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Race Report
2020.09.12
Race Day Report : 第4戦 予選日レポート Part1

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くもり?雨? 天候が気になる今日のもてぎ

 

 

おはようございます。今シーズン第4戦を迎えたSUPER GTは、「FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE」として戦いの舞台を栃木・ツインリンクもてぎへと移しています。

 

前日から不安定だった空模様は、今日も変わらず。湿った空気がサーキットを包み込んでいるような感じです。午前9時時点で雨は落ちていませんが、この先、天候はどのように変化していくのでしょうか。

 

 

 

 

No.88 JLOC ランボルギーニ GT3の協力を得て救出訓練を実施

 

SUPER GTでは毎戦、実際のSUPER GTマシンを使用して、車両からドライバーを安全に救出する手順を確認し技術を磨く救出訓練を行っています。今回はNo.88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)の実車提供協力を得て行われました。

 

 

 

 

 

救出訓練は通常はピットロード上で行われていますが、今回は降雨の可能性があったため、JLOCのさらなる協力を得て同チームのピット内で実施されました。今シーズン各レースにおける救出訓練は“密”の状態を避けるために2班に分けて行われており、今回も各参加者のマスクや手袋の着用、靴などへのアルコール消毒といった新型コロナウイルス感染症拡大防止に対する十分な配慮を効かせながらの訓練実施でした。

 

訓練の指導役であるFRO(First Rescue Operation)スタッフの古川 誠さんからは、Gセンサーやマフラーなどの位置が車両によって異なること等についての説明がまず行われ、その後、訓練の実技を実施。その模様を観察していたFRO古川さんからは「さすが、もてぎのオフィシャルの方々だけに、手順などには一切問題はありません」との寸評があり、その上で「車両から救出するドライバーの身体の向きに、バックボード(救出後のドライバーをまず横たえさせる救急道具)の向きを合わせておけるとなお良いですね。現場の状況にもよりますが」とのコメントが加えられていました。

 

 

 

 

 

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【The Voice】
ただいま奮闘中!

 

 

早いもので、今シーズンもこのもてぎ大会で前半戦が終了します。待ちわびた戦いが始まったや否や、各チーム、ドライバーの皆さんはそれぞれベストを尽くして挑戦を続けています。とはいえ、レースは結果が求められる勝負の世界。思うような成績が残せないでいると、「あのチーム、今シーズンはどうしたんだろう?」などと、心配するファンの方々もおられるかもしれません。

 

そんな中、今シーズンのHOPPY team TSUCHIYAでは、参戦車両を86MCからPORSCHE 911 GT3 Rへとスイッチしたのですが、土屋武士監督曰く「“産みの苦しみ”じゃなく、“作る喜び”」で臨んでいるとのこと。一方、ドライブする松井孝允選手はどう捉えているのでしょう。現状を伺いました。

 

 

 

 

松井孝允(No.25 HOPPY Porsche)

 

 

・第3戦までを振り返り
本音としては、3戦目までにもうちょっと上位にいたかったという思いはあります。でも、クルマを新しくしたという部分ではしょうがないのかなとも思っています。1年目のクルマということで、クルマの部分、タイヤの部分で最初は苦労していた部分がすごくあったんですが、3戦が終わって方向性がすごく見えてきたという感じです。ただ、すぐに上位に行けるかと言うとなかなか難しい部分もあります。でも、確実に進歩はしていますね。それは、やはりこれまでクラスチャンピオンを獲得しているチームだからこそ。(クルマを作り上げる)方向性を間違っていないこと、これが一番大きいと思います。

 

(今季)チャンピオンを獲れるかと言われたら、なかなか厳しい部分でもあるのですが、間違いなくその力はあると思います。なので、今年まず1勝を目指し、来年につながる戦いができれば、間違いなくチャンピオン争いにも絡めると思ています。(これまでに)チャンピオンを獲っているチームなので、その辺はすごく心強いし、頼りにもしています。

 

・マザーシャシーからの転向
(今季は86MCからポルシェにスイッチすると聞いたときは)これまでマザーシャシーとして(の特徴が他車よりも優位である等)あれこれ言われていた部分があったので、僕自身は、今季GT3に変わったことでどう戦うかという楽しみの方が大きかったですね。(ライバルたちと)同じスタートラインに立って、どんなふうに戦えるのかなという楽しみを感じています。

 

86MCとポルシェの違いですか? もちろん、一番は駆動方式の違いですかね。RR(リヤエンジン、後輪駆動)という部分はポルシェならではの部分でもありますが、一方で今まで乗ったことのある他のポルシェとの違いもあります。型落ちのGT3やRSRにも乗った経験がありますが、それでも今年のこのポルシェに関しては今までの考え方(乗り方)では通用しないことがたくさんあります。正直、余計に苦労しているという感じです。

 

ポルシェは性格としてすごくおとなしいですよ、意外と。なので、やさしく乗ってあげたほうがいいんですが、ただそういう部分はマザーシャシーと変わらないですね。マザーシャシーはどうしても尖っている部分があったんです。逆に、ポルシェはその部分ではわりとマイルド。どちらかと言えば、内に秘めているものを引き出してあげるような感じでしょうか。その秘めたものをどう引き出すかを、“エンジニア”の(土屋)武士さんが考えてくれています。また、今年からデータエンジニアさんがチームにジョイントしているので、作業スピードもより早くなったと思います。

 

・ただ今、試行錯誤の真っ最中
理論的に(セットアップ)を詰めていくという部分は必要ですが、一方で、それとはかけ離れたところでやるべきこともありますね。普通は考えないだろう、というようなセットアップをしていかないと、このポルシェって走らないのかな、という気もしています。試行錯誤していますが、今シーズンは同じサーキットで何度もレースがあるし、前のレースデータを次のレースで活かすことができるじゃないですか。このデータがクルマを作る力として役に立ってます。

 

なので、ずっとこんな状況で終わる気もないし、今どんどん良くなってきているし、(今後は)確実にいい戦いができるようになると僕は思っています。ヨコハマタイヤさんもすごくがんばってくれています。最初はほんと大変だったようですが短時間で結構がんばってくれて、僕らと一緒になって戦ってくれているという感じですね。心強いパートナーです。また、ファンの皆さんにも「もうちょっと待っててください。今、ポルシェのいいところをみんなで一生懸命探しています」と伝えたいですね。

 

 

 

 

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【The Voice】
雌伏の時を送るGOODSMILE RACING & TeamUKYO 谷口信輝選手に聞く

 

 

2011年、2014年、2017年と、過去10年のうちに3度もGT300クラスのドライバータイトルを獲得しているGOODSMILE RACING。谷口信輝/片岡龍也のコンビも9年目となった今シーズンはマシンを新型のメルセデス AMG GT3に切り替えて戦っていますが、開幕3戦を終えて最上位は8位(第3戦鈴鹿)、ドライバーランキングは13位という結果に留まっています。そんなNo.4 グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口選手に今回の第4戦もてぎの直前にお話を聞きました。

 

 

 

 

「全力を尽くしている。でも僕らの努力だけでは埋め難い差がある」

 

 

・今シーズンこれまでのレースをどのように評価していますか?
いろいろ言い訳をするのは不本意なので細かくは言いたくないですけど、現在のトップグループには明らかな差をつけられていることは確かで、その差も簡単には埋められないものであるのが辛いところです。今年はマシンを新型のAMG GT3にスイッチしましたし、チームは本当に全力を尽くしてやってきていますし、ドライバーである片岡と僕のふたりはこれまでの3レースをノーミスで戦ってきました。それでも優勝はおろか表彰台もまったく見えてこないレベルだというのが実情ですね。

 

・過去3度もチャンピオンになってきたドライバーとチームに変わりはないのに、それが表彰台さえ見えない状況を強いられていると?
非常に厳しいです。ただ、応援してくださっているファンやスポンサーの皆さんがいらっしゃいますから、僕らとしては『自分たちができることを全力でやるだけ』と思ってレースに臨んでいます。
特に今回の第4戦については、過去3戦よりは上に行けるチャンスがあると思っています。このツインリンクもてぎでのSUPER GTのレースはこれまではもっぱら最終戦として行われてきて、僕らのチームとしてはここでチャンピオンを決めるレースを過去にやってきています。片岡はもてぎが得意ですし、基本的にコーナリングマシンであるメルセデスAMGのGT3もこのコースとの相性は悪くない。それに、上位陣はウェイトハンディをだいぶ積んで重くなってきているところですが、我々は幸か不幸か重りがあまり乗っていない。ここで狙わずしてどこで狙う、という気持ちで頑張ります。

 

・第1戦富士と第3戦鈴鹿では、予選はともに20位近くに留まりましたが、決勝はどちらのレースでもしっかり順位を上げて、第1戦では9位、第3戦では8位という結果を残されたのはさすがと思いました。
そう言ってもらえるのはうれしいですよ。チームもドライバーもプロとしての仕事に徹して全力でやっていますから。ただ、僕らがそもそも争いたいのは優勝であって、だけど現状ではそのレベルからほど遠く、しかも僕らの努力だけでは埋めることが難しい差があるというところが辛いところですね。

 

 

 

 

・ところで、第1戦の後にSUPER GTのシリーズパートナーでもあるBHオークションでレーシングドライバーによるチャリティオークションが行われ、トータルでの売上が2,720万円にもなりました。あのチャリティオークションは谷口選手が音頭を取られたものであった上に、谷口選手は22着ものレーシングスーツを出品されました。
新型コロナウィルスのためにレースが行われず家でじっとしているしかなかった間に、『自分にできることが何かないか?』と考えました。それでチャリティオークションを思い立ったんですが、僕ひとりの一馬力でやるより、いろんな人に協力してもらって大馬力でやる方が効果も結果も大きいと思いました。実際にあれを大きなチャリティオークションとして実現されたのはBHオークションさんとGTアソシエイションさんであって、僕はそれに協力させてもらっただけです。

 

・それにしても、ずば抜けて多い22着ものレーシングスーツの出品は驚きでした。
チャンピオンを獲ったときの特に思い出深いものから何から出品させてもらいました。僕はこれまでのレーシングスーツの大半を手元に置いてきていたし、それら個々に思い入れを持っていたんですけど、今回思い切って手放すことにしました。やって良かったと思っていますし、第2弾、第3弾のチャリティオークションの実施につながっていけばとも思います。僕はもう出品できるものがほとんどない状態になっちゃってますけど(笑)。

 

 

 

 

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