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Race Report
2020.06.21
【SGT×GTS Special Race】Rd.1:記念すべき初のバーチャルレースは佐々木大樹が完勝!初代ウイナーに輝く

【SGT×GTS Special Race】Rd.1:記念すべき初のバーチャルレースは佐々木大樹が完勝!初代ウイナーに輝くの画像

 SUPER GTとグランツーリスモSPORTがコラボレーションし、ドライバー20名が参加したオンライン・バーチャルレース「SGT × GTS Special Race」Rd.1が開催されました。
 今大会はの舞台は富士スピードウェイ。GT500/GT300のクラス分けはなく、全選手がグランツーリスモSPORTのGr.3(FIA GT3相当)の車両で参戦します。なお、レジェンドドライバーの本山哲さんはNo.023 NISSAN GT-R、脇阪寿一監督はNo.39 GR Supraで参戦。各マシンのリバリーデータ(カラーリング)はファンの皆さんに制作いただきました。
 オンライン・レースのため、各選手は自宅などでプレイステーション4&グランツーリスモSPORTを用いての参戦。中には愛用(?)のバスタブモノコックやレーシングソファ(?)で臨む選手も。服装ではレーシングスーツにグローブとリアルレースさながらだったり、Tシャツだがグローブは必須だったりとバーチャルらしくそれぞれの個性も垣間見られたレースでした。
 

主なレギュレーションは下記の通り。

・予選は1回、時間は8分間。
・決勝レースは30周。
・スタートはローリングスタート。
・直線でのスリップストリーム効果は弱め(Weak)。
・タイヤはミディアムとソフトの2種類。
 決勝では必ず2種類を使用しなければならないが、スタート時の種類は自由。
・ピットインでの給油は自由。
・タイヤ種類と燃料残量(重量)でクルマのフィーリングは変化する。
・アクシデントの際は服部尚貴レースディレクターが判定。
 ペナルティの場合、該当車両は数秒間のスローダウンが課せられる。

 



 

予選:平川亮が快走!他を寄せ付けないアタックでポールポジション



 好天に恵まれた富士スピードウェイ。全20台がNo.10 星野一樹(NISSAN GT-R)を先頭に続々とコースイン。ここからリアルSUPER GTのタイムアタックさながらの僅か8分間の予選が始まった。タイヤは全員がソフトタイヤを選択。すでに各選手は事前の練習走行でマシンやタイヤの特性を把握しているが、リアル同様にセッション序盤にピットに戻りタイヤとセットを変更する者もいた。

 予選折り返しの4分を経過してNo.61 井口卓人(SUBARU WRX)がトップタイム。これに昨年のGT500王者No.14 大嶋和也(GR Supra)、GT300新鋭のNo.65 菅波 冬悟(Mercedes-AMG GT)が続く。ここで猛然と1回目のアタックを開始したのはNo.37 平川亮(GR Supra)で、1分36秒981を叩き出す。これにNo.31 中山友貴(GR Supra)、No.64 大津弘樹(Honda NSX)、No.3 千代勝正(NISSAN GT-R)らが1分37秒台で続く。
 ラスト3分でピットインをしていなかった平川らもタイヤを替えて、すぐさまラストアタックへ。先にアタックしたNo.100 牧野任祐(Honda NSX)が1分37秒035で2番手にジャンプ。そしてタイムアップを迎えてのファイナルアタックで、平川が1分36秒888と自身のトップタイムを更新。リアルでの富士GT300コースレコード(1分35秒707)には及ばなかったがポールポジションを確定した。2位は牧野、井口と大津もファイナルアタックで中山を上回って3、4位。5位に中山、6位は千代となった。

 レジェンド組ではNo.39 脇阪 寿一(GR Supra)、No.023 本山哲(NISSAN GT-R)が16、17位。グランツーリスモに自信のあった星野は、なんと18位で「ショックだ〜」と頭を抱える。

 

   


 

 

決勝レース:見事なレース運びで佐々木が逆転優勝!平川と千代は無念の結果に

 


 迎えた決勝レース、タイヤチョイスはちょうど10台ずつに分かれ、予選上位では平川と牧野、大津がミディアムを、井口と中山、千代がソフトを選択。
 ローリングスタートにより決勝レースは幕を開けた。まずは、順当にポールポジションの平川を先頭に、牧野、井口、大津と予選順にTGR(第1)コーナーへ。ここで予選13位のNo.16 武藤 英紀(Honda NSX)がTGRコーナーでNo.23 ロニー・クインタレッリ(NISSAN GT-R)をアウトに押し出してしまい、ストレートで1秒スローダウンのペナルティとなる。そして予選下位だった本山が、1周終わりで最初のピットインを敢行。脇阪も4周目と早めにピットインをする。上位ではソフトタイヤ勢の追い上げに大津が8番手まで後退し、予選7位のNo.60 吉本 大樹(LEXUS RC F)が徐々に浮上する。
 予選では頭抜けた速さをみせた平川だったがミディアムタイヤためか、後続を振り切れず6番手の千代までがほぼ一列縦隊の接戦に。ことにミディアムの牧野もソフトの井口、中山、吉本に迫られて激しく2番手を争う。また、予選14位のNo.38 石浦 宏明(GR Supra)と同18位でミディアムスタートの星野も追い上げ急で、5周目で7番手、11番手まで上がってきた。

 6周目のTGRコーナーでついに井口と吉本が牧野をパス。さらに勢いに乗る吉本は翌周に平川も抜いて、トップに立つ。この頃、本山のマシンに電気系トラブルが発生して残念ながらリタイアとなった。9周目に平川がピットイン。給油を少なめにして2ストップ作戦のようだ。これでトップは吉本と井口が激しく争い、これに石浦と千代が続く。大津はそれより早くピットインし、ソフトをいたわって走る作戦のようだ。

 レース中盤は井口がリード。1秒ほど離れて吉本と石浦、千代の2番手集団。その後ろには中山、牧野。不気味なのはミディアムタイヤで終始7、8番手を走るNo.12 佐々木大樹(NISSAN GT-R)だ。牧野は13周でピットインするが、給油は行わず、彼も2ストップ作戦のようだ。リアルレースと違い、このレースでは選手がマシンの変化と燃料計を見て、ピットタイミングや給油量、タイヤ選択を自分で考える。この走りながらの計算が、レース後半に勝敗を分けることになる。

 

 

 レースの折り返し、14周終わりで千代がピットイン。こちらは満タン給油で1ストップ作戦だ。そして同時に入った武藤はタイヤ選択ボタンを押し間違えて、ソフトからソフトでピットアウト。すかさず服部ディレクターからもう一度タイヤ交換の指示が入ってしまう。

 15周を過ぎてもソフトタイヤで逃げるトップ井口だが、コーナーでの踏ん張りが利かなくなる。16周目に井口、吉本、中山もピットイン。これでミディアムタイヤをいたわり、燃費走行を続ける佐々木がトップに。あとは彼がいつピットに入るか?そして2番手に上がった平川はもう一度ピットが必要だが、それに見合う速さを出せるかが焦点となった。
 17周、テクニカルなセクター3でタイヤが滑りまくる佐々木は、これでピットイン。そして平川もピットインするが、なんと今回も無給油。3ストップ作戦だ。これでトップは牧野、2、3番手は千代と井口。大津が2度目のピットインを行い、スピードに勝る平川がまた上位に上がってくる。

 ラスト8周、2度目のピットインをする牧野だったが、なんと電気系のトラブルが発生。勝てるレースを失ってしまった。これでトップは平川。だが23周終わりで最後のピットイン。11番手に下がるがどこまで追い上げられるか?
 残り6周となり、トップに立ったのは1ストップのオーソドックな作戦を採った佐々木。ソフトタイヤで逃げ切れるか?2秒差でミディアムの千代と井口が追い上げる。4番手の石浦はさらに7秒後方。そして、7番手につける2ストップの大津がペースよく上がってくる。終盤、燃費が気になる千代は佐々木から遅れ出して、テールには井口が迫る。
 ついにレースも残り2周。トップ佐々木は安定した走りで、2番手争いに5秒以上のマージンを得る。千代を攻略して井口が2位に浮上。そして速さに勝る大津が4番手に上がるが、3番手の千代は7秒先行しており、表彰台は難しいかと思われた。

 

 

 そして、ファイナルラップも危なげなく走り切ったNo.12 佐々木大樹(NISSAN GT-R)が、「SGT×GTS Special Race」Rd.1で最初のチェッカーフラッグをくぐり抜ける。2位争いはTGRコーナーで千代が再び前に。このまま決まりかと思われたが、最終のパナソニックコーナーを抜けた千代が突如スローダウン。「ピットインで周回の計算を間違え、後半は燃費走行をしました。残り2周で(燃費の)残り周回表示と同じになり『これで行ける』と井口君とバトルしたのですが、それで(燃料を)使い過ぎちゃったかもしれないですね…」と千代。これで2位はNo.61 井口 卓人(SUBARU WRX)に、3位は2ストップ勢で最上位となるNo.64 大津 弘樹(Honda NSX)が獲得した。
 

 



優勝:No.12 佐々木大樹(NISSAN GT-R)
「このレースでは(前半に集団の中で)スリップ(ストリーム)が効くので、ミディアムタイヤでどれだけタイムを稼げるかが勝負でした。それで後半はソフトにして、バシッと行く作戦でした。あまりバトルはありませんでしたが、タイヤマネージメントには自信があるので、その自分の良さが活かせたと思います。実際のレースではピックアップ(タイヤかすの付着で遅くなる)という要素が絡みますが、タイヤ(のグリップ)をキープさせる自信があるので、それが(このバーチャルレースでも)生きたと思います」

 


 

決勝レースリザルト

  ※晴れ/ドライ(天候/コース)

Po No Driver Machine Time(Diff.) Q-Pos
1 12 佐々木大樹 GT-R ニスモ GT3 50'01.251 8
2 61 井口卓人 WRX Gr.3 07.680 3
3 64 大津弘樹 NSX Gr.3 12.851 4
4 38 石浦宏明 GRスープラ レーシングコンセプト 14.147 14
5 10 星野一樹 GT-R ニスモ GT3 15.182 18
6 3 千代勝正 GT-R ニスモ GT3 17.169 6
7 37 平川 亮 GRスープラ レーシングコンセプト 19.161 1
8 60 吉本大樹 RC F GT3 25.488 7
9 31 中山友貴 GRスープラ レーシングコンセプト 26.031 5
10 65 菅波冬悟 メルセデス AMG GT3 26.138 11
11 16 武藤英紀 NSX Gr.3 31.320 13
12 14 大嶋和也 GRスープラ レーシングコンセプト 35.545 15
13 25 松井孝允 911 RSR (991) 37.457 9
14 23 ロニー・クインタレッリ GT-R ニスモ GT3 39.780 12
15 34 道上 龍 NSX Gr.3 42.442 10
16 39 脇阪寿一 GRスープラ レーシングコンセプト 49.347 16
17 52 吉田広樹 GRスープラ レーシングコンセプト 1'12.120 20
18 55 高木真一 NSX Gr.3 1Lap 19
19 100 牧野任祐 NSX Gr.3 9Laps 2
20 023 本山 哲 GT-R ニスモ GT3 25Laps 17

 


 

 プレミア公開を見逃した方は下記のURLよりご覧いただくことができます。
 レース実況はピエール北川アナウンサー、ピットレポートは高橋二朗さんと、リアルSUPER GTさながらにお届けしています。

 

SGT × GTS Special Race Rd.1 (YouTube)

 


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