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Race Report
2020.10.04
Rd.5 決勝GT500:DENSO KOBELCO SARD GR Supraが逆転優勝!タイヤ交換後の混乱を巧みに抜け出す

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第5戦 富士スピードウェイ:決勝 GT500レビュー

2020 AUTOBACS SUPER GT第5戦『たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE』の決勝レースが10月4日午後、静岡県の富士スピードウェイ(1周4,563m×66周)で行われた。GT500クラスはNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)が予選5位から逆転して終盤は独走で今季初勝利を挙げた。GT300クラスはNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が、チーム初となるクラス優勝を果たした。

 

□天候:曇り | コース:ドライ | 気温/路面温度 開始:22度/29度>中盤:21度/29度>終盤:21度/25度

 

 

■レース序盤の激しいトップ争いからARTA NSX-GTが抜け出す

 第5戦の決勝レースは午後1時30分にフォーメーション開始。天候は曇り、路面はドライ、気温21度で、66周の戦いが始まった。

 

 今季初の観客を迎えてのレースだからか、スタート直後から戦いはヒートアップ。TGR(第1)コーナーでNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)の佐々木がポールから逃げるNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)の福住にアウトから並びかける。8号車がトップを死守し、12号車は2コーナー立ち上がりでアウトに膨らんで5番手に後退。だが8号車にはNo.24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーデンボロー)の高星が、ダンロップコーナーでアウトから襲いかかってパスし、トップを奪った。

 

 その攻防の後続では、TGRコーナーでアクシデントが発生。No.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京)の武藤とNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)の千代が接触。その影響からか3号車はフロントカウルが飛び、そのまま100Rのアウト側でストップした。これによりオープニングラップからセーフティカーが導入された。この時点での順位はトップ24号車、その後ろに8号車、No.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)のクインタレッリ、12号車が続いていた。

 

 レースは5周目から再開されたが、トップの24号車は後続を引き離せず、10周目からトップ3台がテール・トゥ・ノーズに。レースが動いたのは13周目。周回遅れに詰まった24号車をすかさず8号車が捉えてトップを奪い返す。そして12号車は1周目に第13コーナーでSCボードが提示されているにも関わらず追い越しをしたため、ドライビングスルーペナルティとなり上位から脱落した。

 

 代わって3位に浮上したのがNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)のコバライネンだ。予選5番手の39号車は、1周目にNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)の国本に先行されるも10周目にこれを抜き返し、13周目には23号車も捉えて4番手に浮上していたのだ。

 

 

■2番手以降の激しい争いを尻目にDENSO KOBELCO SARD GR Supraがトップ快走

 そして25周目から上位陣のピットストップが始まる。まず2番手の24号車、4番手の23号車、8番手のNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)の大嶋がピットイン。26周目にはトップの8号車と3番手の39号車、そして6番手のNo.100 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)の牧野がピットインした。このとき8号車(野尻)は24号車(マーデンボロー)の前でピットアウトしたが、アウトラップからペースが上がらず。あっという間に39号車(中山)、100号車(山本)、24号車らに抜かれたばかりか、27周目にピットインしたNo.37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/ニック・キャシディ)の平川の先行も許してしまった。

 

 

 GT500クラスの全車両がピットを終えた時点で、39号車がトップに立ち、2番手以降は37号車、100号車、24号車で、8号車は5番手まで下がってしまう。だが、8号車は29周目からペースを取り戻して100号車をパス。24号車のマシントラブルもあって、3番手まで挽回。さらに2番手の37号車も追い上げて、その背後まで迫っていく。

 

 また、このさらに後方からハイペースで追い上げてきたのが14号車の坪井だ。予選12位の14号車は大嶋がレース前半で8番手まで上げると、後半を担当した坪井もトップの39号車と遜色のないペースで周回。27周目に23号車(松田)を抜き、実質6番手に。そして100号車をも抜いて37号車と8号車の背後に迫ってきた。そして52周目。坪井はダンロップコーナーで8号車をインから抜くと、ホームストレートで37号車のインに並び一気に2番手を奪取する。8号車もこの隙に14号車のスリップストリームをうまく使って37号車を捉えて3番手に上がった。

 

 

 2番手以下が激しいバトルを繰り広げている間に、トップの39号車の中山は着実にリードを広げ、最後は2位に10秒以上の大差をつけて66周を走り切った。これでNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)が昨年の第6戦オートポリス以来、今季初の勝利を掴み取った。2位はNo.14 WAKO'S 4CR GR Supra(大嶋和也/坪井翔)。No.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)は3位で今年初の表彰台を得た。

 

 ドライバーランキングでは、No.14 WAKO'S 4CR GR Supraの大嶋/坪井組が47点としてトップに浮上。同2位に第5戦4位のNo.37 KeePer TOM'S GR Supraの平川/キャシディ組、このレースで貴重な10位1点を加えたNo.17 KEIHIN NSX-GTの塚越広大/ベルトラン・バゲット組が3位となっている。

 

 

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