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Race Report
2018.10.21
Race Day Report : 第7戦 決勝日レポート Part4

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【キャッチアップ02】
まさかの2ストップ作戦を敢行、その真意は?


 

2ストップの奇策を採って3位表彰台をもぎ獲ったNo.19 WedsSport ADVAN LC500。セーフティカーが出ることも想定し、しかもそれが作戦に有利に働いたうえ、ドライバーもチームも完璧な仕事をこなした。その19号車を走らせるLEXUS TEAM WedsSport BANDOHの坂東正敬監督に2ストップ作戦を決めたタイミングと理由をうかがった。


 


 

No.19 WedsSport ADVAN LC500
坂東正敬監督


 

「2ピット作戦を決めたのは決勝前の20分のウォームアップ走行が終わった段階です。もともと2ピット作戦は考えてはあったんですけど、ウォームアップ走行の時に、ソフトタイヤでロングというか8周ぐらい走ったんですけど、そこでほかとのギャップがあんまりなかったので、その段階でほかの作戦を考えないとちょっと難しいなと。それで普通、ウォームアップは満タンで走ることが多いんですけど、燃料が軽い状態で走ってみて、タイヤの表面を見たらそこは悪くなかったんですね。であれば、逆に空いている時にいかにプッシュするかを考えた方が利口なんじゃないかなと思ったんです。
 65周中の15周で1回目のピットインを想定して、10番手スタートなので最初はちょっと厳しいかもしれないけど様子を見ながら15周のうちのラスト5周ぐらいでちょっとプッシュして、ピットに入る前にトップとのギャップが22秒以内だったら、それをやろうと決めていました。それが8秒ぐらいだったので、その段階で15周目に入って、雄資にはミニマムの22周で走ってもらおうと決めました。
 1回目のピットはタイヤも4本変えて、給油もしました。満タンではないです。で、セーフティカー(SC)が入ったのが、みんなが入れない22周前だったと(*注1)。だから、そこも完璧でしたね。SC前には64号車と39秒差ありましたけど、そこがゼロになったので、それも僕らに有利になりました。あとはドライバーがタイヤを労わりながら、いかに1分40秒以内で走れるか。前が空いている時にはプッシュして、ふたりのドライバーが機械みたいに運転してくれました。
 SCが入った時には“もらった!”と思いました。ただ、去年は残りの10周くらいでBS(ブリヂストン)勢が41秒ぐらいになっていたのに、今年はそうならなかった。昨日もそうだったんですけど、36号車のロングを見たらタレる感じがなかったので、それは想定外でしたね。
 山下(健太)がコントロールしながらちゃんと38秒台で走れたことがスゴイ。国本も後ろとのギャップをコントロールしながら走れた。ピットもミスなくいった。今日は完璧でした。エンジニアに感謝しているし、ドライバーにも感謝しているし、これぞチームワークっていうレースができました」


 


 

*注1:ドライバーの「最大運転距離」について「1名のドライバーが総計で当初のレース距離の2/3を超えて運転してはならない」という規則があり、今大会は65周で1/3を超える周回数が22周という意味。


 

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【キャッチアップ03】
予選22位から“奇跡”の4位入賞


 

第5戦からランキングトップに就いているNo.55 ARTA BMW M6 GT3。第6戦SUGOでは予選23位から決勝で10位入賞、そして今大会でも予選22位から4位にまで這い上がり、チャンピオン獲得を目標に意地のポイントを重ねた。その4位を“奇跡”と語る高木真一選手の喜びの声をお届けしよう。


 


 

「予選22位から4位でゴールできるなんて、ホント奇跡だよ!
 昨日の予選は赤旗のタイミングが僕たちにとっては最悪で、あと5秒(赤旗の出るタイミングが)遅かったら良かったんだけど……本当にそれだけ。そこでタイヤのいいところがなくなっちゃって、2回目にアタックいった時には(タイムを出すのは)無理でした。
 決勝に向けて、去年のセットアップを反映した内容に変更したんですけど、それがドンピシャでしたし、タイヤ選択も温度レンジが完璧に合っていました。今年の僕の決勝のテーマは“譲り合い”なんですけど(笑)、とにかく変な無茶はせずに、絶対に抜けるというところだけを一気にいくというやり方をしていたので、今日も最初は本当にガマン&ガマンの走りでした。セーフティカー明けにみんながピットインして前が空いたらプッシュしていく作戦もうまくいきましたし、僕がMAXで走って残りのミニマムをショーン(ウォーキンショー)が全開でいくという戦略がズバリ的中しましたね。今日のレースもSUGOの時のように(予選23位→決勝10位)何か起きるだろうと思って、ともかく“ガマン”のレースをして、いつか“1点”が転がり込んでくるだろうと信じながら走っていました。
 昨日の夜はほとんど熟睡できませんでした。寝る時に睡眠の深さを図れる腕時計を着けて寝たんだけど、7時間のうち16分しか熟睡できなかったの(苦笑)。イライラしたり、いろんなことを考えちゃって、自分でも分かるぐらいちゃんと寝られなかった。
 ランキングもトップのまま、12点差が大きいのか小さいのかは分からないですけど、とにかくマージンがあるのはだいぶ有利だと思うので、最終戦までのレースと同じように“譲り合い”の気持ちを忘れず、周りを見ながら、変なレースをしないようみんなが一丸となって、今日までやってきたことを変わらずにやればチャンピオンにつながるんじゃないかなと思っています。今日の4位は優勝に匹敵する4位だったと思います。予選が22位に終わって、でもチームが4位まで持ち上げてくれたので、そういう意味でも4位でも優勝と同じ価値があると思っています。
 でもね、新田さんが連勝記録を伸ばしたことが一番嬉しかったの! それが一番嬉しかった!! 本当はすぐに新田さんのところに行って抱き合いたかったんだけど、それをやると注意されちゃうから(*レース後はパルクフェルメから速やかに退出しなければならないと規則で決められている)、新田さんが近寄ってきた時に『ダメー!! 触っちゃダメー!!』って断ったんだよ(笑)」


 


 

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さぁ、残るは最終戦! もてぎでお待ちしています!


 


 

予選でのNSX-GT勢の速さ、そして決勝で見せたレクサス勢の強さ…。オートポリス戦は、ドラマチックなレース展開となりました。好天気に恵まれる中、土、日曜の両日には、合計3万930人のお客様にご来場いただきました。お礼申し上げます。

さぁ、今シーズンの戦いはツインリンクもてぎでの最終戦を残すのみとなりました。タイトル争いでは、依然としてNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/ジェンソン・バトン組)がポイントリーダーのまま、ホームサーキットであるもてぎの一戦に挑みます。SUPER GT"ルーキー"のバトン選手が山本選手とともにチャンピオンに輝くのか、合わせて100号車を追うライバルたちの逆襲も楽しみです。
ぜひ、その行方をサーキットにてご覧いただければと思います。最終戦「2018 SUPER GT Round8 MOTEGI GT 250km RACE GRAND FINAL」は、11月10日(土)〜11日(日)に開催されます。どうぞお楽しみに!


 

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