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2019.11.24
【特別交流戦:公式予選 2】引退を電撃発表した中嶋大祐(No.16 MOTUL MUGEN NSX-GT)が予選最速タイムを記録

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SUPER GT × DTM 特別交流戦:公式予選 2 レビュー

「AUTOBACS 45th Anniversary presents SUPER GT×DTM 特別交流戦」は最終日11月24日(日)、午前にレース2の予選が行われた。ウエット路面での予選となり、No.16 MOTUL MUGEN NSX-GTの中嶋大祐が最速タイムを記録。ただし、16号車は公式練習でのマシン破損で車両交換を行ったため、レーススタートは5グリッド降格となる。予選2位には昨日のレース1に続きDTM勢のNo.28 BMC Airfilter Audi RS 5 DTMのロイック・デュバルが入った。

 

□公式予選 2  天候:雨 | コース:ウエット | 気温/路面温度 18℃/17℃(スタート時)

 

 

 

■NSX-GT勢が雨の予選で好走を見せる

この日の富士スピードウェイは、天候は回復してきているものの、雨が完全に上がるところまでは至っておらず、ミストのような霧雨が落ちていて路面はウエット。その中で、レース2の公式予選が午前9時にスタートした。視界は良好だが、走行するマシンの後方には水煙が上がっていた。

シリーズ戦では2人ドライバーで参戦するGT500クラスの各チームは、レース1とは別のドライバーが走るが、1人エントリーのNo.1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴)とNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大)とDTM勢はそのままとなる。

公式予選は20分間で行われるが、コースオープンと同時に全車がレインタイヤを装着してコースイン。序盤から2回目の予選となる一人参戦組がタイムを上げてきていて、セッションを折り返したところで1号車が47秒118でトップタイム。それにNo.33 Audi Sport RS 5 DTM(レネ・ラスト)が1分47秒586、No.99 Akrapovic Audi RS 5 DTM(マイク・ロッケンフェラー)が1分47秒692、そしてNo.11 BMW M4 DTM(マルコ・ヴィットマン)が1分47秒799と、3台のDTMマシンとドライバーが上位に並んだ。

そこに割って入ったのが、中嶋大祐が乗り込むNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GT。1分47秒648で、まず暫定3番手タイムを出す。その16号車と同じNSX-GTの17号車がそれを上回る1分47秒308で2番手に食い込んだ。その直後、セッションも残り1分となったところで再びアタックを行っていた16号車が1分47秒003のタイムでトップを奪う。

 

 

 

■前日のレース1に続きDTM勢のデュバルが2番手タイムに

前日2番グリッドを獲得しながらもコースイン時にマシンをクラッシュさせレース1を走れなかったNo.28 BMC Airfilter Audi RS 5 DTM(ロイック・デュバル)が、チェッカーフラッグが振られたタイミングで、この16号車のタイムを上回る1分46秒940でトップに躍り出るも、16号車はさらに1分46秒696へタイムアップを遂げ、レース2予選トップをマークした。そして、この最後のアタックで、No.64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン)が一気に1秒タイムアップした1分47秒034で3番手に上がり、予選は終了となった。

結果、トップタイムはNo.16 MOTUL MUGEN NSX-GTの中嶋大祐。2番手には昨日のレース1予選に続きNo.28 BMC Airfilter Audi RS 5 DTMのロイック・デュバル。3、4番手にNo.64 Modulo Epson NSX-GT(ナレイン・カーティケヤン)とNo.1 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴)とトップ4に3台のHonda NSX-GTが入った。28号車以外のDTM勢では、No.33 Audi Sport RS 5 DTM(レネ・ラスト)が1分47秒151で5番手、No.11 BMW M4 DTM(マルコ・ヴィットマン)が1分47秒327で7番手、No.99 Akrapovic Audi RS 5 DTM(マイク・ロッケンフェラー)が8番手(1分47秒396)となった。LEXUS LC500勢ではレース1優勝のNo.37 KeePer TOM'S LC500(平川亮)が9番手(1分47秒484)、NISSAN GT-R NISMO GT500勢は、脱輪で何度かセッション中のタイム抹消を受けたNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生)の17番手(1分48秒520)が最上位となった。

トップタイムの16号車だが、金曜日に行われた公式練習でクラッシュし、マシンを破損。修復にあたって車両交換をしたため、両レースともスタートポジションは5グリッド降格。レース2は6番グリッドからのスタートだ。そのため、28号車が繰り上がってポールポジションとなる。

また、中嶋大祐(No.16 MOTUL MUGEN NSX-GT)はトップタイムの中継インタビューで、今季をもってレーシングドライバーからの引退することを発表した。大祐はラストレースになる今日のレース2を「いつも以上に一生懸命走ります」と語った。そのレース2決勝は、午後2時26分にスタートする。

 

 

 

   

 

 

 

レース2・予選1位(スタートは6番グリッド)

中嶋大祐(No.16 MOTUL MUGEN NSX-GT)

「パラパラと落ちてきた雨が助けになった」

 

タイヤはセッション中に交換しませんでした。迷ったんですが、そのままアタックを続けて路面が乾いてくると、タイヤがタレてきてタイヤの性能がガクッと落ちるということも考えましたし、逆に換えた場合はタイヤを温めきれるかどうかの懸念がありました。僕自身はコースに出てしまうと外のことがわからないので、エンジニアさんにどっちがいいですかと相談し、すでにタイヤ交換しているドライバーの様子を見ながら、換えないほうがいいという判断をエンジニアさんがしてくれました。

(予選1位は)そのおかげです。もうフロントタイヤはギリギリの状態でした。一瞬、『やばいな。失敗したかな』と思ったんですが、最後のラップを諦めずアタックしていたらまたパラパラと雨が落ちてきたんです。それも助けになりましたね。ギリギリでトップタイムを獲れました。ただレース2予選でのベスト(トップ)タイムは出ましたが、決勝は(車両交換による)ペナルティで落ちてしまいます(5グリッド降格で6番グリッドからスタート)が一生懸命頑張って走ります。いい形でレースを終えられたらいいなと思います。

そもそも、いろんな方の協力がなければ今この場所にいないですからね(金曜日のフリープラクティス中に武藤英紀選手がクラッシュ)。それは感謝のひと言です。今回は金曜の朝(タイヤテスト)で雨の中で少し走っただけで、ぶっつけ本番のアタックになりましたが、(予選トップ獲得で)色々シーズン中にがんばってきたみんなの努力が報われたのではないかと思います。ヨコハマタイヤさんも含め、ともに戦ってきたみなさんがいろいろやってくれた結果だと思います。

 

 

 

 

レース2・DTM予選トップ(予選2位/ポールポジション)

ロイック・デュバル(No.28 BMC Airfilter Audi RS 5 DTM)

「アタックはうまく行ったが、残念ながら中嶋さんに先行された」

 

もうこの段階までくると、GT500と僕らDTMとの差はもうなくなっていて、イコールコンディションの戦いになってきました。晴れていようが雨になっていようがもう関係ないですね。1周のタイムアタックはすごくうまく行ったのですが、残念ながら中嶋(大祐)さん(16号車)に先行されてしまいました。中嶋さんは僕の日本のファミリー(かつてNAKAJIMA RACINGにも所属)でもあるんですけどね(苦笑)。

昨日のレースでは(ピットからグリッドへ向かう周回でクラッシュする)自分のミスで決勝を走れなかったので、今日こそは決勝できちんとグリッドにつけるようがんばりますよ(笑)!

アタック中は2セットのタイヤを使ってアタックしましたが、コンディションとしては昨日のアタックと似通った状況でした。アタックのタイミングもそのチャンスもそう。限られた中できちんと仕事ができたかどうか、でしたね。最初のセットでは周回を重ねるごとにどんどん良くなってきてはいるけれど、やっぱり”おいしい”のは1周だけ。だからそこでアタックをやめてピットインし、次のセットを着けてアタックする、という形で挑みました。結果、ラストラップのアタックでベストタイムをマークできたんです。え? レーススタートでは(トップタイムの)16号車が降格ですか? であれば、僕らが有利な状況でスタートが切れるんですね! 今日こそいい走りをお見せしたいと思います。

 

 

 

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