News

News
2020.11.08
【GTA定例会見:Rd.7 もてぎ】FCY導入の見込みやマザーシャシー、第8戦富士のガイドラインについて坂東GTA代表が答える

【GTA定例会見:Rd.7 もてぎ】FCY導入の見込みやマザーシャシー、第8戦富士のガイドラインについて坂東GTA代表が答えるの画像

第7戦 ツインリンクもてぎ:GTA定例記者会見

SUPER GTを運営する株式会社GTアソシエイション(GTA)は、坂東正明代表が日本モータースポーツ記者会(JMS)の代表質問や取材記者の質問に回答する記者会見を各大会において開催している。今季2度目となったツインリンクもてぎラウンドの決勝レースを前に坂東代表が各質問に答えた。

 

 

■SUPER GTでは現在のセーフティカー制度に代えてFCY(フルコース・イエロー)制度を導入する計画ですが、現在の状況と導入時期の見通しをお聞かせください。

坂東代表:
FCY制度は海外のレースではすでに運用されていますが、我々がSUPER GTで導入しようとしているFCYで使うシステムは海外レースのものと若干異なるところがあります。海外レースでのFCYは、各車両に車速などを監視するデバイスを装備させた上で、マーシャルポストのフラッグとボードを主な指示手段として運用されています。SUPER GTの場合も走行車両をコントロールする主な手段はマーシャルのフラッグとボードとしますが、それを補助するものとして今年から新たに全車のコクピットに搭載しているオンボードパネルと無線を使うという方式で進めています。

サーキットの各マーシャルポストへの連絡は有線回線によって行われていますが、走行している車両が搭載するオンボードパネルへの通信は必然的に無線回線を使います。日本国内では法律による電波の問題があります。その環境の中で実際の指示からタイムラグなく各車両のオンボードパネルへ伝達する精度を高めることが、SUPER GTへのFCY導入にあたっての一番の課題となっています。FCYを導入すべく我々GTAが準備しているシステムは日本のレースで使われるのが初めてのもので、オンボードパネルをタイムラグなしに機能させて各車両に減速と加速の指示を伝達する精度がまだ100%に達していないところがあるのです。

これは、各走行車両に電波を安定的に送るために設置するアンテナの立て方なども関係していて、サーキットごとに解決していかなければならない問題でもあります。来シーズンのSUPER GTはスポーツランドSUGO、岡山国際やオートポリスでもレースを開催する予定ですが、これらのサーキットではFCYのテストを行ったことがまだありません。FCYを導入するとなれば、すでにテストを実施済みのサーキットからとなると思います。

このツインリンクもてぎでFCYのテストを行ったのは昨日が初めてのことでしたが、タイムラグはほとんど出ませんでした。ただ各車両においては小さなタイムラグであっても全45台分がレースをするとなると大きな問題となるので、できるだけ100%の精度を実現しなければFCY導入とはなりません。

 

 

 

 

■2015年からGT300クラスに導入されたマザーシャシーですが、6年目となる今シーズンは使用するチームが減少しています。今後のマザーシャシーについてのお考えをお聞かせください。

坂東代表:
第2世代となるマザーシャシーの導入は考えており、検討を重ねて来年中にその仕様を固め、再来年にはシェイクダウンしたいと考えでいます。

第2世代マザーシャシーの仕様を考えるにあたっては、同じGT300クラスで競い合う関係となるJAF-GT300とFIA GT3のことも考慮しなければなりません。JAF-GT300はモノ作り・クルマ作りの車両で、マザーシャシーもその中に組み込まれるものですから、マザーシャシーを使うチームは自分たちのアイデアで独自のモディファイをもっと行ってもらえるようにしたいと思っています。

また、JAF-GT300についてはもっとコストを下げるためにパイプフレームを認めてほしいという要望が寄せられており、検討しています。一方、FIA GT3は車両各部の仕様がホモロゲーションを取ったものから変更できない規則になっているので、チームの手で進化させることがJAF-GT300のようにはできません。そこで、JAF-GT300とそれに準じるマザーシャシーについてはカナードやリアウイングなどの空力系に規制を入れ、FIA GT3とのバランスを取ることも検討しています。

 

 

■日本政府は新型コロナウイルス対策を緩和する方向に動き始めており、プロ野球ではスタンド席数がかなり高い割合で埋まるまで観客を入れることも始めています。GTAでは独自に厳しいガイドラインを作成しそれを遂行してきていますが、今後このガイドラインを緩和していく予定はありますか?

坂東代表:
政府が見せている緩和の動きもいろいろ条件がつくもので、たとえばSUPER GTに出場する海外ドライバーの入国もまだまだ従来のようにスムーズにはいかない状況です。したがって現時点では、我々GTAが規定している新型コロナウイルス感染症拡大防止のためのガイドラインを緩和する予定はありません。今大会は今シーズン3戦目の有観客開催のレースですが、自由席は設定せず、スタンド席ではおひとりのお客様の席の前後左右に空席を設けられるような席数だけのチケット販売となっています。

チケット販売やお客様の管理はオーガナイザーが行うものです。レースにおけるオーガナイザーとは基本的にはサーキットのことで、今回のもてぎには、次戦の富士スピードウェイ、そして来季に向けてSUGO、オートポリスといったサーキットの方々が視察に来ていただいています。これらのオーガナイザーも、もちろん我々GTAとしても、本当はたくさんのお客様にサーキットへ来ていただいてレースを見てもらえるようにしたいのですが、現状ではGTAとしては「まだまだ『ご自由にどうぞ』とは言えない」ということで各オーガナイザーとはお話をしています。

それでも、次戦となる第8戦富士大会(11月28日、29日)では、サーキットに入場できるチーム関係者やレースクイーンの数を増やすことを検討しています。またオーガナイザーが導線を確立することにより、これまではSUPER GT関係者以外の入場をお断りしてきたパドックをある程度自由化し、ホスピタリティルームがあるピットビル2階とパドックとの往来もできるように検討しています。ただし、ピットビル側とスタンド側は導線を分けることを継続します。このように“ウイズ・コロナ”の中で、お客様により楽しんでいただけることを考え、「やれる」と思ったことは前に進めていきたいと思っています。

 

 

 

 

Page Top