2020.11.29

Rd.8 決勝GT300：埼玉トヨペットGB GR Supra GTがポール・トゥ・ウイン！2位でリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが初タイトル!!

第8戦 富士スピードウェイ：決勝 GT300レビュー

2020 AUTOBACS SUPER GT第8戦（最終戦）『たかのこのホテル FUJI GT 300km RACE』の決勝レースが11月29日（日）、静岡県の富士スピードウェイ（1周4,563m×65周）で行われた。GT500クラスはゴール直前での劇的な逆転劇でNo.100 RAYBRIG NSX-GT（山本尚貴／牧野任祐）が優勝し、ドライバーとチームのタイトルも逆転で獲得した。GT300クラスはNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹／川合孝汰）がポール・トゥ・ウインを遂げたが、クラスのタイトルは2位に入ったNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R（藤波清斗／ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）が手にした。

 

 

 

　いよいよ2020年の最終戦となる第8戦の決勝日を迎えた。この日の富士スピードウェイは曇り空で、気温9度、路面温度17度という冷え込みのなか、いつもより多い3周のフォーメーションラップを経て、レースの火ぶたが切って落とされた。なお、ウォームアップ走行中にミッションにトラブルが生じたNo.5 マッハ5G GTNET MC86 マッハ車検は決勝を走ることができなかった。

 

　スタート直後、2番手スタートのNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人／山内英輝）の山内がポールポジションスタートのNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹／川合孝汰）の川合をかわしトップに浮上する。タイトル獲得には勝つしかない両車は、序盤からテール・トゥ・ノーズの戦いを展開していく。そしてNo.6 ADVICS muta 86MC（阪口良平／小高一斗）の阪口、No.96 K-tunes RC F GT3（新田守男／阪口晴南）の新田が続き、その後方にNo.11 GAINER TANAX GT-R（平中克幸／安田裕信）の安田、No.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R（藤波清斗／ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）の藤波とNo.65 LEON PYRAMID AMG（蒲生尚弥／菅波冬悟）の菅波というドライバーランキングのトップ3が緊迫したレースを展開していた。

 

　3周目にはNo.34 Modulo KENWOOD NSX GT3（道上龍／ジェイク・パーソンズ）のパーソンズとNo.87 T-DASH ランボルギーニ GT3（高橋翼／山田真之亮）の高橋が接触するなど中団でも激しい戦いが展開される。一方、トップ争いは52号車の川合が9周目に61号車をかわして再び首位に浮上。52号車は優勝を飾った開幕戦と同様、レースをリードしていく。

 

　ルーティンのピットインが可能となる周回になると早々にピットに向かったのは、6番手を争っていた65号車。菅波から蒲生に交代し、タイヤ交換を行わず素早くピットアウト。ランキング上位陣では、56号車が24周を終えて藤波からジョアオ・パオロ・デ・オリベイラに交代し、タイヤを4本交換。また28周目にはトップの52号車が川合から吉田に交代し、こちらはタイヤ無交換だ。また52号車を追う61号車もその翌周にピットへ。井口に代わってタイヤは4本を換えた。

 

 

 

　上位陣がピットインを終えると、トップは再びNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田）。そしてタイヤ無交換作戦が奏功したNo.65 LEON PYRAMID AMG（蒲生）が2番手に浮上して、タイトル獲得に王手。3番手にはNo.6 ADVICS muta 86MC（小高）がつける展開となる。一方、4番手となったNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R（デ・オリベイラ）だが、この状態ではタイトルを獲得するにもうひとつ順位を上げなければならない。そしてタイトルを目指すNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT（井口卓人）は6番手、No.11 GAINER TANAX GT-R（平中克幸）は7番手とやや苦しいポジションだった。

 

　追い上げる56号車は3番手を走る6号車とのギャップを少し削りとっていく。46周目には5秒、さらに次の周には3秒と、みるみるその差は縮まっていった。そして52周目、デ・オリベイラは13コーナーで一気に6号車をオーバーテイク。このままでもタイトルを獲れる56号車だが、その後も勢いを維持してタイヤ無交換でペースの上がらない65号車に迫っていく。55周目のTGRコーナーで65号車もかわし2番手へ。さすがにトップの52号車は40秒以上も先を行くため、56号車はここからポジションキープの走りとなる。

 

 

　トップを快走するNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT（吉田広樹／川合孝太）は、最終的にチャンピオンには届かなかったものの、第1戦に続く今季2勝目のゴールラインを通過。そして2位でチェッカーを受けたNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R（藤波清斗／ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ）が、今季GT300クラスのドライバー＆チームのタイトルを獲得。彼らにもチームにとっても、初のシリーズタイトルである。

 

　3位は65号車をパスしたNo.6 ADVICS muta 86MC（阪口良平／小高一斗）が獲得した。No.65 LEON PYRAMID AMG（蒲生尚弥／菅波冬悟）は最終的に4位。5位は今季チーム最高位となるNo.9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3（藤井誠暢／篠原拓朗）が入った。

 

 

 

 

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