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Race Report
2020.10.03
Race Day Report : 第5戦 予選日レポート Part4

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【Catch Up 02】
この3戦すべてで予選3位以上。FRプリウスGT300で奮闘する嵯峨宏紀選手に聞く

 

 

今回のGT300クラスの予選で2位・クラス最前列を獲得したのはNo.31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT(嵯峨宏紀/中山友貴)でした。同車は、第3戦鈴鹿でポールポジション、前戦の第4戦もてぎでは予選3位、そして今回の第5戦富士では予選2位と、この3戦のすべての予選において3位以上に入る速さを見せています。しかし決勝レースとなると状況は変わり、過去2戦のいずれにおいてもレースが進むにつれてポジションを下げていく展開となって、第3戦鈴鹿では7位、第4戦もてぎでは15位という結果にとどまりました。

 

昨年からFR(フロントエンジン/後輪駆動)となったトヨタ・プリウスGT300は、今年は昨年より格段に高いパフォーマンスを示していますが、予選で見せる速さが決勝結果には結びつかない戦いが続いています。そんなNo.31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTで奮闘中の嵯峨宏紀選手に今回の予選直後にお話を伺いました。

 

 

 

 

「JAF-GT300のレギュレーションに合わせた作法で頑張るのみ」

 

・今回の予選でも2位。第3戦鈴鹿以降のすべての予選で3位以上という見事な速さを見せてこられていますね?
正直なところ、今回の予選では上位に行くことをあまり気にしてなかったんですよ。と言うのは、予選は良いんだけど決勝で追い下がっていっちゃうパターンがこのところ続いたんで、今回の予選では硬めのタイヤを選んでいて、セットアップも含めていろいろ模索している状態で臨みました。だから、今回の予選2位というのは逆に『出来すぎ』という気持ちで、決勝に向けてはまだ『どうなの!?』って感じです。

 

・決勝では何が問題なのですか?
他のクルマより早くタイヤがダメになっちゃうんですね。そして、なぜそうなっちゃうのかが現時点ではまだ分からずにいるんです。僕らが使っているタイヤが良いことは間違いないですよ。ブリヂストンのパフォーマンスに助けられている部分は大いにあります。それでも前回のもてぎではレース中に2回もタイヤを換えることになりました。つまり、僕らにはこのFRのプリウスで勉強しなければならないところがまだまだあって、「何でこんなことが起きているんだろう!?」ってことがいっぱいあるんですよ。だから決勝はそんなに欲をかかずに行くしかないかなと思っています。

 

・それでも、嵯峨さんが持っていらっしゃるいろいろな引き出しを使ってここまでパフォーマンスを高めてこられました。
僕の引き出しは去年のうちに使い尽くしましたけどね(苦笑)。でも、確かに今年の僕らのクルマのパフォーマンスはずいぶん良いものになったから、ようやく戦えるところに来たかなと思うんです。それでも僕らはこのFRのプリウスに対してもっと引き出しを作っていかなければならない状況で、そういうクルマ作りができるのがJAF-GT300の良いところです。それは同時にJAF-GTの難しいところでもありますけど、それが楽しくて僕たちはやっているんで。

 

・JAF-GT300はレギュレーションによってFIA-GT3より給油時間が長いものとなっていることも決勝レースを難しくしていますね?
今年になって給油リストリクターが緩和されて多少は良くなったんですけど、それでもまだFIA-GT3より給油時間が長くかかりますね。だから、何かと難しいんですよ、JAF-GT300って。決勝重視にして予選で後ろになると、そもそもJAF-GTはストレートではそんなに速くないから抜いていけない。じゃあ、って予選重視にして柔らかいタイヤにすると、決勝で早めにタレてきちゃう。それに給油時間の長さもある。それでピットで逆転されちゃうのを嫌って、柔らかいタイヤなのに無交換で行く、なんてことになる。すると結局ずるずる落ちていっちゃう、という……。

 

いずれにせよ、同じブリヂストンタイヤを履いて今回はウェイトを100kg積んでいる65号車(No.65 LEON PYRAMID AMG)がウェイトを15kgしか積んでいない僕らに続いての予選3位ですからね。そういうクルマがいるわけだから、僕らはそもそもの実力ではまだまだ負けているんですよ。去年に比べれば格段に進化していますけど、じゃあトップレベルにいるのかというと全然そんなことはないです。

 

まぁ、僕らはこつこつやるしかないですね。JAF-GT300という車両レギュレーションを選んでやっている以上、そういうレギュレーションに合わせたやり方・作法というものがあると思うので、それに合わせてどう戦っていくかというところを考えるだけだと思います。ちょっとでも良い状況を作れるように。

 

 

 

 

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今季初の有観客大会の初日が無事終了。注目の決勝は明日午後1時30分にスタート!

 

 

今シーズンのSUPER GTでは初めて観客の皆さんをサーキットにお迎えした第5戦「たかのこのホテル FUJI GT300km RACE」の走行初日は、お客様も関係者も新型コロナウイルス感染症拡大防止に最大限の配慮をしつつ、SUPER GTの公式練習と公式予選に加え、やはり今シーズン初めての開催となったFIA-F4の決勝を2レース行って無事終了しました。

 

本日の天候は終始曇りがちながら、時折雲の間から青空や富士山が顔をのぞかせてくれましたが、明日もどうやら同じような空模様となりそうです。

 

そんな富士の大空では明日もエアロバティック・パイロットの室屋義秀選手によるフライトパフォーマンス「"Thanks for ALL" Yoshi MUROYA × LEXUS Special Flight @ FUJI SPEEDWAY」が午前11時15分から実施されます。そして午後1時30分には、今度は地上のレーシングコースで300km=66周の決勝レースがスタート。同一シーズンに同じサーキットで3度も通常のシリーズ戦を行うのはSUPER GTでは今回が初めてのこと。各車セットアップが煮詰まってきている中だけに、これまで以上に白熱したバトルが期待できそうです!

 

 

 

 

 

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