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Race Report
2019.09.08
Rd.6 決勝GT500:荒れた展開を巧みに乗り切ったDENSO KOBELCO SARD LC500が勝利する

Rd.6 決勝GT500:荒れた展開を巧みに乗り切ったDENSO KOBELCO SARD LC500が勝利するの画像

第6戦 オートポリス:決勝 GT500レビュー

2019 AUTOBACS SUPER GT第6戦『AUTOPOLIS GT 300km RACE』の決勝レースが9月8日、大分県のオートポリス(1周4,674m×65周)で行われた。途中雨が降って何度もトップが入れ替わるレースとなり、GT500クラスはNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)が、GT300クラスは終盤の逆転劇でNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(吉本大樹/宮田莉朋)がそれぞれ優勝を飾った。

 

□決勝レース  天候:曇/雨 | コース:ドライ/ウエット | 気温/路面温度 開始:27度/33度>中盤:28度/34度>終盤:25度/28度

 

 

 

 

■中盤まではKEIHIN NSX-GTがポールポジションからトップを快走

第6戦の決勝日を迎えたオートポリスは、お昼までは雲が多いものの雨は降らず。サポートレースやピットウォーク、トークショーで賑わっていた。この中、いくつかのアクシデントがあった。まずNo.12 カルソニック IMPUL GT-Rのジェームス・ロシターが予選終了後に急病となり、ドクターストップとなる。チームは代役として昨年までGT500クラスに参戦していた千代勝正の出場を願い出る。審査委員会は、レース前のウォームアップ走行で千代の走行を最終確認し、出走が許されることとなった。なお12号車はこのドライバー変更により決勝レース中にピットストップ10秒のペナルティを受けることになった。さらにこのウォームアップでもトップタイムを出したNo.17 KEIHIN NSX-GTが、走行終盤に突如ストップ。スロットル系の電気トラブルで部品を交換してのレース出場となった。

スタート時の午後2時30分、この時点でも雨はない。ポールポジションのNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大)はオープニングラップで、No.8 ARTA NSX-GT(伊沢拓也)に一度はトップを譲るものの、すぐに抜き返し、その後は8号車との差を徐々に開いていく。一方、12番手スタートのNo.1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴)は、No.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀)と競り合っている中でコースアウト。タイヤバリアにクラッシュし、1周もしないままレースを終えてしまう。そして早くもセーフティカー(SC)が導入されることとなった。

SCランで後続との間隔が詰まってしまった17号車だが、リスタート後は再び後続を引き離す。引き離された8号車はペースが上がらずに順位を落とし、代わってNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(ヤン・マーデンボロー)が2番手に浮上し、序盤はこの2台がレースを引っ張る展開となった。

レースも1/3を過ぎると、1コーナー付近で雨が落ち始める。降り続くのか、通り雨か、レインタイヤを入れるのか、そしてどのタイミングでピットか、と各チームが悩む。33周を終えたところで、29周目に5番手を走行していたNo.37 KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ)、3番手を走行していたNo.36 au TOM'S LC500(中嶋一貴)が上位勢では真っ先にルーティンのピットワークを行う。ここではスリック(ドライ用)タイヤに交換した。

そして雨が強くなり、この日2度目のSCが導入される直前の34周終わりで、トップを走行していた17号車、No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン)、No.38 ZENT CERUMO LC500(立川祐路)、No.19 WedsSport ADVAN LC500(国本雄資)、さらには、8号車、No.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹)、No.6 WAKO'S 4CR LC500(大嶋和也)らが同時にピットへ戻ってくる。ピットロードは大混雑となり、中にはマシンを切り替えして出し入れしたり、メカニックがマシンを避けたりと慌ただしくなった。19号車はピットを出てきたGT300車両と接触もしてしまう。

 

 

 

 

■DENSO KOBELCO SARD LC500の中山が難しい状況の中を逃げ切る

2度目のSCが導入されて、ピットレーンはクローズ。トップの24号車、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平)、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(ロニー・クインタレッリ)はピットに入らずに走行を重ねる。41周目、SCが離れてリスタートとなるとこの上位3台がピットイン。代わってNo.17 KEIHIN NSX-GT(ベルトラン・バゲット)がトップに立ったがスリックタイヤではペースが上がらず。代わってトップに立ったのが、ウエットタイヤに履き替えていたNo.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(中山雄一)であった。その後ろにはNo.38 ZENT CERUMO LC500(石浦宏明)、No.19 WedsSport ADVAN LC500(坪井翔)が続き、LC500勢がトップ3を形成した。

その後、GT300車両のコースアウトがあって43周目にこの日3度目のSCに。残り15周でリスタートすると、トップの39号車はスパート。その直後にいたNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT(中嶋大祐)はスリックタイヤのためペースが悪く、これに引っかかった2番手の38号車は一気に39号車に11秒もの差をつけられた。

 

 

 

 

そして42周目に2度目のピットインを行い、レインタイヤに交換した17号車が後方から追い上げ、53周目にはその38号車をパスして2番手に浮上。トップの39号車と2番手の17号車との差は徐々にだが詰まっていき、3秒ほどにまで追い詰められる。39号車の中山はGT500ルーキーだが、GT300では7勝している実力者。後方とのマージン、マシンや路面の状況を読み切って慌てることなく逃げ切り。No.39 DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)は、2018年第4戦タイ以来の優勝。ヘイキ・コバライネンは4勝目、そして中山雄一はGT500初優勝となった。LC500は、今季第2戦からの5連勝となった。2位にはNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)となった。

3位争いは雨が止んだレース終盤に波乱が。コースが乾いてくると、ここまでスリックタイヤで耐えていたNo.37 KeePer TOM'S LC500(平川亮)がペースアップ。最終ラップで6番手からNo.6 WAKO'S 4CR LC500(山下健太)、No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀)、そして38号車までを抜き、3位表彰台に上がった。

 

 

 

 

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