2019.11.03

Rd.8 決勝GT500：WAKO'S 4CR LC500が歓喜のタイトル獲得！ KeePer TOM'S LC500は優勝するも…

第8戦 ツインリンクもてぎ：決勝 GT500レビュー

2019 AUTOBACS SUPER GT第8戦（最終戦）『MOTEGI GT 250km RACE』の決勝レースが11月3日（日）、栃木県のツインリンクもてぎ（1周4,801m×53周）で行われた。GT500クラスの優勝はNo.37 KeePer TOM'S LC500（平川亮／ニック・キャシディ）だったが、No.6 WAKO'S 4CR LC500が2位に入り、大嶋和也／山下健太が初のドライバータイトルを獲得した。GT300クラスは、No.11 GAINER TANAX GT-R（平中克幸／安田裕信）が優勝。ドライバータイトルはNo.55 ARTA NSX GT3の高木真一／福住仁嶺が手にした。

 

 

 

 

 

秋の気配が色濃くなったツインリンクもてぎを舞台に、今季の最終戦の決勝日を迎えた。上空には雲が多いものの、決勝日も好天に恵まれ、来場した3万5000余人のSUPER GTファンが決戦のスタートに胸を躍らせていた。

決勝を前にウォームアップ走行でマシントラブルが発生してしまったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R（平手晃平／フレデリック・マコヴィッキ）は、マシンをグリッドに並べることなく最終戦を終えてしまった。また、前日午前の公式練習後にトラブルからエンジン交換となり、予選を走れなかったNo.12 カルソニック IMPUL GT-R（佐々木大樹／ジェームス・ロシター）も最後尾からの出走が認められた。なおエンジン交換で規定以上の3基目を使用したため12号車はスタート後に15秒のペナルティストップが課せられた。

そして、午後1時30分、栃木県警察の白バイ5台、GT-RとNSXのパトロールカー2台の先導による交通安全啓発のパレードラップ、さらに1周のフォーメーションラップを経て、午後1時37分、決勝レース53周の火蓋が切られた。

ポールポジションからスタートしたNo.36 au TOM'S LC500（中嶋一貴）は順当にレースをリード。その後方、予選2位のNo.6 WAKO'S 4CR LC500（大嶋和也）はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R（ロニー・クインタレッリ）にパスされ、さらに3-4コーナーではNo.37 KeePer TOM'S LC500（ニック・キャシディ）、No.17 KEIHIN NSX-GT（塚越広大）と次々にパスされて、オープニングラップで5番手までポジションダウンしてしまう。

2番手に上がった23号車だが、6周目に37号車にパスされてしまう。この後、23号車は17号車、6号車にも抜かれてしまう。対して36号車と37号車は後続を引き離していく。一旦はポジションを落とした6号車は前を行く17号車を19周目の3コーナーでパスし、3番手に浮上。黄色信号になったタイトルを再びグッと手元に引き寄せた。

 

 

 

 

53周のレースは、19周を終えたところでルーティンのピットワークが始まった。まずピットへ向かったのは2番手を走行していたNo.37 KeePer TOM'S LC500で平川亮に交代。翌20周終わりでピットインしドライバー交替を行ったのが、トップを行くNo.36 au TOM'S LC500（関口雄飛）と3番手のNo.6 WAKO'S 4CR LC500（山下健太）。ピット作業を終えてこの2台がコースに戻ると、36号車はトップ、そして37号車を挟んで6号車と、ここでの順位変動はなかった。

レースが大きく動いたのは32周目。37号車が36号車をパスしてついにトップが入れ替わる。これで37号車の逆転タイトルの可能性が大きくなる。6号車が2位になれば、37号車が優勝してもタイトルを手にできる。だが、そうは簡単に36号車も前を許してはくれない。数周に渡り、36号車の関口と6号車の山下のアグレッシブなドライバー2人による激戦が繰り広げられる。この間、トップの37号車はこの2位争いをしり目にどんどんと後続を引き離していくのに対し、4番手を走行していたNo.8 ARTA NSX-GT（野尻智紀）が接近して、2番手争いは3台の争いになっていく。

そして、39周目のダウンヒルストレートで6号車が36号車のインに飛び込む。そのまま2台はセカンドアンダーブリッジ、さらにはビクトリーコーナーまで併走して一歩も引かず。2台は軽く当たりながら最終コーナーを揃ってショートカット。コースに戻った時点で先行していたのは6号車だった。2番手に浮上した6号車は、36号車を振り切ってゴールに向かう。この2台に近づいていた8号車は39周目にシフトに不調を抱えてピットへ戻った。

 

 

 

 

最終戦を制したのは、No.37 KeePer TOM'S LC500（平川　亮／ニック・キャシディ）。今季初勝利（2018年第7戦オートポリス以来）となった。3位にはNo.36 au TOM'S LC500（中嶋一貴／関口雄飛）が入った。今季でGT参戦を終えるLEXUS LC500にとっては、2017年の登場以来、24戦中14勝、ポールポジション6回、2度のタイトル（2019、2017年）という好記録を残した。

2位に入ったNo.6 WAKO'S 4CR LC500（大嶋和也／山下健太）は、2019年のGT500ドライバータイトルを獲得。両ドライバーは共に初の、チーム・ルマンにとっては2002年（#6エッソウルトラフロー スープラ：脇阪寿一／飯田章）以来、実に17年ぶり2回目の栄冠だ。チームタイトルは、優勝したNo.37 LEXUS TEAM KeePer TOM'Sが2017年以来2回目のタイトルを手にした。

Honda NSX-GT勢ではNo.17 KEIHIN NSX-GT（塚越広大／ベルトラン・バゲット）が最高位となる5位を獲得。NISSAN GT-R NISMO GT500R勢では、8位に入ったNo.23 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生／ロニー・クインタレッリ）が最高位となった。

 

 

 

 

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