No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500
ヘイキ・コバライネン
「2016年にSUGOで勝ったレースを思い出しました」
1年ぶりの優勝なので、とても嬉しく思っています。今シーズンを振り返っても、なかなかタフなシーズンですね。なかなか表彰台に上がることができず、前回の富士ではチャンスがあったのに僕がミスをして悔しい思いをしました。ハードなシーズンですが、今週末はクルマが走り出しから調子が良くて、予選でもいいフィーリングでしたので、いい結果が出せそうだと思っていました。今日の決勝はクレイジーな天気で、2016年にSUGOで(平手)晃平選手と組んで勝ったレースを思い出しましたね。
今回のスタートはすごく良かった。ただ雨が降ってきたときにはミスをしちゃいけないと思って慎重に走りました。慎重すぎたかもしれません。でもクルマのパフォーマンスがすごく良かったので、自分のスティントはエンジョイできました。(後半担当の)中山(雄一)選手は本当に素晴らしい走りを見せてくれました。途中17号車が追い上げてきていたので、無線で「気をつけて」と言っていたんですが「問題ありません。大丈夫」と返事してきました。彼は本当にプロフェッショナルで、すごくがんばっています。GT500で最初のシーズンですが、彼のスティントはいつも素晴らしい。もっと彼のことを認めてあげてほしいと思います。
次戦も期待できると思います。まだまだインプルーブする余地はありますが、今回の勝利でいいステップを踏めたと思います。シーズン前半は苦戦しましたが、今回の勝利でチャンピオンシップのトップ3に入ることができたので、最後まで諦めずにがんばっていきたいです。
中山 雄一
「これまでの下積みがすごく活きたと感じたレースでした」
今シーズンはLC500勢がすごく調子いい中で、僕たちのチームも悪くはないけど思うような結果が得られなくて、何が足りないんだろうと考えながらシーズンを送っていました。ヘイキ(コバライネン)選手とコミュニケーションを取り、チームともクルマの方向性をしっかり話し合いました。今回は普通GT500ではしないような数値のセット変更をしたらそれがバッチリオートポリスに合いました。昨日の予選はやってきたことがすべてうまくいったなと感じました。
今日は雨の中をスリックで走らなければいけない難しいスティントをヘイキ選手が担当しました。そういう場面でもすごく力を発揮してくれる選手だし、コールドタイヤでの走行もすごく速いので、ヘイキ選手の力でどんどん順位を上げていってくれました。田中耕太郎エンジニアもこれ以上ないタイミングでピットインの判断をしてくれたので、作戦も素晴らしかったと思います。ピットにはすごく多くのクルマがいっぺんに入ってきて、何年か前のSUGOみたいな状況で、38号車が僕に迫ってきて結構危なかったんですが、メカニックさんたちがしっかりコースに送り届けてくれたので本当に良かったです。最後はダンプ(濡れた部分と乾いた部分が混じる)コンディションでのレインタイヤ走行で、結構難しかったんですが、GT300をブリヂストンタイヤで戦ってきた経験をうまく生かすことができました。(GT300での)下積みがすごく長かったですけど、それがすごく活きたな、と感じたレースでした。
今回の優勝でチャンピオンも手の届く位置に来ましたし、2016年にこのチームがチャンピオンをとったときも最後の2戦で逆転したと思うので、難しいコンディションであるほど力を発揮できるチームだと思っています。今回のセットを進めていけば、SUGOやもてぎでも戦っていけると思います。すごくポジティブにこの1週間を過ごしました。GT500デビューイヤーで優勝できて本当に嬉しいですし、このままチャンピオンに向けて強気で頑張っていきたいと思います。
No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3
吉本 大樹
「すべてが噛み合えば勝つことができるとわかりました」
この展開は想像できていなかったんですが、昨日の走り始めにコースがダスティなこともあって、持ち込んだタイヤの選択が非常に難しく、柔らかめのタイヤでロングランをやろうと走っていたらデブリ(クラッシュ等の破片)を踏んでしまい、タイヤバーストをさせてしまって結局十分な距離を走れませんでした。そのためレースがドライのまま進んだらどうなるか未知数な状態でした。
予選は(宮田)莉朋がQ1で良いタイムを出してくれたのに、Q2で自分がミスってしまって12番手からのスタートになりましたが、レースの途中から雨が降るという予報もあったので、それをチャンスに変えようと思っていました。莉朋はスタートからすごく順調に走ってくれましたが、我々のクルマはあまり直線が速くないので、前のGT-Rを抜けませんでした。そのうち雨が降り、スリックで走っている中では、莉朋が多分一番速かったと思います。「(ピットインで)レインで行くのか?」というやり取りを長くしていたので、その間は莉朋に引っ張ってもらいました。
結局、飯田章監督もここはスリックだと。僕としては最初少し疑問でしたが、コースから湯気が出ているのを確認したので、最初はしんどいけど乾いてくると思ってスリックをチョイスしました。セーフティカー中に雨が降ってきたときは「これは終わったな」と思いましたが、路面温度が高くてすぐに乾いてくれました。本当に全てが噛み合いました。
2014年にLM corsaの立ち上げから本当に苦しい思いをして、満を持して(母体のディーラーが待ち望んだ)RC F GT3になっても、もう1台(当時ジョイントしていたK-tunes)が勝ってBoP(性能調整)も厳しくなり、僕らはなかなか勝つことができませんでした。それでもこうやってすべてが噛み合えば勝つことができるとわかりました。ダンロップさんやチームのみんなに「ありがとう」じゃなくて「おめでとう」と言いたいです。
元々RC F GT3が得意とするコースは鈴鹿、SUGO、タイですが、今回得意ではないコースでも優勝できることが証明できたので、得意なSUGOは優勝したいですし、苦手なもてぎも雨が降ってくれればと思っています。運も味方につけて悔いなく戦っていきたいです。
宮田 莉朋
「“賭け”でしたが、クルマもタイヤも自信があった」
今回は僕がスタートドライバーを担当して、引っ張る作戦でした。12番手からですから、どうやって追い上げるか、どんなペースで走ったらいいのかを考えて走りました。周りはコースアウトしたり、早めにピットに入ったりしましたが、チームと無線のやり取りをして、ステイ(まだ入らないこと)を選びました。結構“賭け”でしたが、今回はクルマもタイヤも自信があったので、クルマを信頼して走りました。
後半スティントの吉本(大樹)選手は辛い思いをしたと思いますが、最終的にこうやって勝てて良かったです。FIA-F4で2年連続チャンピオンをとって周囲に期待されていたと思いますが、勝つまでにちょっと時間がかかってしまいました。僕のことよりも、LEXUS RC F GT3の開発からがんばってきたチームの皆さん、TRDの皆さん、吉本選手、飯田章監督におめでとうと言いたいですし、感謝しています。
次戦のSUGOに関してはRC F GT3が苦手ではありませんし、先日のSUGOの公式テストでもいいセットが見つかっています。今回勝てるとは予想していませんでしたので、SUPER GTのおもしろさを体感できましたし、次のSUGOでも優勝を目指して、吉本選手やチームの皆さんとともにがんばっていきたいです。
4/13-14 | Round1 OKAYAMA | |
5/03-04 | Round2 FUJI | |
6/01-02 | Round3 SUZUKA | |
8/03-04 | Round4 FUJI | |
8/31-9/01 | Round5 SUZUKA | |
9/21-22 | Round6 SUGO | |
10/19-20 | Round7 AUTOPOLIS | |
11/02-03 | Round8 MOTEGI |