2020.08.23

Rd.3 決勝GT500：速さと強さがついに復活！MOTUL AUTECH GT-Rが荒れたレースを完勝

第3戦 鈴鹿サーキット：決勝 GT500レビュー

2020 AUTOBACS SUPER GT第3戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE』の決勝レースが8月23日午後、三重県の鈴鹿サーキット（1周5,807m×52周）で行われた。GT500クラスはNo.23 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生／ロニー・クインタレッリ）が3度もセーフティカーが導入される荒れたレースを見事に制して、今季初優勝を飾った。GT300クラスもNISSAN GT-RのNo.11 GAINER TANAX GT-R（平中克幸／安田裕信）が優勝した。

 

 

 

　第3戦鈴鹿サーキットでの、決勝は午後1時にフォーメーションラップがスタート。この時点での気温は32度。52周のホットで激しい戦いは、序盤からアクシデントが相次いだ。スタートでトップに立ったのはポールポジションのNo.64 Modulo NSX-GT（伊沢拓也/大津弘樹）の伊沢。これに予選2位のNo.23 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生/ロニー・クインタレッリ）のクインタレッリが背後から執拗にプレッシャーを掛け、デグナー手前で並びかけるが、伊沢はこれを退ける。その後方でGT300車両が接触し、早くも1周目でセーフティカーが導入された。

 

　5周目からレースは再開。ここでNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT（武藤英紀/笹原右京）の武藤が、左後輪のトラブルのため最終コーナーでコースアウト。結局、ここでレースを終えた。

 

　リスタートから一気に後続を引き離したいトップの64号車だったが、ペースが思うように上がらない。6周目の日立オートモーティブシステムズシケインで23号車のインをついて2位に浮上したNo.38 ZENT GR Supra（立川祐路/石浦宏明）の立川の接近を許す。23号車も離されずに追走し、トップ3がテール・トゥ・ノーズに。さらに13周目に入る頃にはNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra（大嶋和也/坪井翔）の大嶋、No.100 RAYBRIG NSX-GT（山本尚貴/牧野任祐）の牧野も加わって、トップ争いは5台の接近戦となった。

 

 

　13周目、23号車のクインタレッリは周回遅れに詰まった38号車をパスして2番手に浮上。さらに15周目のダンロップコーナーで64号車のインをこじ開け、ついにトップを奪う。ペースが上がらない64号車は見る間に7番手までポジションを下げてしまう。

 

　2番手の38号車だったが、100号車に16周目のスプーンカーブで抜かれて後退。これで100号車がトップ23号車の追撃に入る。ところが、その後方でNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R（高星明誠/ヤン・マーデンボロー）のボンネットが脱落し、バックストレートのコース上ど真ん中に落下するというアクシデントが発生。これを取り除くために、2度目のセーフティカーとなった。パーツ回収を終え、23周目にレースは再スタート。この時点で所定のピットインが可能となったため、各チームが相次いでピット作業を行なった。

 

　最初にピットインした上位は38号車と64号車。38号車にはギヤボックスのトラブルが発生しており、ピットから出ることなくレースを終える。続いて2番手の100号車がピットイン。さらに次の周にトップの23号車が素早くピット作業をこなし、実質のトップをキープしてコースに戻った。

 

　レースを続けるGT500全車がピット作業を終え、トップにNo.23 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生）が戻った29周目。2コーナー立ち上がりでGT300車両同士が接触し1台がコース近くでストップしてしまったため、この日3度目のセーフティカー導入となる。この時点で、トップは23号車、2番手はNo.100 RAYBRIG NSX-GT（山本尚貴）、3番手には予選12位から着実に順位を上げてきたNo.36 au TOM'S GR Supra（関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ）の関口がつける。

 

 

　レースは34周目に再開。23号車の松田は、ここから着実に後続を突き放す走りを見せ、2番手の100号車との差を40周目に2秒215、50周目に7秒051と広げていく。結局、3秒725のリードを保ったままフィニッシュ。No.23 MOTUL AUTECH GT-R（松田次生/ロニー・クインタレッリ）が、2018年第2戦富士以来の優勝を掴んだ。また、この2戦は苦戦を続けていたNISSAN GT-R NISMO GT500勢にとっては、復活の光明となる今季初勝利となった。松田にとっては、自身が持つGT500最多勝をさらに21勝と積み重ねた。

 

　2位にはNo.100 RAYBRIG NSX-GT（山本尚貴/牧野任祐）。3位には3戦連続の表彰台で、ランキングトップを守ったNo.36 au TOM'S GR Supra（関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ）となった。

 

 

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