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2020.09.13
【GTA定例会見:Rd.4 もてぎ】GT300クラスの性能調整や有観客の新型コロナウイルス拡大防止策などの質問に坂東GTA代表が答える

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第4戦 ツインリンクもてぎ:GTA定例記者会見

SUPER GTを運営する株式会社GTアソシエイション(GTA)は、各大会において定例記者会見を実施している。例年は最終戦の舞台となっているツインリンクもてぎで迎えた第4戦の決勝レースを前に、坂東正明GTA代表が日本モータースポーツ記者会(JMS)の代表質問や取材記者の質問に回答した。

 

 

■GT300クラスのJAF-GT車両に対してこれまでレースごとにBoP(性能調整)による車両重量の調整や燃料補給装置の流量リストリクターの適用/不適用などの措置を行われてきていますが、その理由をお聞かせください。また、こうした調整措置は今後も各大会で行われていくのでしょうか?

坂東代表:
GT300クラスは、FIA-GT3、JAF-GT300、JAF-GT300マザーシャシーという車両規則の異なる車両が出場するレースになっています。JAF-GT300は、独自のマシン作り・モノ作りができるようにした車両規則で、自由度のある開発によってクルマをどんどん進化させ速くしていくことが可能です。一方、FIA-GT3はホモロゲーションによって仕様が固められており、ユーザーが独自に変更することは多くの領域において不可能な車両規則になっています。これらが一緒に走って競い合えるようにするには、各車両に応じた性能調整が必要です。それも、必要に応じて柔軟に行える形でのものが必要だという考えでやっています。レースですから公平にはならないですが、公正にはやりたい、ということです。

ただ、同じ車種に対して毎レースのように変わる性能調整を行うことはしたくないと思っています。変更に対応しなければならないチームに非常に大きな負荷をかけることになりますから。また、来年に向けては、自由な進化が認められているJAF-GT300であっても、アップデートに制限を加えて、過度な開発によるコスト増を抑制したいという考えを持っています。

 

 

 

 

■新型コロナウイルス禍の中で開催されてきた今大会までの今シーズン前半についての坂東代表の評価と、観客をサーキットに迎えての有観客開催とする方向とお聞きしている次の第5戦富士以降のレース開催についての見通しをお聞かせください。

坂東代表:
新型コロナウイルス感染症拡大防止に努めながらのレース開催という、これまで誰も直面したことのない課題に対して、我々GTアソシエイションはそのためのロードマップとガイドラインというものを独自に作り上げました。そして、それらについて関係者各位にご理解・ご協力をいただきながら、まず6月末に富士で公式テストを行い、そして今大会も含めて4回のレースを開催してきました。エントラントや大会関係者、そしてオフィシャルの方々などを含めますと、各レースにおけるサーキット入場者は約1700名になりましたが、ここまで新型コロナウイルス感染症拡大についての問題はなく、何とか無事にやってくることができて、大変良かったと思っています。

そして次戦である第5戦富士からは新しい段階に入りたいと考えています。限られた数にはなりますが、これまでサーキットに入っていただくことができなかったファンの皆様にレースを生でご覧いただけるようにします。人数に関しましては現在は5,000人を目処にレースのオーガナイザーであるサーキット側で検討されています。これらの観客の方々の管理はサーキットによって行われます。スタンド席では1席ごとに間隔を空ける、といった措置が取られることになると思います。なお、グランドスタンド裏のエリアに出展スペースなどは設けられますが、イベントステージは設けない予定になっています。

それから、第5戦のパドック入場者はPCR検査が義務づけとなります。PCR検査を受けて陰性であることが確認された方だけがパドックへの入場が可能となります。そうしたこともあって、第5戦以降もファンの皆様がパドックに入ることはできません。申し訳なく思うのですが、ご理解いただければと思います。

また、第5戦富士からは、これまで開催することができずにきていたサポートレースのFIA-F4も行っていきます。このFIA-F4のエントラントの方々には今のところPCR検査の義務づけは行っていませんが、SUPER GTとFIA-F4はパドックや人の導線を分離し、必要以上にFIA-F4の関係者がSUPER GTの関係者と接触することはない環境を作ります。このため、FIA-F4の関係者はSUPER GTのパドックには入れないことになります。

そして、政府は大規模イベントへの入場者数規制を緩和していく方向ですが、我々はひとまず先ほどまでの説明の形で開催してみて、その結果を踏まえて、その次の第6戦鈴鹿や第7戦もてぎでどこまでやっていくことができるかを検討していきます。もちろん、大勢のお客様をサーキットへお迎えしたい気持ちがあるのですが、我々がこれまで厳格に行ってきた入場者の健康状態管理のレベルは崩したくないので、それを維持できるレベルでの入場者管理を各サーキットには求めていきます。

 

 

■今大会後にSUPER GT関係者のPCR検査を実施するとお聞きしました。その概要と経緯を教えてください。また、かなりの費用が発生すると思いますが、政府・関係機関からの助成等があったのでしょうか?

坂東代表:
FIA(国際自動車連盟)により9月1日に更新された新型コロナウイルスの感染リスクを軽減する行動規則のFIA付則S項に基づき、今大会の決勝レースの翌日、つまり明日9月14日から16日までの3日間、昭和大学病院(東京都品川区)において、第5戦富士に参加する約1,500名のSUPER GT関係者のPCR検査を行います。この一斉検査のために昭和大学病院は別館を3日間にわたってSUPER GTに専有させてくださります。約1,500名の内訳は、ドライバーをはじめとする各エントラントのスタッフが約1,000名、関係企業スタッフが約500名というところです。

この一斉検査は、自動車関連企業と検査を実施いただく昭和大学病院によるご協力があったことで実現できるものです。一斉検査のためには当然ながらかなりの費用がかかるわけですが、政府・関係機関からの助成等があったわけではありません。「日本のモータースポーツをきちんとやらなければならない」という我々GTアソシエイションの考えにご賛同くださった各位が援助してくださったことで実施できるのです。こうして支えてくださる方々がいらっしゃるということは、本当にうれしく、心強く思うところです。

SUPER GTがこのように新型コロナウイルス感染症拡大防止策を採っているということは、JAF(日本自動車連盟)を通じてFIAに報告してもらいます。「日本は日本できちんとやっているぞ」ということを伝えようと思います。

パドック入場者全員がPCR検査を受け、そして限定された数ではあるけれどもお客様をサーキットへ迎えた状態で開催する次の第5戦富士がSUPER GTの新たな第一歩です。そしてまた反省点を改善して、次のステップへと進んでいきたい。勇み足ではなく、こうして着実に進んでいくことによって、確かな将来が見えてくると信じています。

 

 

 

 

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