【Catch Up_03】
“闘将”の目にも涙
かつては常勝チームと言われながら、勝てそうで勝てない時期が続いたTEAM IMPUL(No.12 カルソニック IMPUL GT-R)が、2016年8月以来となる優勝を飾りました。レース終了直後、歓喜に沸く平峰一貴選手と松下信治選手のもとにかけ寄った“闘将”星野一義監督。その目には涙が光っていました。悩み、苦しみ続けた5年を過ごし、ようやくの悲願達成に安堵の表情を見せた星野監督の喜びの声をお届けします。
ミスがないようにずっと祈っていた
──2016年以来の優勝ですね。
星野:ちょっと間が空きすぎたよね。でも、ずっと(勝ちを)追いかけていたけど結果が出せなくて……俺だってキツかったよ。上っ面の甘い言葉じゃないけど、スタッフも本当にがんばってくれた。
──今日のレースはどんな想いで見ていましたか?
星野:最後まで何があるか怖くて怖くて……でも、なりゆきで見守るしかなかった。SC(セーフティカー)が入った時には“ありゃーっ”って思ったし、8号車がペナルティをくらったりもしたけど、ウチはコンマ1秒コンマ1秒を積み重ねていった。その中で俺はやっぱり自分のチームのことが心配だったし、ミスがないようにずっと祈っていた。
──星野監督は「サポートしてくださっている人たちのために成績で恩返しをしたい」と常々おっしゃっていましたが、ようやくそれが叶いましたね。
星野:いや、本当にそう。“ありがとう”っていう言葉や義理人情や僕の名前だけで済むわけじゃないからね。ちゃんと結果で返したいと思っていたから、今日は本当に良かった。そういう意味では嬉しいというより、ホッとしたかな。ここまで本当にキツかったからね。ここまで成績が残せなくて、何回も自分で(チーム監督である)自分を“クビ”にしてきた。でもさ、その記者発表会をやらなくて良かったよ(笑)。これで、首の皮をつなげてもらった感じだね。本当にホッとしている。でもこれで、ここからは思いっ切り戦えるよ。
──明日はゆっくりできますね。
星野:明日はもう電話も取らないよ。会社には“電話してくるな”って言ってあるしね、明日は一日留守!(笑)。明日は別荘に行って、草むしりでもしてノンビリするよ(笑)。
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