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2019.09.06
子供たちが塚越、佐々木選手の指導で初めてのカートコースを走る!「SUPER GTキッズカートアカデミー」が開催される

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8月31日、「SUPER GTキッズカートアカデミー ビギナークラス」がフォーミュランド・ラー飯能(埼玉県飯能市)で初めて開催された。会場には、34名の子供たちが集い、特別講師として招かれたSUPER GTのGT500クラスドライバーの塚越広大選手(No.17 KEIHIN NSX-GT)と佐々木大樹選手(No.12 カルソニック IMPUL GT-R)をはじめとしたスタッフの指導の下でエンジン付きカートでの基礎を学び、皆が本格的なカートコースでの周回走行を体験した。
 


先導車についてカートコースを初走行するSUPER GTキッズカートアカデミー参加の子供たち


SUPER GTを運営するGTアソシエイションでは、SUPER GT開催サーキットや各種イベントにおいて小学生を対象とした「SUPER GTキッズカート体験会」を実施している。これは子供たちにエンジンで走るクルマ(カート)を自分で操ることの楽しさを体験してもらおうと行なっているもの。毎回多くの参加者で賑わっているが、参加者やその父兄から「引き続き乗せてあげたい」「もうワンステップ上の体験をしたい」との声があったことから、今回の「SUPER GTキッズカートアカデミー」の初開催となった。
 


特別講師として指導した塚越広大選手


会場では子供たちの憧れでもあるSUPER GT現役ドライバーで、自らも小学生からカートを始めたという塚越広大選手と佐々木大樹選手が直接指導を行った。会場となったフォーミュランド・ラー飯能のオーナーでもある塚越選手は「モータースポーツの底辺を広げるために今までもキッズカートのお手伝いをさせてもらいましたが、以前からもう少し本格的なこと、サーキットを走ることなどこれまでの体験会ではできないことやらせてあげたいと思っていました。そんなところにGTAから『SUPER GTキッズカートアカデミー』のお話しを頂き、では『最初に(僕の運営する)ラー飯能でやってみましょうか?』と今回に繋がりました」と、この本格的なカートサーキットでの初開催の経緯を語った。

この日の早朝は小雨もぱらついたがそれもわずかで、コースコンディションは終始“ドライ”。お昼前には日も差して夏休み最後の週末らしい暑さになった。子供たちは4名ずつのグループに分けられ、まずはカートの基本操作である「ブレーキ」「アクセル」「ハンドル」の操作を学んだ。

 

 



そして、いよいよ本格走行。子供たちにはヘルメットが渡され、レーシングドライバーのようにフェイスマスク(本物は耐火用だが、今回は汗染み防止用)とともに被る。ほとんどがヘルメットは初めと言う子供たちの気持ちは早くもマックスへ。

コースの3個所に設けられた練習エリアに出て、最初はコースの下り坂を利用して惰性でのブレーキ練習。次にエンジンを掛けてアクセルで進み、ブレーキで止まる。そして上り坂でアクセルを踏み込んでのスラロームと段階を踏んでカートの操作を身に付けていく。塚越と佐々木の両講師も子供たちを見守り、時に褒めたりアドバイスしたりと3つの練習エリアを忙しく回っていた。

 


自らも小学生でカートを体験したと言う特別講師の佐々木大樹選手



ここまではいつものキッズカート体験会でも行っていること。それでも広いスペースがあるだけに、カートを引き留める牽引ひももなく、走る距離も長くのびのびと余裕もあり「体験」だけではない「操作」をしっかりと実感していた。
 



34名の子供たちがカート操作の基本を学んだところで、いよいよコース走行だ。父兄からは「私だってこんなレースコースは走ったことないし、(子供が)上手く走れるかちょっと心配」と言う声もあったが、先導車について子供たちが出て行くと「がんばってー」と声援がおくられた。
 


コースインもピットロードからで本格的な初のカートコース走行



父兄の心配も杞憂でコースから飛び出すカートは1台もなく、ちょっと時間は掛かった子供もいたが、全員が1回2周の走行を2セット行った。走行の合間には子供たちの走りを見守った塚越選手と佐々木選手とのミーティングも。塚越選手からは「アクセルとブレーキは同時に踏まないように注意しよう」と、佐々木選手は「登り坂ではスピードが落ちないようアクセルを踏んでみよう」とアドバイスも受け、最後の走行に臨んだ。

 



子供たちを見守る佐々木選手は「こういう経験をしてSUPER GTを見てもらい『僕もレーサーになりたい』と思ってもらえれば、よりモータースポーツが盛り上がると思います。でも子供ってすごいですね。エンジンもうるさいし、ブレーキもアクセルも難しいし、慣れるまでは怖いとは思うんです。でも、スタッフのみなさんが丁寧に一から教えてくれて、子供たちもちゃんと聞いて、最後はひとりでコースを走っている。子供たちにモータースポーツへのきっかけを与えられる『キッズカートアカデミー』は、すごく良いプログラムだと思いますね」と、子供たちの走りに感心していた。
 


子供たちを前にカート操作や自らの体験を語る佐々木大樹選手



最後の走行では1回目以上に皆がスムーズに周回する。走行が終わるとお父さんの「どうだった?」の問いに、「楽しかった!」と満面の笑顔で答える子供。最後の走行後にもう一度、両選手との終了ミーティングが行われ、佐々木選手は「僕も7歳で初めてカートに乗ったけど、みんなみたいにアクセルを踏めなかったんだ。これだけ走れればすごいよ。もっと練習すればGTドライバーになれるね」と総評した。最後には憧れの塚越選手と佐々木選手にサインをもらったり、写真撮影をする子供たちもいて、こうして「SUPER GTキッズカートアカデミー」の楽しい初開催は終了となった。

 


このラー飯能でのカート初体験からレーシングドライバーになり、
そして現在はコースオーナーとして指導もする塚越広大選手



カートコースのラー飯能を笑顔で去る子供たちと父兄を見送りながら、塚越選手は言う。「今日来た子供たちは体験会の経験者がほとんどでしたが、でもサーキット(カートコース)を走るのは別格だと思います。思いのほか走れた子もいれば、苦労した子もいて、それぞれに思い出になったかな。親御さんにとっても自分の子供がコースを走るのは素敵なことだったと思います。僕もこのラー飯能で(6歳の時に)走ったのがきっかけでレーシングドライバーになったので、これをきっかけにモータースポーツに親しんでもらえればと思います。みんなから元気をもらいましたから、僕も佐々木選手も、そしてSUPER GTドライバー皆でもっとモータースポーツを楽しんでもらえるよう、今シーズン残り3戦がんばりますよ!」
 




4時間少々の「SUPER GTキッズカートアカデミー ビギナークラス」ではあったが、初開催を無事終えたSUPER GTキッズカート運営事務局の荒川充さんは「サーキットやイベントで行う“体験会”は好評ですが『もっと乗りたい』『乗せてあげたい』『サーキットも走りたい』という声が少なくありませんでした。そして、なによりクルマやモータースポーツ、SUPER GTに、より興味をもっていただきたいというのがキッズカートの主旨です。さらに体験会で興味を持った方、子供たちに次のステップへ進めることを考えたのが『SUPER GTキッズカートアカデミー ビギナークラス』です。今回は、最初ということで主旨を理解して協力をしてくれたラー飯能で行いました。今後は、SUPER GTの開催サーキットやその近くにあるカートコースで行いたいですね。SUPER GTを観戦に来て、体験会に参加して、そして興味を持った子供がカートコースでこの『ビギナークラス』を経験してもらう。さらに走りたい方のためには、『アカデミー』として何段階かのステップを経て、本格的にカートレースに参戦する機会を提供できたら、と考えています。そこから未来のSUPER GTドライバーが誕生してくれたらいいなと考えています」と、今後の「SUPER GTキッズカートアカデミー」の構想も語ってくれた。

 



 


 

参加者から当⽇の絵⽇記が事務局に寄せられた

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