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Race Report
2019.08.05
Race Day Report : 第5戦 決勝日レポート Part5

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【キャッチアップ 02】
6号車、2連覇達成

 

 

2016年にLEXUS TEAM LEMANS WAKO'Sのチーム監督に就任した脇阪寿一氏。自身3度のSUPER GTチャンピオン経験をフルに活かし、チームとして遠ざかっていた勝利を前回のタイ戦で実現したことは記憶に新しい。そして今回の富士大会でも、予選11位スタートながら緻密な戦略とSC介入のタイミングを味方にして見事優勝。ハンディウェイトをものともしないパフォーマンスで2連勝を果たした脇阪監督に話を聞いた。

 

 

 

 

No. 6 WAKO'S 4CR LC500
脇阪寿一チーム監督

「チームとして苦労して積み重ねてきたことがあるわけで。とはいえ、その”積み重ねてきたことがある”と言うと、それは言い訳にもなるんです。つまり、勝てなかったので。でも2016年はシリーズ2位、2017年は3位、去年はどん底を味わい、今年はチーフエンジニアに阿部(和也)を迎え、ドライバーも新たに(山下)健太が来た。そして第3戦鈴鹿(3位)で手応えをつかみ、第4戦タイで優勝。ただなりふり構わず優勝したかったからタイで勝ったんですが、当時の(現役時代の)僕であれば、タイよりもスポンサーやお客さんが喜んでくれる場所、つまり日本のサーキットで優勝を…ということも考えたんですよね。タイではWAKO'Sさんなど、限られた人だけがその場にいましたが、それ以上に他の多くの方はさすがにタイまでは来られないわけで…。だから日本で応援していただいている方たちにどうやって日本で(優勝を)見せられるだろうかと思ったりもしていました。それが今日この場所で達成することができて、本当にうれしかったですね。

 阿部なんて、昨日の夜にバンプラバーを作りに工場に帰っているんですよ。正直、勝てるクルマではなかったと思うんですが、今回いかに戦闘力あるクルマにするかを考えて…。”2リスダウン”(ウェイトハンディに対する燃料流量リストリクター径)車の中では(戦闘力が)ものすごくあったと思います。レース中、あのスピードで走れたからあのタイミングで最終コーナーでセーフティカーが出る直前にピットに入れたわけで…。今回のSCに関しては、1回目にSCが出たときの燃費のことも考えて次にSCが出たらピットに戻すということを決めていました。だから、あの瞬間に阿部が『入れますか?』と聞いたので『入れよう』と。たまたま一番いいタイミングだったこともありますが、(山下)健太にも『ピットレーンのクローズドだけ確認して!』と伝えたら『大丈夫です!』と彼も(ピットに)飛び込んできました。みんなが持てる力を100%出すことができました。

 今年、3位、優勝、優勝…と結果を残して、ようやく花が開いたようです。自分としてもこれまでやってきたことが間違ってないなということを確認することができました。そういう部分ではホッとしています。勝った、負けたということも大事ですが、どれだけの人を笑顔にできるかということを意識して自分もこれまでレースをしてきたつもりでいたので、ここで勝てて良かったです。これまで勝ててなかったチームが勝てるようになり、今日で本当に強いチームになったと思います」

 

 

 

 

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【キャッチアップ 03】
“奇策”を講じて予選13位から優勝!

 

 

予選を捨て、“奇策”を講じ、気付けばトップに躍り出て、予選13位からの優勝を遂げたNo.87 T-DASH ランボルギーニ GT3。ドライバーはもちろんのこと、監督をはじめとするエンジニア、メカニック、すべてのチームスタッフが一丸となって掴み獲った勝利への“奇策”とはいったいどのようなものだったのだろうか。チームを率いるJLOC代表の則竹功雄監督に話を聞いた。

 

 

 

 

No.87 T-DASH ランボルギーニ GT3
則竹功雄監督

「昨年から88号車と87号車の情報交換を厳密にするようになって、ヨコハマタイヤさんにもリクエストに応じて両方とも似たようなレベルのタイヤを供給してもらえるようにいろいろなことを改善してきて、87号車のレベルが確実に上がっているということがまず今日の結果のひとつにあることは間違いありません。それから、これは88号車も含めて言えることなんですが、予選Q2は捨てました。予選を狙いにいくなら違うタイヤを選んでいましたから。それも大きかったと思います。

 500マイルを3人のドライバーでどう戦うかということで、総合マネージャーの加藤(博)くんが戦略を考えてくれました。87号車は3人の優位性を活かすために何かいい戦略はないかと考えたのが“1ラップ作戦”でした。最初のスティントはセオリーどおりフルに引っ張って、2スティント目をピットアウト→ピットインの1周で入れたんです。そのアウト→インによって、(規則によって決められている)ドライバーの“最大運転時間(注*)”を超えなくなる。つまり、その後は誰がどれだけ乗っても良くなり、バンバンペースを上げていくことができる。あとはそれに必要なガソリンを積んで、その時に一番適切なタイヤでポンポンと上げていこうと。それはふたりエントリーではできない。そうやって3人を乗せることで2/3の戦略を有利に使うことができたんです。

 実は去年、88号車で同じことをやっているんだけど、去年は1周目で入れてしまったんです。でも、それでうまくいかなかったから、今年はそのピットインのタイミングをズラした。1回目をフルに走って、2回目以降でアウト→インをする時にセーフティカー(SC)を絡められるのが正解で、SCが入った時に1周の差がつく。1周目に入ってしまうと残りをフルで走らなくちゃいけなくなってSCを有効に使えなくなるんです。SCが入るだろうということも想定していましたし、その部分は勝負事ですから時の運でもあるんですが、それがズバリ当たったということですね。それによって思いの外ギャップができたので、タイヤは毎回4輪交換しました。すべてにおいて余裕ができたんです。

 今回は本当にドライバー3人がすごかった。タイムを抑えろと言えばちゃんと抑えるし、(アンドレ)クートはもちろん(高橋)翼も藤波(清斗)速かった。87号車のメカニックたちも90点、ドライバーも90点。あとの10点はチャンピオンを獲った時にあげようかな(笑)。

 

*注:SUPER GTのレギュレーションで「1名のドライバーが総計で当初のレース距離の2/3を超えて運転してはならない」とドライバーの最大運転距離が決められている

 

 

 

 

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次は9月7-8日のオートポリスで会いましょう!

 

 

真夏のハードな一戦となった第5戦富士は、まさにサバイバルレースとなりましたが、500マイルにちょっと足りなかったですが、無事にチェッカーを迎えることができました。

 

 

 

 

今回の第5戦。厳しい夏の開催にもかかわらず、8月3日(土)2万2500人、4日(日)3万8100人、両日で合計6万600人という非常に多くのお客様にご来場いただきました。

ありがとうございました!

次戦は、2019年9月7〜8日に大分県のオートポリスで開催される2019 AUTOBACS SUPER GT Round 6「AUTOPOLIS GT 300km RACE」となります。

それでは、SUPER GTオートポリス戦でお会いしましょう!

 

 

 

 

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