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Race Report
2021.05.04
Catch Up_02:No.52 吉田広樹

Catch Up_02:No.52 吉田広樹の画像

 

 

【Catch Up_02】
すべてが完璧なレース展開だったにもかかわらず……

 

完璧なマシンに、完璧な戦略。ドライバーもその任務を忠実にこなし、レース前半は鳴りを潜め、ここぞというタイミングでトップに浮上、あとはチェッカーを受けるだけ──戦況を見守っていた誰もがそう思っていた残り7周、GT300クラスのトップを走っていたNo.52 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが突然スローダウン、ゆっくりコースを1周してマシンをガレージへと収めてしまいました。その時ステアリングを握っていた吉田広樹選手に、その理由と状況を訊きました。

 

トラブルは仕方ないけど、本当に悔しい

 

──まず、いったい何が起こったのでしょうか?
吉田:まだはっきりとは分からないんですが、(ストップの原因は)多分、ドライブシャフトのトラブルかなと思います。突然でした。スープラコーナーを立ち上がって最終コーナーに向かう途中で(トラブルが)おきたんですけど、残り周回数を考えれば、少しペースを落とせばなんとか最後までいけるかなと思って対処しながらストレートに入っていきました。そうしたらまっすぐ走れたので(ピットに入らず)そのまま行ったんですけど、コーナーでステアリングを切ると駆動が片方しかきかず、片輪が空転している感じでした。

 

──残り数周でしたし、非常に悔しい結果になってしまいましたね。
吉田:いろいろな状況の中でチームは頑張ってくれていましたし、(去年、富士で2勝しているので)富士は絶対に勝たなくてはいけなかった。それはシリーズを考えてのことでもあって、そのために開幕戦の岡山で「無理せず3位でも(いい)」と思って終わっているわけですから。それを考えたうえで、チームもブリヂストンさんも完璧な状態で富士に来ていて、第1スティントから無理せず、自分たちが思っているタイヤ交換のタイミングだったり、選んでいるタイヤだったり、自分たちの予定通りに進んできていたので……トラブルは仕方ないんですけど、本当に悔しいですね。

 

──トップに浮上してからの状況を教えてください。
吉田:最後のスティントで路面温度が下がってきたこともあって、柔らかいタイヤを履くか、予定していたタイヤを履くか迷いはあったんですけど、去年2勝してもタイトルを獲れなかったのは獲りこぼしが多かったからなので、そういう意味では“冒険しない”選択をしました。実際、1スティント目と2スティント目は実績のあるタイヤを選んでいます。レース終盤、周回遅れの集団と絡んで2周ぐらいタイムロスがあって、その間に(後続との)ギャップがつまってしまいました。その後、FCYのタイミングで路面温度が下がっていたこともあってタイヤのグリップが落ちてしまったんですけど、走り続けていたら問題ないくらいの感じでタイムもポンと戻ったので、タイム差と周回数を考えれば問題ないと思っていたんですけどね……。

 

──トラブルについては?
吉田:トラブルを前もってチェックしていかなくちゃいけないとは思いますが、今回のトラブルは誰のせいでもないですし、前向きに受け止めれば、軽い状態で次の鈴鹿にいけるので、そこで速さを見せたいと思っています。

 

──レースのほぼすべてを支配していたようにも思いますが、どのような評価をしていますか?
吉田:いつもは(川合)孝汰がスタートなんですけど、今回は長いレースということもあってチームの判断で僕がスタートを担当しました。だから、できるだけ孝汰にタイヤを残して走らせてあげたかったので、最初のスティントはトップ4台の後ろで無理せず走りました。ドライバー交代してからも孝汰がいいペースで走ってくれていたので、そういう意味では自分たちのやれることはやっていたし、タイヤ選択や交換のタイミングなどチームの戦略や考え方も間違っていなかったので、自信を持って今後に活かしていきたいと思っています。

 

──次の鈴鹿に向けて、目標を聞かせてください。
吉田:シリーズチャンピオンを考えたら勝って大量にポイントを獲っておきたいので、簡単ではないと思うんですけど、去年のデータや今回の経験も活かして、みんなで優勝を目指していきたいと思います。

 

 

 

 

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