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2018.08.05
【GTA定例会見:Rd.5 富士】2019年日程やCALSS1、鈴鹿10Hに関して坂東GTA代表が答える

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第5戦 富士スピードウェイ:GTA定例記者会見

SUPER GTを運営する株式会社GTアソシエション(GTA)は、今季も国内各大会で定例記者会見を実施している。
第5戦決勝レースを前にした8月5日、坂東正明GTA代表が富士スピードウェイで日本モータースポーツ記者会(JMS)の代表質問や取材記者たちの質問に回答した。

 

 

■先日、来季のカレンダーが発表されましたが、その内容について変更点など教えてください。また、5月と9月に2イベントを開催し、インターバルが大きくとられているように思いますが、この辺りには何か狙いがあるのでしょうか。

坂東代表:
 来季のカレンダーだが、結果的に今年度とほぼ同じような形になった。スケジュール決定としては、まずは「3月に開幕戦ができないだろうか?」というところから始めた。それに先立つセパンのテストが、MotoGPのテストが入ったために遅れて2月の後半になった。その後、セパンからクルマを持って帰ってきて、3月に岡山もしくは鈴鹿での開幕を考えたが、事前の開発テスト、公式テストを考えると時間があまりない。テストの時間をしっかり取らないといけないだろう、ということもあって、4月の岡山の開幕戦となった。
 5月の富士については、例年多くの観客に来ていただいているだけに外せない。また6月に入ると、ニュルブルクリンク、ル・マン等(関わりのある海外大会)が行われるため、ブランパン、そしてACOとの協力体制を組みながら、日本だけでなく世界に対するスケジュール調整をやっていこうと考えている。それもあって6月は難しいと考え、やむなく5月中に鈴鹿となった。タイに対するロジスティックスも1か月弱が必要で、ここももう少し工夫をしたいところだが、海運の安全も考えての6月の末になる。

 シーズン後半、オートポリスは(同時期に)熊本でラグビーワールドカップがあるので、この日程に移行した。そして10月になるとどうしてもF1、WEC、MotoGP、さらに日本で行なわれるだろうWRCと、国内の国際大会を考慮する必要がある。そこでITR(DTM主催団体)と我々がジョイントイベントを、これから交流戦をこう呼びますが、やろうということで、この時期に飛行機でドイツへ行くという計画も入っている。そして日本に戻ってきて、最終戦をもてぎで行う。最終戦もてぎが終わった後に、日本にDTMを呼んでジョイントイベントを行うという予定。
 その中で過密スケジュールという事も当然ながら考えていかなければならない。全8戦のシリーズを行うが、チームの負担は当然ながら増えてくるので、イベントを減らすとか、稼働日数を減らすということも考えなければならない。他に各種テスト、レースウィークの実働時間も決めていきたいと思っている。モータースポーツ業界もメカニックたちの働き方改革を考慮していかなければいけない。当然ながらテストが減ると、タイヤメーカー、マニュファクチャラーにとっては大きな問題だが、みんながどこかでその過密スケジュールの負担を軽減することを考えていかなければならない。そう思い動いている状況だ、実際は、まだもう少しかかると思うが、努力していく。

 

 

■『CLASS 1』規定の完成がDTMのノリスリンク大会で発表されましたが、改めてこの意義を教えてください。また、記者会見でのドイツメディアの感触や、今後実現していくうえでの課題なども教えてください。

坂東代表:
 やっとCLASS1規定が出来上がり、これを使ってITRとヨーロッパとアジアでやっていこうということで合意した。CLASS1規定は、ヨーロッパにおいてはITR、アジア圏においては我々GTAが知的財産権を半永久的に所有するという形で、合意している。
 また、CLASS1規定は2030年まで使用を予定している。つまり、そのレースは2030年まで開催する可能性がある。そうなれば、チームもスポンサーへのアプローチで、マニュファクチャラーやタイヤメーカーもロングスパンで開発等を考えられる。皆、中長期的に経営方針やチーム運営ができる点でも、CLASS1導入のメリットがあることになる。
 このCLASS1はジョイントイベントから始まります。2019年については、SUPER GTとDTMの各車両に空力やエンジン等の違いがあるので、CLASS1+αという形で性能調整(BoP)をして行うことになるだろう。
 2020年には、双方CLASS1の規則でやれるような形を作りたいと、今論議をしている。このジョイントイベントについては、2020年以降は、基本的には毎年2戦もしくは3戦、2025年以降はイベントの数を増やし、ヨーロッパで2戦、アジアで2戦、アメリカで2戦を視野に入れて考えている。
 そのために、SUPER GTのシリーズ戦を3月もしくは4月から10月までに完了し、11月から2月までの間にジョイントベントができる環境を作りたい。まずはドイツで1戦、日本で1戦、これがアジア圏の中でもう1戦、ヨーロッパの中でもう1戦となってくるとマニュファクチャラーの参加も当然ながら大きくなってくると思う。
 6月にDTMのノリスリンク大会で行ったCLASS1の共同記者会見には40人以上のメディアの方が出席し、日本以上に、欧州ですごく良い反応があった。2030年まで使用する点と、互いが持つ知的財産権所有がはっきりした点を評価していただいたと思う。今後のジョイントイベントへの期待を充分に感じさせるものであったと思う。

 

 

■鈴鹿10時間耐久レース(鈴鹿10H)が今月末に迫ってきました。GT300に参戦しているチーム、ドライバーの参加はもちろん、GT500ドライバーの参加も大きな話題になってきています。GTAとして、鈴鹿10Hへの期待はいかがですか?

坂東代表:
 まず、昨日(参戦予定の)34号車がクラッシュしたのが心配だ。それでも、10日にNSX GT3がもう1台(海外工場のから)到着するということで「それを使うか、しっかり直して出られるような状況を作ります」と、ホンダの関係者が語ってくれたので、大丈夫だと思うし、ひと安心している。
 我々の知らないタイヤ(SUPER GTに供給していないピレリが指定タイヤ)で走るわけで、環境も違う。どんなレースになるのか、楽しみな面もある。アジアの、日本の、そして鈴鹿で行われるイベントという事で、世界からも注目を集めていると思うので、これを期にSUPER GTの在り方や考え方など、きちんとデータを得ながら来年に向けたビジョンを考えていきたいと思う。

 

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