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Race Report
2019.08.04
Rd.5 決勝GT300:T-DASH ランボルギーニ GT3が燃費の良さを活かした戦略で逆転優勝!

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第5戦 富士スピードウェイ:決勝 GT300レビュー

2019 AUTOBACS SUPER GT第5戦『FUJI GT 500mile RACE』の決勝レースが8月4日、静岡県の富士スピードウェイ(1周4,563m×175周)で行われた。シーズン最長の500マイル(約807km)は正に真夏の過酷な耐久レースとなった。この中、セーフティカー導入時のピットインを巧みに決断したNo.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/山下健太)が、前戦タイに続きGT500クラスの連勝を決めた。GT300クラスはNo.87 T-DASH ランボルギーニ GT3(高橋翼/アンドレ・クート/藤波清斗)が優勝した。

 

□決勝レース  天候:晴 | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:33度/51度>中盤:32度/43度>終了:28度/32度

 

 

 

■レース序盤は2台のマザーシャシーとNISSAN GT-R GT3の攻防に

8月らしい暑さの中、SUPER GT第5戦の決勝レースの舞台となる富士スピードウェイには3万8100人ものファンが訪れた。500マイル(約807km)という長丁場の戦いの火ぶたが午後1時40分に切って落とされた。まずは静岡県警の白バイ9台、パトロールカー4台の先導で交通安全啓発活動のパレードラップが行われた。

そしてGT300クラスのスタートでは、予選3番手からスタートしたNo.360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行)が好スタートを決め、ポールポジションのNo.52 埼玉トヨペットGB マークX MC(吉田広樹)をかわしトップに浮上。さらに2番手スタートのNo.25 HOPPY 86 MC(松井孝允)も52号車の前に出る。

序盤はこのトップ3にNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山内英輝)、No.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(平峰一貴)らが続くが、その背後につけていた集団のうち、No.7 D'station Vantage GT3(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)や、No.10 GAINER TANAX triple a GT-R(石川京侍)、さらにNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMG(片岡龍也)らが早めのピットストップを行い、混戦のタイムロスを防ぐアンダーカット作戦を採った。

一方、上位のGT300マザーシャシー勢は、25号車は片輪ずつの二輪交換作戦を、52号車は1度目のピットインでタイヤ無交換作戦を採り、ピットイン時間を短縮する作戦を採用する。また、レース中盤に向け少しずつポジションを上げてきたNo.65 LEON PYRAMID AMG(黒澤治樹/蒲生尚弥)は、2度目のピットインでタイヤ無交換作戦を採るなど、GT300クラス上位陣はチームごとにさまざまな作戦を展開する。

その中、GT500クラスが74周目となったとき、GT500車両のクラッシュでセーフティカーが導入される。この段階でGT300クラスの多くは2度目のピットストップを終えていたが、25号車(佐藤公哉)をはじめ4台がピットインを行っておらず、このセーフティカーがどう影響するかが注目された。

レースはGT500クラスが80周目を迎えるときにリスタートを迎えるが、25号車はすぐさまピットに向かうも、レース中に接触があったのか、車両前部にある差し込み口にエアが入らないトラブルに見舞われてしまい、ポジションを落としてしまうことに。さらに終盤には接触に見舞われてしまった。

 

 

 

■多様な作戦が繰り広げられる中、燃費の良さでNo.87 ウラカンがトップに

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そんななかレースは後半戦を迎えていくが、GT500クラスが105周目に突入した際、GT500車両がコース上でストップして、ふたたびセーフティカーが導入される。この直前にピットインを行っていたのはNo.7 D'station Vantage GT3、No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT、No.360 RUNUP RIVAUX GT-Rといったところ。ただ、4号車(谷口信輝)と競っていた7号車(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、GT500クラスの車両と接触。ただ、車両にダメージはあったものの走行を続けた。

各チームによってさまざまな戦略が展開されていったため、実質的な首位が分かりづらい展開となった500マイルレースだったが、終盤130周を過ぎる頃になると、ようやく全車が義務づけられた4回のピットストップを終えた。ここでトップに立っていたのは、なんと13番手スタートで、序盤も中団を走っていたNo.87 T-DASH ランボルギーニ GT3(アンドレ・クート)だ。途中、39周目に最初のピットインを行うと、翌40周目に再度ピットイン。ピットイン義務をこなし作業時間を短縮、ランボルギーニ・ウラカンの燃費の良さを活かすという戦略を採ったのだ。

 

 

最後のスティントでは87号車(クート)は2番手のNo.52 埼玉トヨペットGB マークX MC(吉田)に40秒近いマージンを築いていた。それはベテランのクートには十分なもので、快調なペースで逃げ切った。これでNo.87 T-DASH ランボルギーニ GT3(高橋翼/アンドレ・クート/藤波清斗)は、JLOCの87号車としても、ウラカンにとっても初の優勝となった。もちらん高橋、藤波にとっても嬉しいSUPER GT初優勝だ。クートは2015年第5戦鈴鹿以来のGT300通算3勝目となった。

2位争いは最後のピットストップでもタイヤ無交換作戦を採ったNo.52 埼玉トヨペットGB マークX MC(吉田広樹)と、終盤猛プッシュをみせるNo.34 Modulo KENWOOD NSX GT3(大津弘樹)との争いとなった。34号車は134周にピットアウトすると、変則的な作戦を採っていたNo.18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志)を146周目にオーバーテイク。その勢いのまま52号車との差を詰める。たが、吉田もプッシュして最後まで熾烈な攻防に。結局、No.52 埼玉トヨペットGB マークX MC(脇阪薫一/吉田広樹)がポジションを守り切って、チーム最高位の2位を獲得。No.34 Modulo KENWOOD NSX GT3(道上龍/大津弘樹)が3位となった。

 

 

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