News

Race Report
2020.08.08
Rd.2 公式練習:開幕戦に続き公式練習はRAYBRIG NSX-GTがトップタイム!GT300はシンティアム・アップル・ロータスが最速に

Rd.2 公式練習:開幕戦に続き公式練習はRAYBRIG NSX-GTがトップタイム!GT300はシンティアム・アップル・ロータスが最速にの画像

第2戦 富士スピードウェイ:公式練習レビュー

AUTOBACS SUPER GT第2戦「たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE」が8月8日(土)に、開幕戦に引き続き富士スピードウェイで始まった。第2戦も無観客開催となったが、レーススケジュールは昨年通りの土曜に予選、日曜の決勝の2日間の日程に戻った。この日午前の富士は曇り。両クラスの各車はデータ収集やマシンやタイヤの確認、ドライバーの習熟、そして午後の予選アタックのシミュレーションなどを行っていた。

 

□公式練習 天候:曇り| コース:ドライ | 気温/路面温度:開始(9:45)28度/39度、中盤29度/43度、終了29度/41度

 

 

GT500 Class
■GT500クラスはRAYBRIG NSX-GTがトップ。Honda NSX-GTがワン・ツー

 公式練習は午前9時45分より混走90分間、専有走行各クラス10分間で始まった。天候は曇り。コースはドライ。開幕戦では濃霧により開始時刻が大幅に遅れるハプニングがあったが、第2戦は良好なコンディションのもとでの走行となった。

 

 序盤トップに立ったのはNo.17 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)の塚越で1分28秒446。2番手はNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)の平手が1分28秒771。さらにNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)のクインタレッリが1分28秒859、No.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)の平峰も1分28秒885と2~4番手を占め、NISSAN GT-R NISMO GT500勢が好調だった。

 

 開始25分すぎにNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)の福住が1分28秒790で3番手に浮上。No.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT(武藤英紀/笹原右京)の笹原も1分29秒160で6番手。時間が進むとHonda NSX-GT勢の若手が上がってくる。

 

 開始35分過ぎに13コーナー手前でNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMSがストップ。これにより赤旗が提示されてセッションは一旦中断となった。マシンを回収して、午前10時24分に走行は再開。各車一斉にコースインする。
 ここでNo.17 KEIHIN NSX-GTはベルトラン・バゲットに、No.8ARTA NSX-GTは野尻智紀に交代。多くのチームがロングランに入る中、8号車の野尻は残り時間が40分を切ったところで1分28秒578を記録して2位に浮上してきた。

 

 

 また、今大会でNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraの第2ドライバーに抜擢された阪口晴南は、赤旗中断後に待望のGT500マシンに乗り込む。さらに専有走行も走り続け、チームのベストタイム1分29秒157を記録して、公式練習の11位につけた。
 2クラス混走は残り時間が5分を切ったところでNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)の宮田が、ホームストレート後半、ピット寄りのコース上でストップ。これにより2回目の赤旗が出されて、混走時間はそのまま終了となった。なお、19号車はこの後の専有走行は走れずに終わっている。

 

 19号車の車両回収を行った影響で、専有走行は当初予定より3分遅れて午前11時18分よりGT300クラスから開始され、GT500クラスの走行は午前11時28分より10分間で行われた。
 最初にタイムを更新してきたのは12号車の平峰。1分28秒464を記録して2番手に浮上する。
 しかし、その直後。No.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)の牧野が1分28秒062を叩き出して、一気にトップに躍り出た。No.17 KEIHIN NSX-GTはバゲットがタイム更新ならず2位で走行終了。そして12号車が3位という結果となった。
 TOYOTA GR Supra GT500勢の最上位はNo.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)で、セッション最後に石浦が1分28秒873を記録して8位だった。開幕戦では上位5台を独占したGR Supra GT500だが、その分搭載されたウェイトハンディの影響がそのまま順位に反映された格好となった。

 

 

 

 

GT300 Class

 

■GT300はシンティアム・アップル・ロータスの2人がトップタイムを競う

 GT300クラスもコースオープンとともに、大半のマシンがコースインしていく。10分経過には前戦優勝のNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)の吉田とNo.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3(藤井誠暢/ケイ・コッツォリーノ)の藤井がコースに入り、第2戦から参加となったNo.35 arto RC F GT3(佐々木雅弘/堤優威)も含めシリーズエントリーの30台がコースに出揃った。

 まずNo.360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/柴田優作)の青木が1分38秒247のトップタイムを刻み、これがターゲットタイムになる。そして、4分ほどでNo.2 シンティアム・アップル・ロータス(加藤寛規/柳田真孝)の柳田が1分37秒441と37秒台に入れて、トップを奪う。この時点ではその後ろには360号車、No.55 ARTA NSX GT3(高木真一/大湯都史樹)の高木、No.6 ADVICS muta MC86(阪口良平/小高一斗)の阪口、No.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)の蒲生と続く。
 そして、開幕戦を制して60kgのウェイトハンディを積む52号車の吉田が7番手タイムを出す健闘を見せ、さらにタイムを1分38秒202まで刻んで4番手に上がる。

 32分を経過した10時17分に、9号車(藤井)が4番手タイムを記録するが、その直後にNo.21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(川端伸太朗/近藤翼)の川端が、13コーナーアウトにマシンを止めてしまう。これで、赤旗が提示されて走行中断となる。なお、21号車はマシン修復の後、走行を続けている。
 走行再開後、10時33分にNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)の山内が1分37秒677で3番手に浮上。この後は、各車が決勝に向けたロングラン想定の走行やペアドライバーの走行に移ったか、トップ6に変動はなかった。

 GT300クラスの専有走行が間もなくと言うところで、GT500車両がストレートでストップして2度目の赤旗に。このため、再開後すぐにGT300専有走行の10分間に入った。ここで、No.2 シンティアム・アップル・ロータスの加藤が柳田のトップタイムを連続更新。最終的に1分37秒229で、この公式練習の1番を獲得した。2番手は序盤にベストタイムを出したNo.360 RUNUP RIVAUX GT-R。3番手はNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT。4番手には専有走行で阪口がタイムを縮めたNo.6 ADVICS muta MC86。そして5番手はNo.55 ARTA NSX GT3。前戦優勝のNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTは川合が専有走行でチーム最速を出して10番手と、連続のポイント獲得が期待されるパフォーマンスを示した。

 

   

 

 

 

GT500クラス・トップタイム

牧野任祐(No.100 RAYBRIG NSX-GT)

「セットアップに関してはまだちょっと悩んでいる」

(トップタイムは)特別なにか意識しているわけでもありません。まだ公式練習の段階ですし、予選に向けていろいろとやっているところなので。特に(トップだからという)意味はないですね。

セッション中は路面温度がどんどん上がってくる状況だったので、それに合わせていろいろやっていました。ただ、予選の路面温度がどうなるかはわからないので、そこをどういう風にアジャストしていくかを考えていました。

セットアップに関してはまだちょっと悩んでいるという感じですか。予選も決勝に向けても、もうちょっと改善していく部分はあると思います。今回は予選の時間帯(GT500開始は午前3時3分)が前回(同午前10時3分)とずいぶん違いますし、決勝のこともしっかりと見据えていろいろ準備していきたいです。

 

GT300クラス・トップタイム

加藤寛規(No.2 シンティアム・アップル・ロータス)

「高橋一穂さんの思いも乗せて頑張りたい」

トップタイムであったことはもちろん良かったのですが、そもそも速い人たちが前回のレースでウェイトハンディを積んでいるので、今回の我々としては『この公式練習でトップを獲れるくらいでないと、決勝レースで優勝を狙っていくことは厳しいねぇ』という気持ちでした。それでセッション中はいろいろ試していました。

レースでは、速さを優先していくか、ロングランのペースの良さを優先していくか、タイヤ選択を含めて天候を見ながら検討していきます。まぁ、どっちに振っても良いところに行けるとは思っています。基本的な速さはあるので。優勝まで届くかどうかは分かんないですけど、自分たちのベストを出せば表彰台には絶対に届くと思っていますから、そこで最後の最後のところを僕と柳田(真孝)選手がそれぞれの経験を生かしてうまく拾っていって、そして優勝につなげたいなと思っています。

長く僕と一緒にSUPER GTを戦ってきてくださった高橋一穂さんが昨シーズンをもってSUPER GTでの第一線を退かれました。僕らのチームやマシンは、高橋さんの熱意がそもそも作り出したものです。高橋さんの熱意が、まず由良(拓也)さんを動かし、横浜ゴムさんを動かし、ロータス本社を動かし、そしてこの形(マシン)が完成しているんです。だから、高橋さんの想いも乗せてがんばりたいと思っています。

 

 

Page Top