずに撤収作業に入った。
また、昨日クラッシュしたNo.48 植毛GT-Rは、この日は走らず。No.52 埼玉トヨペットGreenBraveマークX MCは午後の走り出しでトラブルに見舞われ、結局タイムを出せずに終わった。
注目を集めているHonda NSX GT3のNo.34 Modulo KENWOOD NSX GT3(道上 龍/大津弘樹)とNo.777 CARGUY Racing NSX GT3(横溝直輝/木村武史)、NISSAN GT-R NISMO GT3の今季型のNo.10 GAINER TANAX triple a GT-R(星野一樹/吉田広樹)とNo.11 GAINER TANAX GT-R(平中克幸/安田裕信)のニューマシンだが、この岡山テストは少々苦戦しているようだ。セッティングの幅の少ないGT3だけに、すでにノウハウを積み上げているライバルとの差をいかに縮めるか? 道上は「できることが限られているから苦しいですね」と渋い表情。だが、来週には公式テスト富士もあり、タイヤも含めた細かなセッティングの引き出しが増えれば、上位も見えてくるはず。彼らの今後にも注目だ。
テスト以外に岡山ファン感謝デーのイベントも盛り上がる
岡山国際サーキットのファン感謝デーでもあったこのSUPER GT公式テスト。オープンピットではSUPER GTの場内アナウンサーとしてお馴染みのピエール北川さんがマイクを持ってピットのあちこちに足を運び、ドライバーに突撃インタビューをしてファンを楽しませていた。
この岡山国際サーキットでSUPER GTマシンが走るのは、4月7、8日の今季開幕戦「OKAYAMA GT 300km RACE」になる。その前の来週末24、25日は開幕前最後の公式テストが富士スピードウェイで行われる。期待の高まる開幕まで、もうすぐだ!
≫ 2018 SUPER GT 公式テスト | 富士スピードウェイ(http://www.fsw.tv)
≫ 【公式テスト富士】エントリーリスト/タイムスケジュール/ピット割
小暮卓史(No.17 KEIHIN NSX-GT)
流れ的にもタイム的にも、本当にいいテストになりました。このところ、安定して好タイムをマークできるようになってきましたが、これは大きなアイディアが見つかったからではなく、小さなアイディアを一つずつ積み上げてきた結果。このオフだけでなく、昨年1年間の成果も含めて、チームとして成長できた結果だと思っています。
今回のテストでは一発のタイムは悪くなかったのですが、レース想定ではなかなか安定した好タイムを出すことができませんでした。でも、それはいろいろなセットをトライしていたためでもあります。このいいセット、いい部分を組み合わせて行けば、シリーズで必ずいい結果に結びつけることができると思っています。開幕戦に向けては、この後の富士テストで細かなチェックをします。今日のデータから開幕戦ではいいセットで持ち込んで、この勢いをそのまま、優勝したいですね。
加藤寛規(No.2 シンティアム・アップル・ロータス)
トップタイムなんですか? 正直言って今日はポジションとかタイムとかはあまり気にせず、用意したメニューを着実に消化していくことを考えて進めてきました。結果的にやらなきゃいけないメニュー、用意したメニューをすべて消化できて、そのなかでいいセット、そしていいタイヤも見つけることができました。そのうえでベストタイムなら言うことないですね(笑)。
マザーシャシーが有利だと(FIA GT3勢から)言われているようですが、サーキットが変わったらまた別の展開になると思いますよ。逆に僕ら(MC勢)は、この岡山で速くなければ困るというくらい、得意なコースですからね。でも、一発のタイムは良かったのですが、レースの状況ではGT3の方がまだまだ優位じゃないかな。でも開幕戦では何とかして前で走りたいですね。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI | |
12/07-08 | Round5 SUZUKA |