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2020.10.04
【GTA定例会見:Rd.5 富士】今季初の有観客開催の感想と今後の対策、GT300のウェイトハンディについて坂東GTA代表が答える

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第5戦 富士スピードウェイ:GTA定例記者会見

SUPER GTを運営する株式会社GTアソシエイション(GTA)は、坂東正明代表が日本モータースポーツ記者会(JMS)の代表質問や取材記者の質問に回答する記者会見を各大会において開催している。今回、2020シーズン5戦目にして初めて観客をサーキットに迎えて行われることとなった決勝レースを前に、坂東代表が様々な想いや見解を語った。

 

 

■先日GTAはSUPER GT関係者に対するPCR検査を行いましたが、今後のPCR検査についてのGTAの考えをお聞かせください。

坂東代表:
前戦の第4戦もてぎ大会が終了した翌日より3日間、昭和大学病院(東京都品川区)にご協力いただきSUPER GT関係者へのPCR検査を実施しました。検査対象は今回の第5戦に参加しパドックに入場するドライバーをはじめとする各エントラントのスタッフや関係企業スタッフといったSUPER GT関係者全員です。実際に昭和大学病院でPCR検査を受けたのは1,295名。この時に検査を受けることが難しかった方々135名には大会前に各自で検査を受けていただきました。このPCR検査で陽性の結果が出た方が1名いらっしゃったのですが、この方はこれまでのSUPER GTの4大会には参加しておらず今回の第5戦から参加される予定だった方でした。つまり、これまでのSUPER GTの4大会に参加していた方の中には陽性者はひとりもいなかったという結果が出たわけで、感染症対策の基本である自己管理が確実に行われていたことの証明になったと考え、大変うれしく思っています。

今回のGTA主導によるPCR検査は、日本の自動車メーカー、自動車関連企業の「日本のモータースポーツを支える」というお考えに基づいてのご協力によって実現したものです。私としては、こうした考えを持っていただけただけでも大変うれしいことでしたが、その上でSUPER GT関係者への一斉検査の実施にご協力をいただき本当にありがたく思いました。

ただし、このようなGTA主導によるPCR検査を今後も行っていく予定はありません。FIA(国際自動車連盟)は、インタ-ナショナルシリーズについては毎戦、参加者全員にPCR検査を行うことを求めていますが、今日の日本では無症状で医師の指示のない人へのPCR検査には保険が適用されないため、費用的に毎戦・全員への実施は実質的に困難です。そこで我々GTAはFIAに対して、我々が独自に作り上げた新型コロナウイルス感染症拡大防止のためのガイドラインとロードマップの実践により、これまでの4大会の参加者から1名の陽性者も出していない実績を伝えながら、国によって事情が違うことをご理解いただけるよう、JAF(日本自動車連盟)を通して陳情しています。

 

 

 

 

■今大会から有観客開催となりましたが、収容人数の50%以内という政府が定めたイベント開催における入場者数制限に達するほどの観客数ではありません。この観客数の今後の制限緩和についての見通しをお聞かせください。

坂東代表:
まず、「やっとお客様をサーキットにお迎えできた」と大変うれしく思っています。これまでの関係者各位による新型コロナウイルス対策のご協力のおかげです。

今大会では人数に制限はあるものの、お客様をサーキットにお迎えすることができました。富士スピードウェイのスタンド席のキャパシティを考えると、“三密”を避けた座席の取り方をすると今回のお客様の数が上限ぎりぎりというところです。SUPER GTは屋外イベントですので基本的には“三密”の状況になりづらいわけですが、我々GTAは“モータースポーツにおいて新型コロナウイルス感染症拡大防止策をしっかりと講じたイベントを作り上げる”という責任を持って仕事に取り組んでいます。その上で、今後のお客様の入場数をどうしていくかは、各レースのオーガナイザーである各サーキットと連携を取りながら検討していきたいと思っています。

今大会では、パドックエリア1Fに入場できるのはPCR検査を受けて陰性であったSUPER GT関係者のみとしていますし、関係者とお客様の導線をはっきり分けて運営しています。お客様に対しては、昨年までのようにお客様がパドックに入れるようにはなっていませんし、ピットウォークもキッズウォークもありません。トークショーなどのステージイベントも(来場者向けに)作れておりません。今後もしばらくはこうした在り方を続けざるを得ないと考えています。

そもそも我々GTAは「お客様にサーキットへ来ていただける魅力的なイベントを作りたい」という思いからこのSUPER GTを運営しています。そこで、お客様に対してレース以外のイベントを作ることができていない状況で集客だけを追いかけるようなことをするのは、我々の理念とは大きく矛盾することになります。SUPER GT関係者とお客様の導線を分けるという方針は今後しばらくは変えるつもりはありませんが、その上でサーキットに足を運んでくださるお客様に喜んでいただけるものを考えていかなければなりません。また、サーキットに来ていただけるお客様にも、新型コロナウイルス感染症拡大防止についての自己管理というものを改めてお願いしていかなければならないと思っています。

 

 

■GT300クラスは今年から、搭載するハンディウェイトの係数が3に、つまり1ポイントにつき3kgに引き上げられ、最大100kgまでの搭載となりました。このレギュレーション変更の効果に対する評価をお聞かせください。

坂東代表:
FIA-GT3のマシンの車重は大体1,300㎏、JAF-GT300は1,150〜1,200㎏というところです。車重が重いと相対的な比率が低くなって、ウェイトハンディをたとえば10kg増やすにしても、車重が重いクルマへの効果は車重が軽いクルマに対するものより薄い。そうしたことから、昨年までのポイントの2倍から3倍へと係数を引き上げたわけですが、狙っていた効果は確実に出ていると思います。

一方、ウェイトが増えることで安全性を懸念する声も聞きますが、FIA-GT3のマシンは世界の自動車メーカーが作り上げたもので丈夫ですので、これまでのレースの内容からしても、現在のレベルであれば大丈夫と評価しています。モノ作り・クルマ作りが主眼のJAF-GT300車両は、車重の軽さが強みであるぶんFIA-GT3車両よりも懸念されるかもしれませんが、今回の予選でも100kgのウェイトを積んでいるBRZ(No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT)が予選でクラス4位に入ってきているように、きちんとやることをやっていれば大丈夫だということが示されていると思います。ブレーキングについても、GT300車両は最高速がGT500車両より低く、ブレーキへの厳しさはGT500ほどでなく、現在のレベルであれば問題はないと評価しています。ただ、これ以上ウェイトを重くしていくとブレーキ的にもタイヤ的にも難しくなっていくと思っているので、そうしたところを考慮して今後の規則作りに取り組んでいくつもりです。

 

 

 

 

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