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- 2019.12.08
- 快晴の富士で“NISMO FESTIVAL”が開催!2万8000人のファンがGT-R&フェアレディZの生誕50周年を祝福
12月に入り急激に寒さが増す中、12月8日の富士スピードウェイは雲ひとつない青空の下で穏やかな陽気に包まれた。この日、日産/NISMOのファンにとって1年の締めのイベントとなる「NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY」が開催された。今年は日産のフラッグシップであり、SUPER GTとその前身である全日本GT選手権(JGTC)をはじめとする国内レースで活躍したGT-R(スカインラインGT-R)とフェアレディZの生誕50周年ということで、この2車種を特にクローズアップしたコンテンツが揃うことになった。
今年のSUPER GTでは、No.23 MOTUL AUTECH GT-Rが最終戦もてぎまでタイトルを争う健闘を見せた。しかし、ファンはもとより日産/NISMOの関係者が求めるのは、GT500クラスチャンピオンの獲得だ。このイベントで50年の重みを改めて噛みしめ、チームもドライバーもファンも来年のタイトル奪還に向け、モチベーションは大いに高まることになった。
■オープニングセレモニー
今年のオープニングは、参加全ドライバーがメインスタンドの通路を通って登場。そしてホームストレート上に並んでのセレモニーが行われた(トップ写真)。
まずは日産系チームの総監督を務めるNISMOの松村基宏COOが「GT500クラスでは苦しい戦いを強いられた今シーズンだったが、ファンの皆さんの1年間の熱い応援にはありがとうと言いたい。2020年はもっと強いクルマとなるようエンジニアたちが一丸となって開発に取り組んでいるので、ぜひ来シーズンは期待してほしい」と挨拶。
続いてドライバーを代表してNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rの松田次生が「最後までなんとかトップに食らいついて行けたとは思うが、欲しいのはやはりチャンピオン。来年はここにいる全てのドライバーが良い戦いをしてくれるはず。GT-Rは良いクルマなので、来年こそきっとタイトルに手が届くと思う」と、スタンドのファンに向かって力強くタイトル奪回を宣言した。
■レーシングカー同乗走行/サーキットサファリ
ファンにとって人気の高いレーシングカー同乗走行だが、その中でもSUPER GTマシンの同乗は最もスピード域が高い。それだけに、抽選に当たったファンはピットで順番を待っている間もかなり興奮気味。体験後に話を聞くと、その多くが「300km/hから一気に減速するハードブレーキングにシビれた」と、富士スピードウェイでしか体験できない魅力を満喫したようだった。
またサーキットサファリはSUPER GTでも定番だが、NISMO FESTIVALでは一味違った。それが、同乗する解説陣だ。3台のバスに乗り込んだ中には23号車の鈴木豊監督、No.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rの近藤真彦監督、そして本山哲エグゼクティブアドバイザー等の豪華メンバーだ。猛スピードで駆け抜けるレーシングマシンを間近に体感するとともに、貴重な話を聞くことができ大いに満足の様子だった。
■NISMO GP 2019
NISMO FESTIVALのクライマックスといえば、今年もGT500クラス、GT300クラスの参戦車両とその他のカテゴリーのマシン、計15台が速さを競う12周のレース「NISMO GP 2019」だ。グリッドウォークが行われた後、ポールポジションの23号車以下No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R、No.12カルソニック IMPUL GT-R、24号車、その後ろにGT300クラス車、スーパー耐久の車両と並び、レースがスタート。
トップ争いが接戦となった上、GT500クラス車両はピットインとドライバー交代が義務づけられ、そこで3号車を平手晃平から引き継いだのは昨季限りでGT500を引退した本山哲エグゼクティブアドバイザーというサプライズもあり、観客席は大いに沸いた。序盤は3号車、24号車が23号車の前に出る場面もあったが、ピットインを終盤まで引っ張った23号車はトップでコース復帰すると、追う3号車、24号車に約5秒差をつけチェッカー。スタートドライバーが松田で後半がロニー・クインタレッリという、いつもとは勝手が違っていた中で貫禄の勝利となった。
3号車を1年ぶりにドライブした本山エグゼクティブアドバイザー
■トークショー/パドック
レーシングコース以外にも今年も盛りだくさんのコンテンツが用意され、来場したファンは皆、1日中楽しめたようだ。またパドックでは企業のブースが所せましと軒を連ね、パーツ&アクセサリーの特売や限定販売、ドライバーを招いてのイベントなどいずれも中身の濃い催しが行われた。これもNISMO FESTIVALならでは風物詩で、多くのファンが訪れる魅力でもある。
SUPER GT関連では、日産自動車大学校が今年参戦したGT300クラスの平峰一貴/サッシャ・フェネストラズと近藤真彦監督によるトークショーを行えば、カルソニックブースでは佐々木大樹/ジェームス・ロシター&星野一義監督のサイン会、クラフトスポーツも平手晃平と田中利和監督のサイン会を行っていた。その他にもイベントエリアで平手、高星明誠のサイン会がサプライズで行われるなど、各所でドライバーたちとファンが触れあう機会があった。
■フィナーレ
「NISMO GP 2019」がチェッカーとなった午後3時半ごろから陽が傾き始め、楽しかったイベントもそろそろ終わりに近づく雰囲気となってくる。フィナーレでは再びドライバーたち全員がホームストレート上に整列。
NISMOの片桐隆夫CEOが「昨年のこのイベントで(SUPER GTのGT500クラス)タイトル奪回を宣言しながら、その目標を果たすことはできなかった。優勝1回、表彰台6回、ポール3回は、昨年と比較すると良い成績だったかもしれないが、本来の位置ではない。さらに強い気持ちで来年こそ必ず雪辱を果たしたい。皆さん応援よろしく!」と、改めて来季の目標が宣言した。
その後、ドライバーと監督、関係者全員でスタンドのファンに手を振り、1年間の応援への感謝を示した。