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2018.06.23
新技術規則「CLASS 1」最終版をGTAとITRが公開。来季からDTMが採用し、日独での交流戦も開催

新技術規則「CLASS 1」最終版をGTAとITRが公開。来季からDTMが採用し、日独での交流戦も開催の画像

 6月23日、ドイツツーリングカー選手権(DTM)の統括団体であるITR(ゲルハルト・ベルガー会長)とSUPER GTを運営する株式会社GTアソシエイション(GTA/坂東正明代表)は、DTM第4戦が開催されるノリスリンク(ドイツ)で共同会見を行い、両者が進めていた共通の技術規則「CLASS 1(クラス・ワン)」の完成版を公開した。ベルガー会長は、GTAとITRの協力体制により完成したCLASS 1規則を「世界のモーターレーシングの金字塔」と表現した。
※トップ写真:互いに署名したCLASS 1規則書を交換するベルガーITR会長と坂東GTA代表

 



CLASS 1規則完成版の発表を行うベルガー会長と坂東代表

 


 これにより、2019年シーズンからDTM車両はCLASS 1規則に100%合致した車両でレースを実施。SUPER GTのGT500クラスも、モノコック設計が変更タイミングの2020年より同規則に準拠した車両でレースを行うことになる。なお、DTMはスプリントで、SUPER GTはセミ耐久とレースフォーマット(方式)が異なるため、SUPER GTではシリーズの特徴と魅力に配慮した若干の変更は行われる。

 

 また、日本とドイツ、そして世界のレースファンが待望するSUPER GTとDTMの交流戦についても、この会見で語られた。早ければ、2019年にこの時点の車両(性能調整あり)で行い、ヨーロッパとアジアで各1回を開催。さらに2020年以降の交流戦は両シリーズの車両共にCLASS 1規則に100%合致した車両で行われるとされた。

 

 CLASS 1規則は、GTAとITRの間で協議が続けられ、SUPER GTのGT500クラスでは2014年車両よりDTMと共通のモノコック(製造は国内メーカー)や共通パーツを採用。その後もエンジンはそれぞれ別の形式だったが、完成版ではSUPER GTが先行採用した2リッター4気筒直噴ターボに統一されることになった。この規則では“安全性”“コスト低減”“平等な機会”を大きな柱として策定され、今後のモータースポーツ車両規定のひとつの礎となるだろう。
 


昨年のSUPER GT最終戦ではDTM車両とGT500車両による交流デモランが行われた
 

 

 ベルガー会長は「坂東代表そしてCLASS 1規則に取り組んだ皆さんに感謝申し上げます。DTMとSUPER GTの最終目標である”共同でのレース開催“に向けて非常に大きな一歩を踏み出したことを大変うれしく思っております。私たちは常に『安全性、コスト低減、平等な機会』を最優先事項として重視して参りました。この理念はCLASS 1規則の基礎であり、これからも変わる事はありません。2019年から新規則を完全採用するDTMは、自動車マニュファクチャラーにとって魅力的なプラットフォームであり続けることをお約束します」と感謝に加え、DTMの将来と魅力を語った。

 


DTMを統括するITRのゲルハルト・ベルガー会長
 


 共に発表に臨んだ坂東代表は「SUPER GTとDTMが同じ目的を持って進めきたCLASS 1規則が、その詳細に至るまで完了し、発表を迎えることができました。ベルガー会長、マニュファクチャラー各社、関係各位のこれまでのご尽力に心からの感謝を申し上げます。同じパーツを使った車両によるレースがヨーロッパのDTM、アジアのSUPER GTとして行われるという、私たちが追い求めて来た理想に大きく近づき、そして交流戦が現実のものとなりました。昨年、両シリーズ車両によるデモンストレーションを日本とドイツで実施し、成功裏に終えたことからもわかる通り、私たちのコラボレーションは深化しております。2019年にここドイツと日本で、今度はデモンストレーションではなく、両シリーズの車両が競い合う交流レースを行います。両国の、そして世界のモータースポーツファンに、史上初の試みとなるレースをお楽しみいただくことができます。今後、両シリーズがともに発展して行くことを強く信じ、2019年のSUPER GTとDTMの交流戦を、今から待ち遠しく思っております」と、CLASS 1実現を喜ぶと共に、待望の交流戦への期待を述べていた。

 


SUPER GTの運営団体GTAの坂東正明代表

 

 

会場には多くメディアが訪れた

 

 

また会見後に行われたレース1の表彰式では坂東代表がプレゼンターを務めた

 

 

≫ 会見の模様はこちらから (ドイツ語/英語)

 

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