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2019.11.10
Honda Racing THANKS DAY 2019開催!Hondaのレース活動60周年のメモリアルイベントに1万7,500人が集結

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1週間前に2019年シーズンのSUPER GT最終戦が行われたばかりのツインリンクもてぎに、再びHondaのエンジンサウンドが響き渡った。オフシーズン恒例のファン感謝イベント「Honda Racing THANKS DAY 2019」が、今回は例年より1ヵ月程早い11月10日に開催された。
 

 

この日は快晴にも恵まれ、さらにサーキット上空にはSUPER GT熱戦の余波も残っているのか、暖かな1日となった。早朝5時に到着したという一番乗りのファンを筆頭に1万7,500人がもてぎに集結。そんなファンを迎えるのは、今季のSUPER GTでHonda NSX-GTに乗り活躍したドライバーに加え、F1トロロッソ・ホンダのダニール・クビアト、インディカー・シリーズで今季2勝を挙げた佐藤琢磨をはじめとする国内外でHondaマシンを駆り戦うドライバー/ライダーたちだ。
 


参加したHondaのドライバー&ライダーを迎える八郷社長。

 

ウェルカムセレモニーの「Honda Racing THANKS Ceremony」ではHondaの八郷隆弘社長がスタンドのファンに向け「マン島レースから始まりここまでの60年間、Hondaは常に挑戦し続けてきた。ずっと応援してくれた皆さんには大変感謝しています。今季は海外のレースでは活躍できたものの、国内のSUPER GTの方は残念な結果に終ってしまった。来季の王座奪還に向け、今後も努力を続けていきます!」と、もてぎに集まった熱心なHondaファンにメッセージを贈った。
 


来季のGT500クラス王座奪還をファンに誓う八郷社長。

 

今年もロードコースを中心にパドック、グランドスタンドプラザ、レーシングカートの各エリアには、今回も充実したコンテンツが用意され、ファンを楽しませた。レーシングコースでは朝8時から、サーキットサファリとグリッドウォークが行われた。グリッド上にはSUPER GTを戦ったNSX-GTやNSX GT3に、歴代F1マシンやスーパーフォーミュラなどの今季のレースで活躍したHondaマシンが一挙勢ぞろい。
 

 

SUPER GTのマシンは展示だけでなく、エンジン始動のデモンストレーションも行われた。普段のレース時のグリッドウォークではエンジン始動前にチーム関係者以外は退去となり生のエンジンサウンドを間近で聞くことができないため、ファンにはかなり好評だったようだ。
 

 

グランドスタンドプラザに特設されたステージでは、ドライバーやチーム監督によるトークショーが5ステージ行われた。朝に行われた「Moduloトークショー」ではNo.64 Modulo Epson NSX-GTの中嶋悟監督とNo.34 Modulo KENWOOD NSX GT3のドライバー兼チームオーナーの道上龍が登場。
 

 

トークショーはシリーズ戦でも行われているが、シーズンオフのトークショーはまた一味違うもの。戦いを終えたリラックスモードの中、プライベートな話からレースを始めた頃の想い出、また互いに今は指導者の立場にあることからドライバー育成論など、幅広く楽しいトークが繰り広げられることに。最後はジャンケン大会で、勝ち残った3組が壇上で2人に囲まれ記念撮影を行った。
 

 

シーズンオフとはいえ、最もファンが熱狂するのはやはり“レース”だ。この日のイベントでは様々な趣向の“ガチレース”に最も人だかりができることになった。モビパークのレーシングカート場では、4輪ドライバーと2輪ライダーがペアになり戦う「HONDA Racing Kart Cup」が開催。SUPER GTドライバーはジェンソン・バトン(No.1 RAYBRIG NSX-GT)、武藤英紀と中嶋大祐(No.16 MOTUL MUGEN NSX-GT)、ベルトラン・バゲット(No.17 KEIHIN NSX-GT)、ナレイン・カーティケヤン(No.64 Modulo Epson NSX-GT)の5人が参戦。
 

 

12周のレースは予選3位のバトンが序盤に見事なオーバーテイクを見せトップに立つ。終盤までポジションをキープするも、パートナーのMoto2ライダー、ソムキャット・チャントラがなんと最終ラップの競り合いで接触しスピン。日本最後のレースで優勝を、と期待していたバトンファンの悲鳴がコースに響き渡ることになった。この最終ラップはトップ争いだけでなく後続でも激しいバトルが展開され、順位はここで大きく変動。その結果、優勝は武藤とMotoGPライダーのカル・クラッチローの手に。2位には中嶋とJBS1000の高橋巧が入り、SUPER GTドライバーのチームがワンツーを決めた。
 


HONDA Racing Kart Cupの表彰台に頂点に立った武藤/クラッチロー組

 


その直後にはレーシングコースで鈴鹿レーシングスクール(SRS)のスクールカーでSRS卒業生によるエキシビションレースが行われ、SUPER GTドライバーの山本尚貴(No.1 RAYBRIG NSX-GT)、野尻智紀と伊沢拓也(No.8 ARTA NSX-GT)、塚越広大(No.17 KEIHIN NSX-GT)、牧野任祐(No.64 Modulo Epson NSX-GT)、福住仁嶺(No.55 ARTA NSX GT3)が参戦。ポールからスタートしたSRS校長でもある佐藤琢磨選手を遠慮なく抜き去った野尻と塚越によるトップ争いとなり、最後は野尻がトップでチェッカーを受けた。
 




レース後に、抜いてしまった佐藤琢磨SRS校長(右)に褒められる(?)野尻と塚越。

 

午後はレーシングコースで本イベントの主役ともいえる、今季を戦ったホンダマシンによるエキシビションレースが立て続けに行われた。最初に行われたのは、「SUPER GT Honda Grand Prix」だ。GT500クラスに参戦する5台のNSX-GTと佐藤琢磨/ダニール・クビアトというスペシャルコンビが乗るNo.99 HSX-GTテストカー、計6台によるレースは7周ながら、ピットインが義務づけられた実戦さながらの形式でスリリングな展開に。
 

 

スタートからリードしたのがNo.17 KEIHIN NSX-GTのベルトラン・バゲットで、唯一ピットインを遅らせる戦略を採ったために終盤まで勝負の行方が分からなくなった。残り2周となった時点での17号車がピットインしてからがクライマックスとなる。
 



 

17号車の塚越はトップでコース復帰するも、すぐ後ろにはNo.1 RAYBRIG NSX-GTのバトンが迫る。しかし塚越はリードを保ったままフィニッシュ。これがSUPER GTでの最後のランとなったバトンは「みんな応援ありがとう」とスタンドに向かい何度も手を振った。
 


このレースで勝った塚越/バゲット。
NSX-GTでラストレースになったバトン、そしてコンビを組む山本、GT500ドライバーが声援に応える。

 

他カテゴリーのデモレースや60周年記念パレードなどが行われた後、SUPER GTドライバーとマシンは、フィナーレに再び登場。1周のパレードランを行った後、ホームストレート上に4輪、2輪のすべての参加マシンが整列すると、スタンドのファンに向け一斉にエンジン音を轟かせ、マシンからも今季の感謝をファンに伝えた。
 





 

最後はコントロールタワー脇に特設されたテントに全ドライバーが揃い、恒例のサイン会が行われた。4輪、2輪レース両方のHondaスーパースターたちのサインを一度に貰える機会は、おそらくこの「Honda Racing THANKS DAY」だけ。夕方はさすがに冷え込んだが、抽選でこの貴重なチャンスを掴んだHondaファンの熱気が覚めることはなかった。
 


2019年シーズンも熱くHondaを応援し、この日ツインリンクもてぎまで駆けつけてくれた1万7,500人のファンたちの心意気を間近に感じ、Hondaのドライバー&ライダーたちも来季の戦いに向け勇気づけられたに違いない。

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