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Race Report
2020.10.25
Race Day Report : 第6戦 決勝日レポート Part4

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決勝2位ドライバーコメント_GT500編

 

 

レース序盤、GT300とGT500車両による接触でセーフティカー導入となった今大会。その中でNo.12 カルソニックIMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)は荒れた展開を好機にして、予選4位から着実にポジションアップを果たしていきました。また、終盤に入るとポールスタートだったNo. 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)との壮絶な2番手争いを演じ、とりわけ残り10周を切ってからは0.5秒前後での攻防戦を繰り広げることに。結果、ガチンコバトルの軍配は12号車に上がり、今シーズン待望の表彰台に立っています。GT500へのステップアップ後、初めての表彰台を獲得した平峰一貴選手にお話しを伺いました。

 

 

 

 

No.12 カルソニックIMPUL GT-R
平峰一貴
「インパルのファン、スポンサーの皆さんのためにもいい結果を残せるようにがんばる」

 

 

・戦い終えて、2位となりました
今シーズンずっと流れが良くなくて、僕も色々失敗することもあり…。カルソニック、インパルファンの皆さんはもちろんですが、スポンサーの皆さんが満足できるような結果を出せていませんでした。今回、23号車(MOTUL AUTECH GT-R)に(表彰台の)真ん中(優勝)に行かれてしまったのは悔しいけれど、それはそれでしっかりと受け止めて次に繋げていかないと…って思っています。まぁでも、とりあえず今日は最低限の仕事ができたんじゃないかな。

 

・レース前半、コンビを組む佐々木大樹選手が健闘している様子を星野一義監督と並んで見守っていましたね。
僕らはこの鈴鹿が(ハンディ的に優位な条件で優勝できる)ラストチャンスでもあったんですよね。だからしっかり取りにいけるときに取りに行かないと、と考えていました。それが今回の僕らのレースだったんじゃないかと思います。

 

星野監督には『行ってこいっ!』と檄を飛ばされました。肩をどつかれましたよ(笑)。監督、もう73歳なんです。でも、一発どつかれるあの重みっていうのは、凄まじいですね。でも、”男の中の男”の一発っていうのは、すっげー気持ちがいいんですよ。(星野監督が『俺は不良が好きなんだ』と言ってましたが?)いや、僕は不良じゃなくて、どちらかと言えばサルですよ(笑)。でも、男のためなら男を張らないとね。監督は僕らにたくさんのチャンスを与えてくれていますから。あとはインパルのファン、スポンサーの皆さんのためにもこれからもいい結果を残せるようにがんばります。

 

・終盤の厳しい攻防戦について
終盤、後ろからの追い上げに遭いましたが、『もう大丈夫』という気持ちになるのは、今日、布団に入るまで多分無理でしょうね。気持ちもそうですが、まだアドレナリンが出っぱなしですから。レース中に安心することは全然なかったですね。

 

・レース後の平峰選手の表情からすると、やはり悔しい気持ちが勝っているのでしょうか?
うーん、悔しい思いもありますが、ちょっとホッとした気持ちもあります。結果を待ってましたし、取れそうで取れなかったりとか、ほんと今まで色々ありましたから。チームとこうやって一緒に戦ってこれたことが良かったと思いますし、ここまで色々ありましたが(佐々木)大樹とも一緒にがんばってきたので、(2位獲得は)良かったなと思いますね。

 

 

 

 

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【Catch Up 03】
4年ぶりの優勝を飾ったプライベーターの雄 Audi Team Hitotsuyama

 

 

今大会のGT300クラスを制し、2016年11月にツインリンクもてぎで行われた同年シーズンの第3戦(※平成28年熊本地震によって順延・開催地変更となったレース)以来、4年ぶりの優勝を飾ったAudi Team Hitotsuyama。同チームの母体は全日本GT選手権時代からプライベーターの雄としてSUPER GTに出場し続けているHitotsuyama Racingです。今大会のレースフィニッシュ直後にチームドライバーの川端伸太朗選手と近藤 翼選手とともに記念撮影に収まったのは、長年にわたって自らのチームより全日本GT選手権等にドライバーとして挑み続けたチームオーナーの一ツ山幹雄氏。そして代表者として現在チームを率いているのは一ツ山亮次氏です。今回は一ツ山亮次チーム代表にレース終了後にお話を聞きました。

 

 

 

 

「情熱だけでやってきたようなチーム。続けてきてよかったです」

 

・まず、今日のレースにおけるAudi Team Hitotsuyamaの戦いぶりについて教えてください。
今回の我々は、今シーズンこれまでの最高位となる6番手グリッドからスタートすることができました。当初の予定では前半スティントを担当してもらった近藤君にレースの真ん中くらいまで引っ張ってもらうつもりでいたのですが、前を走っていた車両に頭を押さえられた状態が続いたので、早めにピットに入れてしまうことにしました。すると、その2〜3周後にセーフティカーが入ることになって、我々が一気に前へ出ることができました。そこは非常にラッキーだったところです。そしてセーフティカーが外れた後は、我々が使っているヨコハマタイヤの暖まりの良さを生かして6号車(No.6 ADVICS muta MC86)を抜いて実質的なトップに立つことができました。

 

ただ、そこから先はちょっと問題がありまして、『燃料が足りなくなるんじゃないか!?』という懸念が出てきていたんです。そこで、後半スティントを担当してもらった川端君には燃料をセーブして走るように指示を出したんですけど、彼もそこまで危機的な状況とは思わなかったみたいで、結構いいペースで引き続き走ってくれてしまったんです(苦笑)。それでもう一度燃料のデータを見直してもらったら、「これじゃあ全然足りないぞ」という話になって、それで最後の10周くらいは川端君にはとにかく燃料をセーブする走りをしてもらいました。後ろとは一時は8秒くらいのギャップがあったので、「とにかく抜かれなければいいから」ということで。

 

そして、残り2〜3周のところでGT500の優勝車両にラップされたので、1周短く終われることになりました。それで救われました。あれがもう1周多く回ることになっていたら、最後の周回でガス欠で止まってしまうことになっていたはずです。だから、レース終盤のウチのピットはもう冷や冷やでした。だから、無事ゴールできて本当に良かったです(苦笑)。

 

・それにしても、4年ぶりの勝利となりました。
GT300クラスの激戦の度合いがここ1〜2年で一段とすごいことになってきていて、今はどのチームも良いものを持っていて、きちんとした武器をそろえている状態になっていると思います。今のGT300クラスは2〜3年前と比べるとレベルが全然違うレースになっていると思います。その中で我々は、表彰台を常に目標としてやってきました。でも、なかなかそこに到達できなくて、ちょっと心が折れかけたことも何度かありました。でも、今日勝ったことで『続けてきてよかったな』と思っています。また、今回は我々のチームがヨコハマタイヤを使って挙げた初めての優勝になります。横浜ゴムさんも着実に進化させたタイヤを出してきてくださっていて、それを今回は結果につなげることができたのでよかったです。

 

・GT300クラスの数あるチームの中でもHitotsuyama Racingはまさに「プライベーターの雄」という印象があります。
ありがとうございます。自分の父親などの情熱だけでやってきたようなチームです。毎年、シーズンオフになると「来年はレースができるかな?」と考えなきゃならなくなるような状態でやっていますけど、それでも続けてこれているのは、助けてくださる方々がいらっしゃるからです。そうした皆さんからの応援にお応えできるように今後も気持ちを引き締めて頑張っていきたいと思います。

 

 

 

 

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