2020.08.22

Rd.3 予選GT500：Modulo NSX-GTが予選を完璧に制してポールポジション！伊沢は13年目で嬉しい初ポール奪取

第3戦 鈴鹿サーキット：公式予選 GT500レビュー

2020 AUTOBACS SUPER GT第3戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』の公式予選が8月22日（土）、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。GT500クラスはNo.64 Modulo NSX-GT（伊沢拓也／大津弘樹）の伊沢が13年になるGT500キャリアで初となるポールポジション（予選1位）を獲得。GT300クラスはNo.31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT（嵯峨宏紀／中山友貴）の嵯峨が獲得した。この2台は明日午後1時にスタートする決勝レースで、それぞれの隊列の先頭からスタートする。

 

 

 

　今季初の鈴鹿サーキットでの走行になったこの日、GT500クラスの予選Q1開始時点の気温は34℃、路面温度は51℃と公式練習よりさらに上昇。厳しいコンディションでの戦いとなった。

　GT500クラスの予選Q1は午後3時03分開始。10分間の走行で上位8台がQ2進出の権利を得る。まずはNo.36 au TOM'S GR Supra（関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ）のフェネストラズ、No.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R（平手晃平/千代勝正）の平手が残り時間8分でコースイン。一方No.23 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生/ロニー・クインタレッリ）はコースオープンになってからタイヤを装着するという余裕を見せる。松田がQ1を担当した23号車は、ライバルにも、他のNISSAN GT-R NISMO GT500勢よりも早く今季2基目のニューエンジンを投入（年間2基の制限）して、そのスピードに自信があるようだ。

　そして、残り時間が7分を切る前には他のチームも続々とコースイン。23号車もここで戦列に加わった。気温、路面温度共に高く、タイヤへの負担が大きいこともあり、今回は全てのドライバーがアウトラップに続いてウォームアップ走行を1周のみ行い、3周目にタイムアタックに入るというやり方をとった。

　まずはNo.17 KEIHIN NSX-GT（塚越広大/ベルトラン・バゲット）の塚越が1分46秒764となかなかの好タイムを記録。だが直後にNo.64 Modulo NSX-GT（伊沢拓也/大津弘樹）の大津が1分46秒160を叩き出してトップに立つ。

　No.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT（武藤英紀/笹原右京）の笹原は1分46秒992で一時3位につけていたが、終盤に入るとNo.38 ZENT GR Supra（立川祐路/石浦宏明）の石浦が1分46秒631で2番手、No.23 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生）も1分46秒500と16号車と38号車のタイムを上回って2番手に飛び込んだ。最後にNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra（国本雄資/宮田莉朋）の宮田が1分46秒931を記録したところでチェッカー。

　これでQ1はGT500ルーキーの大津が駆るNo.64 Modulo NSX-GTが公式練習に続いてトップを獲得した。No.23 MOTUL AUTECH GT-Rが2番手、No.38 ZENT GR Supraが3番手と3メーカーのマシンが均衡するトップ3となった。

　中でもHonda NSX-GT勢は、出走5台中4台がQ2進出を果たす圧倒的な速さ。ただ優勝候補にも挙げられていたNo.8 ARTA NSX-GT（福住仁嶺）は14位と、ここで予選を終えた。またポイントランキングトップのNo.36 au TOM'S GR Supra（サッシャ・フェネストラズ）は12番手、ランキング2位のNo.37 KeePer TOM'S GR Supra（ニック・キャシディ）も11番手とウェイトハンディの影響もあってか、TOM'Sの2台はQ1で敗退した。

 

 

 

　Q2は定刻の午後3時41分から10分間の戦いだ。残り時間が8分を切ったところでNo.17 KEIHIN NSX-GT（塚越広大/ベルトラン・バゲット）のバゲットが最初にコースイン。続いてNo.100 RAYBRIG NSX-GT（山本尚貴/牧野任祐）の牧野、No.64 Modulo NSX-GT（伊沢拓也/大津弘樹）の伊沢、No.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT（武藤英紀/笹原右京）の武藤とHonda NSX-GT勢が早めにタイムアタックを開始した。

　一方、No.23 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生/ロニー・クインタレッリ）のクインタレッリは残り時間5分30秒でコースイン。最後にNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra（大嶋和也/坪井翔）の坪井が残り4分30秒でコースインして、各車アウトラップに続いて1周のウォームアップランと、予選Q1と同じ方法でタイムアタックを行った。

　最初に動いたNo.17 KEIHIN NSX-GT（ベルトラン・バゲット）は1分47秒635、No.100 RAYBRIG NSX-GT（牧野任祐）も1分48秒122といまひとつタイムが伸びなかった。しかし、No.64 Modulo NSX-GTの伊沢拓也は公式練習以上の走りを見せて、正に頭抜けた1分46秒239を記録してトップに立った。

　少し遅れて走行を開始したNo.23 MOTUL AUTECH GT-R（ロニー・クインタレッリ）はセクター1でベストタイムを更新する速さを見せたものの、トップの伊沢には僅かに及ばず1分46秒699で2位に終わり、64号車が公式練習、予選Q1、Q2と、ここまでの3セッションでトップを独占する結果となった。最後にタイムアタックを行ったNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra（坪井翔）は1分46秒899で、4番手に食い込んだ。

　これにより、GT500クラスのポールポジションはNo.64 Modulo NSX-GT（伊沢拓也／大津弘樹）が獲得。伊沢は2007年の第6戦鈴鹿のGT500デビュー以来、自身の走りで獲得した初めてのポールポジションとなった。Honda NSX-GTとしては、第2戦のNo.8 ARTA NSX-GT（野尻智紀/福住仁嶺）に続いて今季2度目だ。

　予選2位はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生／ロニー・クインタレッリ）。ここ2戦で苦しい走りだったNISSAN GT-R NISMO GT500勢に、光明を見せたニューエンジンでの速さだった。同3位はNo.38 ZENT GR Supra（立川祐路/石浦宏明）の立川。38号車の立川と言えば、ご存じの最多ポールポジション男だがTOYOTA GR Supra GT500では速さを示せていなかったが、ここに来てようやく噛み合って来た感じだ。明日の決勝レースでは、3メーカーがスタートから激しいつばぜり合いを見せてくれそうだ。

 

 

 

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