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2021.03.28
【公式テスト富士・2日目】MOTUL AUTECH GT-Rがトップタイム!GT300は2日目もリアライズ日産自動車大学校 GT-Rがトップに

【公式テスト富士・2日目】MOTUL AUTECH GT-Rがトップタイム!GT300は2日目もリアライズ日産自動車大学校 GT-Rがトップにの画像

公式テスト・富士スピードウェイ 3月28日(日)

時折小雨が舞う中で明けた3月28日、富士スピードウェイでは前日に引き続いて公式テスト富士の2日目(最終日)が行われた。岡山国際サーキットでの開幕まで2週間、ここ富士で行われる第2戦まで約1か月と迫る中、残されたテスト機会は、この日1日のみ。昨晩からの小雨が舞い午前の前半はウエット路面も、以後は曇り/ドライ路面へ移行する中、各チームともにより多くのテストメニューを消化しようと精力的に走行を続けていた。

 

◎走行3回目(Session 3:2日目午前) 09:30~11:45
 天候:雨>曇り/路面:ウエット>ドライ
 気温:12℃~16℃/路面温度:13℃~24℃(共に開始から終了)

◎走行4回目(Session 4:2日目午後) 14:00~15:00
 天候:曇り時折雨/路面:ドライ・一部ウエット
 気温:15℃~14℃~13℃/路面温度:17℃~16℃(共に開始から終了)

 

 

午前は最後にルーキー大湯のRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GTがトップに

 前日の予報では午前9時から雨が降ると言われたが、走行開始前にパラっと降っただけで本降りとはならず、時が進むにつれて晴れ間もみえた。最初こそウエット路面だったが、すぐに乾いた部分が現れて、あとはほぼドライに。各車はレイン用タイヤで出て、途中からドライ用のスリックタイヤに 履き替えての走行となった。路面温度も上昇していき、ラスト30分ころから急上昇。終了時点では24℃にまで達していた。

 セッション3は予定通り9時半にスタート。30分ほどで一度赤旗が提示されて中断したがすぐに再開。昨日、マシンに大きなダメージを負ったNo.3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)も修復を終えて、このセッションは最初から周回を行った。午前10時からはセーフティカー(SC)訓練も行われ、前日のトップタイムだったNo.36 au TOM'S GR SupraとNo.56 リアライズ日産自動車大学校 GT-Rを、それぞれ両クラスのトップ走行車に見立ててシミュレーションを行った。15分を掛ける予定だったが、手際良く進行し10時13分にはリスタートが切られた。

 

 

 その後はNo.23 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)やNo.37 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南)、No.36 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)、そしてNo.1 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/武藤英紀)といったマシンが交代でタイミングモニターの上位に登場しながら、着実にラップタイムが向上していく。セッション中盤になるとNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)やNo.12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治)も上位に進出。一時は12号車、23号車、さらには3号車でトップ3をNISSAN GT-R NISMO GT500が独占するシーンもあった。
 終盤になると、37号車と1号車が加わり、さらにNo.19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)も上位に進出。23号車の松田が1分29秒033まで詰めて、これが最速と思われたが、セッション最後の最後でNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの大湯が1分28秒834と28秒台に入れて逆転となった。
 GT500ルーキーの大湯は「クルマの雰囲気はあまり良くなかったですね。でも昨日に比べると改善方向に向かっている感じでした。タイヤの開発などはまだまだ勉強中で、笹原(右京)選手と一緒にがんばっているところです」と、クルマも自身も発展途上であることを強調していた。

 

 

 

午後はNSX-GT勢が好調もMOTUL AUTECH GT-Rが逆転する

 午後のセッション4もHonda NSX-GT勢が好調。No.1 STANLEY NSX-GTの山本が先陣を切る格好で最初に1分29秒台に入れる。だが、TOYOTA GR Supra GT500のNo.38 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)の石浦も29秒台に入れてくる。それでもNo.17 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)の塚越やNo.64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)の伊沢も石浦を上回ってくる。
 しかし、開始から30分が近づいたところでNo.23 MOTUL AUTECH GT-Rのクインタレッリが1分28秒397をマーク。終盤にNo.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの大湯や64号車の大津、17号車のバゲットらNSX-GTが1分28秒台に入れるも23号車には届かなかった。これで23号車が2日目の総合ベストタイムとなった。
 昨年、GT500クラスの劇的なチャンピオン争いを足元から支えていたブリヂストンで、モータースポーツタイヤの開発の中心を担う山本貴彦MSタイヤ設計課長は「2019年の後半からは一発の速さを求める開発を進めてきました。そして2020年にはその速さをレースで持続させるように考えてきました。チャンピオンを獲得しただけでなくランキング上位を独占したことで、成果が証明されました。今シーズンのタイヤは、その正常進化版で、手堅く開発してきました。自分たちのスケールでは、ほぼ目的が達成できたと感じています。ただライバルも手強いですからね。ミシュランさんは、岡山では苦労しているように見えましたが、鈴鹿のメーカーテストでは本領をみせています。ダンロップさんは去年から一発の速さはありましたが、レースでは苦労していたように見えました。でもここに来てレースラップでも速くなってきていると感じています」と現状を分析。「それでもやはりチャンピオンの座は渡したくないですね。そしてその手ごたえも感じています」と、今季も力が入っているようだ。

 

 

 

 

GT300はGT-R GT3がトップタイムもルーキーの平良が2番手に入る

 GT300で昨年チャンピオンに輝いたNo.56 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが装着していたADVANタイヤを開発・製造する横浜ゴムでSUPER GTのタイヤ開発を担当するMST開発部 技術開発第1グループの白石貴之グループリーダーは「昨年の途中から技術の“横展開”をするようになりました。これはある車種で開発したタイヤ技術を他の車種にも転用するという手法で、いい結果の出た構造やゴム(コンパウンド)を他の車種用のタイヤで使用するというもの。例えば、アウディやランボルギーニの“ミッドシップエンジンの後輪駆動車”で、いい結果の出たものを同じ(フロントエンジンの)後輪駆動の4号車(グッドスマイル 初音ミク AMG)に使ってみると好結果に繋がったりします」と開発の手法を明かしてくれた。そして「GT-Rの戦闘力は高いのですが、今年から台数が増えたGR Supra GTにGT-R GT3の技術が生かせるのか、いろいろトライしています」とも付け加えた。

 

 

 2日目の午前こそNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)がトップだったが、この日のベストタイムをマークしたのはNo.56 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)のデ・オリベイラだった。ただし、彼が最後の最後で逆転するまでトップにいたのは、No.96 K-tunes RC F GT3(新田守男/平良響)の平良だった。「今日は天気が不安定で、新田(守男)さんが予定の走行をできなかったので、午後に僕がロングのテストをさせてもらいました。そんな中で1セットだけニュータイヤでアタックさせてもらいました。それでこの結果なので、それは素直に嬉しかったですね。でももっともっと走って自分のパフォーマンスを伸ばしていきたいと思っています」とアグレッシブに語るルーキーの今後にも注目したい。

 

 

 

 また、当初の予定から変更されたが、午後のセッション4終了後に雨が降っていなかったため、スタート練習が行われた。すると、その後サーキットには雨が降り始めた。

 

 

 2日間にわたった公式テスト富士を終えて、2週間後の4月10、11日にはいよいよ、岡山国際サーキットで2021年開幕戦だ。2度の公式テストを見ても、両クラスとも好レースが期待されるだけに、大いに楽しみにしてほしい。

 

 

GT500クラス・トップタイム

ロニー・クインタレッリ(No.23 MOTUL AUTECH GT-R)

午前は(松田)次生選手が担当してウエットからドライに変わって行くコンディションの中、タイヤテストをしました。午後は私がドライブして1回だけ短めの走行をした後、ロングランのテストをしました。ここ富士での第2戦に向けてはタイヤライフがいいモノを選ぶことができました。新たなトライもしましたが、それもOKでしたね。去年に比べるとミシュランタイヤは確実に進歩しています。クルマに関しては基本的には去年のままですが、セットアップをさらに進めるとともに、エンジンについても手が入れられています。こちらも、少しだけど着実に良くなっています。ただドライバーは、どれだけパワーアップしても『もっとパワーが欲しい』って言いますからね(苦笑)。開幕戦岡山と、特に第2戦の富士に向けては充分な手応えをつかむことができました。

 

GT300クラス・トップタイム

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(No.56 リアライズ日産自動車大学校 GT-R)

今日もクルマのフィーリングは良かったですね。特にレースシミュレーションでロングランした時はね。2日間ともにトップタイムということで、手応えは大きくなりました。クルマのセットアップやタイヤのライフでは自信が持てました。詳しくは言えませんが、もちろん第2戦の富士に向けて(サクセスウェイトへの)対応もしています。でも、今年はGR Supra GTが増えて、大きな脅威に感じています。今回トップタイムと言っても、ライバルのタイムが、この通りだと僕は信じられませんよ。きっと全開で走ってないんじゃないかな(笑)。岡山テストでも(GR Supra GTは)レースラップ想定で1.5秒くらい速かったしね。でも、これで僕たちもクルマに自信が持てたので、開幕戦からがんばっていきます!

 

 

→ 【公式テスト富士】走行1回目

→ 【公式テスト富士】走行2回目/総合結果

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