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2020.03.15
【公式テスト岡山・2日目】各車が開幕に向け走り込む。WAKO'S 4CR GR Supraとシンティアム・アップル・ロータスがトップタイム

【公式テスト岡山・2日目】各車が開幕に向け走り込む。WAKO'S 4CR GR Supraとシンティアム・アップル・ロータスがトップタイムの画像

公式テスト・岡山国際サーキット 3月15日(日)

3月15日(日)、岡山国際サーキットにおいてSUPER GT公式テストの2日目が実施され、午前と午後にセッションが行われた。前日はウエット路面の時間が長かったが、この日は時折小雨が舞うが、すぐに路面も乾きほとんどがドライコンディションでの走行となった。4月11、12日の開幕戦・岡山に向けて各車は精力的走り込み、マシンのセッティングやタイヤ選択などを行なった。

 

◎走行1回目 9:00-11:40(中断の影響で10分延長)
 天気/曇り 路面/ウエット>ドライ
 気温/5~9℃ 路面温度/7~14℃(開始時は5℃/7℃)

◎走行2回目 14:03-16:00
 天気/曇り 路面/ドライ
 気温/9~11℃ 路面温度/14~20℃(開始時は11℃/20℃)

 

 

午前はWAKO'S 4CR GR Supraの坪井が最後にトップタイムを記録

 今朝は雨こそ上がったものの、気温5℃と冷え込んだ。テスト2日目は9時にセッション3がスタート。コースはまだウエットだが、徐々に乾いてく。GT500クラスの各チームとも2月に行われたメーカーテストから走り込んでおり、開幕戦で使用するタイヤを選んだり、セッティングのデータを取るなど細かいメニューをこなしていく。特に前日は完全なドライコンディションの時間が短かったこともあり、今日のテストでは各チームともしっかりとタイヤを見極めたいところ。また、No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)やNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)などはタイヤ選択と平行して、さまざまなセッティングを試していた。

 

 開始30分でフルコースイエロー(FCY)訓練、そしてセーフティカー(SC)訓練が連続して行われた。今季から導入されるFCYだが、走行中にコースでアクシデント等が発生した場合に安全確保の為に実施される。FCYの導入が宣言されコースの各ポストでFCYボードが提示されるとその10秒後に黄旗が掲出され振動となるが、このタイミングでドライバーは80km/hまで速度を落とさなければならない。前日に続いての訓練では大きな混乱はなく各ドライバーともスムーズに減速し訓練は整然と進行。SC訓練も手順通り順調に進み、GT500とGT300それぞれで隊列が組み直されて、再スタートが切られた。

 

 

 

 この訓練が終了するとコースはすっかり乾き、ピットインしてウエットタイヤからドライタイヤに交換するチームが現れた。セッション開始直後には1分26~27秒台だったタイムも1分21秒台までアップした。このセッションでは5回の赤旗中断があったが、10時過ぎの2回目の赤旗はNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)の国本がモスSでクラッシュ。車体に損傷があったため、午後は走行できなかった。セッション中盤にはNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)の平峰が1分19秒489と1分 20秒を切ってくる。

 

 そして、赤旗中断が何度かあったためセッションは10分延長。その追加された最後にNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)の坪井が1分18秒123のトップタイムをマーク。2番手にもNo.36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)の関口が入り、この時間帯はTOYOTA GR Supra GTがワン・ツーとなる。3番手にNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)のバゲット、6番手にGT-R最上位のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)の松田だが、23号車も含めトップタイムから1秒の間に8台がひしめくという予選のような結果だった。

 

 NISSAN GT-R NISMO GT500を開発するニッサン・モータースポーツインターナショナル株式会社(NISMO)のCOOで日産系チームを統括する松村基宏総監督は「特別なことをやっているのではなく普通の準備をしています。タイヤ選択やサスペンションや空力のバランスの確認など。サスペンションや空力はそこそこ良くできていますし開発も進んでいます。タイムはコンディションやタイミングで良い時もあれば悪い時もありますが、これも通常どおりです。エンジンは従来のものとは別物でドライバーが運転しやすいものに仕上げています。まだやらなければならないことも多いけれど」と午前中のセッション終了後に語ってくれた。

 

 



午後はZENT GR Supraがトップ。MOTUL AUTECH GT-Rが2番手に入る

 午後のセッションは路面温度が低いこともあり予定を変更し、13時30分より15分間のフリー走行を行って一旦セッション終了。改めてコースインして前日のタイム順にグリッドに整列してスタート練習を行った。観客こそいないが、開幕戦さながらにSUPER GTマシンの雄叫びが岡山国際サーキットに響く。その後、各車はそれぞれのメニューに沿ってテストを続けた。またこのセッションでも途中でFCYの訓練が行われたが、どのチームもドライバーも混乱なく訓練をこなしていた。

 

 

 今季はマシン搭載のドライバー識別灯が刷新され、ドライバー名とクラス順位が表示できる新型のシステムが導入される。公式テストでは、このシステムのテストも行っている。従来型は第1と第2ドライバーを色で表わすだけだったが、新型ではドライバー名をアルファベット3文字までの略称で表示できる。今回は略称がイニシャル(例:立川祐路なら“YT”または“Y_T”)で認識具合を確認している。表示は間を置いて、クラス順位と替わっていく。また文字の表示色も複数あり、今回は白色がGT500、青色がGT300で試している。今後このテストでの視認性や表示内容を検討し、シリーズで使う仕様を決めていく。なお、この識別灯はフロントウィンドの上部(左右は各車で異なる)に設置されている。

 

 

 

 ディフェンディングチャンピオンであるNo.14 WAKO'S 4CR GR Supraの大嶋は午後のセッション前に「シェイクダウンからトラブルも少なく順調です。セッティングに関してもかなり多くのデータが取れていますし、午前中はトップも獲れて調子が良いです。でもテストですからいろいろ試している状態で、まだベストではありません。当然連覇を狙っていますが、まずは開幕戦で勝ちにいきたい」と話した。

 

 このセッション4では、レース想定やタイヤ選択のために多くのチームがロングの走行を行なったようで、タイムは全般的に控えめに。その中、No.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)の石浦がセッション終盤にマークした1分18秒193がトップタイムになる。2番手はNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのクインタレッリ、3番手はNo.36 au TOM'S GR Supraの関口。4番手にNo.100 RAYBRIG NSX-GTの山本と続いた。

 

 Honda NSX-GTの開発を担当する本田技術研究所 HRD Sakuraの佐伯昌浩NSX-GTプロジェクトリーダーは「他のメーカーがどんなメニューをやっているかは分かりませんが、(NSX-GTは)走るたびに良くなっていて、まだクルマのパフォーマンスは全部出し切れていないと思います。今年はフロントエンジン(レイアウト)になり、我々はチャレンジャーの立場です。もっと走る時間があれば良いのですが、セッティングもまだ一番良い部分まで絞り切れていませんし、シーズン中の伸び代があると思っています」と現状を語ってくれた。

 

 

 

 

GT300のトップ2はシンティアム・アップル・ロータスとSUBARU BRZ R&D SPORT

 GT300クラスのセッション3ではNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝)の加藤が、残り30分で1分25秒595のトップタイム。それにNo.34 Modulo KENWOOD NSX GT3(道上龍/ジェイク・パーソンズ)、JAF GT車両のGR Supraを導入したNo.52 SAITAMATOYOPET GB Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)と続いた。GT300初参戦のGR Supraをドライブする吉田は「初めて製作したクルマですが、トラブルもなく順調。でも、やりたいことはたくさんあります。去年はポールポジションを獲ったものの、優勝できませんでしたから、今年はまず初優勝が目標。カラーリングは開幕戦の時に変わる予定です」と笑顔を見せた。

 

 

 午後のセッション4では路面温度も上がったため、タイヤ選択に徹するチームも多かった。この時間帯はNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)の山内が1分25秒773で最速。2番手はNo.31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)の嵯峨、3番手は午前に1番手の2号車だった。この日の総合では、2号車が午前のタイムでトップ、2番手に61号車となった。

 

 

 

 

 

GT500クラス・トップタイム

坪井 翔(No.14 WAKO'S 4CR GR Supra)

セッションの最後で、それなりに走れました。クルマはまだベストな状態ではない中で、そしてトラフィック(混雑)の中であのタイムが出せたのは素直にうれしいです。僕はGT500が2年目。しかも今年は新しいチーム、新しいタイヤ、新しいクルマとすべてが初めてなので、このトップタイムは自信になりました。テストも順調に進んでいますが、GR Supraのデビューウィンを果たしたいという気持ちは強いです。実質的なチャンピオンチームでもありますし、嬉しいのですが、責任とプレッシャーも…。それに打ち勝って、良い結果につなげたいと思います。

 

GT300クラス・トップタイム

加藤寛規(No.2 シンティアム・アップル・ロータス)

岡山国際サーキットはマザーシャシーと相性が良いので、(僕らの)上位のタイムは予想していました。セッション終盤に柳田(真孝)選手がドライブしている時に電源が落ちて室内に煙が出るというトラブルもありましたし、決してすべてが順調というわけではありません。一発のタイムは出ますが、レース中のアベレージタイムとは異なりますし、手放しで喜べるものではないです。今年組む柳田選手は経験も豊富ですし、お互いにコミュニケーションを取りながら情報をすり合わせして、ひとつでも上の順位を狙って戦いたいと思います。願わくはチャンピオン獲得。ですが、まずはクルマの信頼性を高めて、荒れる展開のレースでもチャンスをつかんで勝ちたいです。

 

 

→ 【公式テスト岡山】走行1回目

→ 【公式テスト岡山】走行2回目/総合結果

→ 【公式テスト岡山】走行3回目

→ 【公式テスト岡山】走行4回目/総合結果

→ 【公式テスト岡山】エントリーリスト

 

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